凶弾で倒れた中村哲医師の『医者 井戸を掘る』よると、井戸を掘り進む土中で岩石にぶち当たることがあるそうだ。これを取り除くためには爆破により破砕しなければならない。
このためには爆破させる火薬と技術が欠かせない。火薬はソ連軍が埋めた地雷や不発弾から掻き出した。爆破技術はこれまたソ連軍と闘ったゲリラ戦士がお手の物だったようだ。
発破の前に火薬を注ぐ穴を穿つ必要がある。そのノミにはソ連軍の遺棄した戦車のキャタピラの鉄を利用した。
以上は井上ひさしのエッセイ「世界の真実、この一冊に」からの変訳的孫引きになる。
ウクライナの水資源は全く知らないが、ロシア製の遺棄または分捕った戦車などの鉄の塊は復興の鉄材として再利用とてほしいものだ。