本と旅とやきもの

内外の近代小説、個人海外旅行、陶磁器の鑑賞について触れていき、ブログ・コミュニティを広げたい。

犬も自然治癒力

2020-11-30 08:49:02 | Weblog
 その日、我が家の犬の「マル」は散歩に気乗り薄だった。
 いつもならば、リードをぐいぐい引っ張って1時間は歩くのに、この日は勝手に家路に向かう。帰ると、朝飯も喰わず横になった。

 家の中にはマル用のベッドが三か所にある。ダイニング、リビング、仏間前の廊下だ。ダイニングはエサ皿が近い、また勝手口から散歩に行くときに便利だから利用頻度が高い。リビングはテレビを観るかみさんの傍にいられるので夜のひとときいる。仏間前の廊下はひんやりして夏向きだが、今は暖房がない場所になる。ただ、人にもネコにも邪魔されず過ごせる。

 マルはその邪魔の入らない廊下で1週間も寝込んでいる。たまに生理現象で裏庭に出るくらいだ。食い意地を張って残ったネコのエサもがつがつ喰うのだが、この時はミルクを飲むか、鶏レバーか缶詰のペットエサを少し口にするだけ。

 「ガン」があると動物病院で診断されていたので、いよいよダメかと思った。
 ところが昨日から元気がでてきた。散歩に連れていけと泣く。ワンワンと吠えるのではない。悲しそうな声を出すのだ。食欲も旺盛である。

 人間は具合が悪いときは寝る。それと同じように犬も寝ることにより自然治癒力がでてくるのだろう。
 医者の診断が本当ならば、爆弾を抱えているわけだが、今のこの元気が続けてほしいものだ。
 明日から師走だ。

うさぎ跳び

2020-11-29 08:52:58 | Weblog
 同じ地区に住む95歳のおじいさんの話。
 認知症ではないが身体が弱ってきたのか元気がない。家人が心配して要支援の認定を受けさせることにした。

 地域包括支援センターの担当者が来て、歩行の様子を知るためか「おじいさん、しゃがむことができますか」と尋ねた。「しゃがむどころか、うさぎ跳びもできるよ」

 実際、ぴょんぴょんと跳んだか聞き漏らした。じいさん、認定がイヤだったか。あるいは認知の疑いがありはしないか。

朝鮮半島は有事だった

2020-11-28 08:44:22 | Weblog
 朝鮮戦争が勃発(1950年)して70年になる。
 アッという前に北朝鮮が南侵して、韓国側は釜山まで追い詰められた。それをマッカーサー率いる米軍が仁川に上陸してから徐々に押し返した。

 もし、北朝鮮の後ろ盾の中国とロシアが朝鮮半島を占拠すれば、次は日本も危機になる。そうなれば、太平洋戦争で疲弊した日本はひとたまりもなかっただろう。マッカーサーに感謝だ。

 そのマッカーサーは、日本が日清、日露の戦争で踏ん張り、半島を確保したのは納得できると言った。だから、かの日本の戦争は自衛戦争であるとも話している。

 韓国は釜山に追い詰められたことをケロッと忘れているようだが、朝鮮戦争で負ければ、中国とロシアの支配下で哀れな生き方を強いられた可能性が高い。
今回はアメリカが助けたが、あの時代は日本の助けがあったから、清国の冊封から解き放し朝貢を廃止させ、またロシアの南下を阻止できたのである。

言葉は時に乗って伝わる

2020-11-27 09:11:55 | Weblog
 遠山金四郎の父景普(かげみち)は蝦夷地視察の際、津軽半島の北端の三厩(みんまや)で驚いたことがある。その土地の子供たちが、江戸ではやっていたわらべ歌を歌っていた。その伝わり方の速さに感心したのだ。伝存する紀行文に書かれているそうだ。それだけのこと。

 東北地方には、怖いものがやってくることを「もんこ来る」といっていた。「もんこ」は蒙古のことで、早い話が「蒙古来襲」である。

 この恐ろしい「もんこ来るぞ」と泣いたり言うことを聞かなかったりの幼い子供に言えば、泣き止んだりおとなしくなったりとなる。今もこの言葉が生き延びているか知らないが。

 とにかく(文永の役)と1281年(弘安の役)の元寇の事件がじわじわと北上し、みちのくに届いたわけだ。多分、江戸時代か。

 蒙古軍と沖合で海戦があった長崎の鷹島に行ったとき、島のおばさんに訊けば今でも「ムクリ、コクリが来た」と言うとか。蒙古、高句麗のこと。こちらは眼の前の事件だったから生々しい記憶だろう。

奇貨

2020-11-26 08:32:43 | Weblog
 「奇貨居くべし』という小説がある。小説は読んでいないが、そのタイトルとなった言葉は呂不韋が言ったことと知っていた。ただ、その言葉を知らなかったため、残念なことがあったという話。
 
 イギリスのチェスターで、それはあるアンティーク・ショップのウインドウにあった。かみさんが見つけた三角型の懐中時計である。文字盤の数字が教会やカナヅチなどの図に置き換わっている。珍品である。ロレックス製で当時20万円ほどの値段だった。

 「レアものですよ」と店の者が勧めたが、結局買わなかった。
 帰国後、アンティークの本に、まったく同じ三角型懐中時計の写真がある。「フリーメイソンの時計、150万円」。これを見て、買わなかったことを悔やんだのだ。

 「奇貨」とは珍しい品物のこと。「奇貨居くべし」は珍しい品物は買っておいたほうがよい。あとで大きな利益になるという。好機を逸失したわけだ。
 
 フリーメイソンの最初は石工の団体だったと思う。だから石工の道具や彼らが建てた教会が図にしたのだろう。