昨日曜日「のクールジャパン」で解体された世界貿易センタービル(WTC)を見た。160余メートルもあるごつい正方形ビルが跡形もなく消え失せていた。
ある時期、このビル内の30階を超える職場に勤めていた。浜松町駅にほとんど隣接していて雨が降っても傘いらずの通勤だった。
眺めは抜群で船舶も飛行機もモノレール電車もむろんJR電車や高速の車両も望めた。見えないのは地下鉄だけ。
話は変わる。あるとき、警視庁の私服が来て私が応対した。なんでも米大統領が来日してその車列が高速を通る。狙撃の懸念を排除したい。ついてはその時分を監視してほしいと言うのだ。
羽田方面からの高速道路はちょうどWTC近くでゆるやかにカーブしながら芝公園方面に向かう。この高速道路脇に並行して道路から少し高めのビル(4階程度)がたくさんある。ちょうど屋上から狙い撃ちできそうである。
私の職場からこれら屋上が丸見えだから監視によいというわけだ。
結果を言えば大統領はヘリで赤坂の米大使館に向かったとか。どうやら警視庁の陽動作戦だったらしい。後に警視庁から感謝の手紙が届いた。
スピード違反で停止させられたとき、この感謝状を見せれば放免されるだろうとほくそ笑んだ。それを試す前に手紙を紛失してしまった。
WTCの思い出である。