本と旅とやきもの

内外の近代小説、個人海外旅行、陶磁器の鑑賞について触れていき、ブログ・コミュニティを広げたい。

寺子屋の教材

2021-12-12 08:49:02 | Weblog
 よく知られているように、江戸時代の庶民の識字率は相当に高かった。寺子屋のリテラシー(読み書き)教育のおかげですね。商家の子にはそろばんも必須だった。今はそろばんがPCになった。

 浮世絵師の一寸子花里に寺子屋風景「文学万代の宝」がある。見るとおとなしく勉強している子どもは少ない。テンデバラバラに好き勝手なことをしている。

 そりゃそうだ、論語や孟子の暗誦なんて、よほどの子でないと面白いはずはない。はなたれ小僧が「子、のたまわく」と言っていたかねぇ。寺子屋風景の絵には、先生の後ろには史記と書かれた貼り紙が掛かっている。これだって小さな子、特に女の子には楽しいものではない。

 『文藝春秋』12月号にロバート・キャンベルさんは「庶民の識字率を挙げる文教政策として笑いを込めた教訓ものが広く流布していた」と語っていた。
 子ども向けのユーモラスな本はあっただろうが、どちらかと言うと、私は御伽草子が識字率向上に役立ったと思う。