もうすぐ米アカデミー。
フランス映画では珍しく5部門もノミネートされている作品が!
ジュスティーヌ・トリエ監督の『落下の解剖学』。
冒頭、雪山に不似合いなラテンな音楽が絡みつくように不穏な空気を醸し出しています。ああ、こわ。
主演女優のザンドラ・ミュラーはさすがドイツの人だけあって、媚びもなくて圧倒的な存在感。圧倒的というかほとんど威圧的。
彼女の脇で、華奢で繊細なフランス人俳優のスワン・アルローが対照的。一応、彼女の弁護士なのだけれど、検察側の雄弁でアグレッシブな弁護士に比べると、この弁護で大丈夫か?と気がかりになる、それがスワン・アルローの持ち味です。
私の周囲では、セドリック・カーンの『ゴールドマン裁判』の関係者の友人が唯一、「この作品は嫌いだ!」と叫んでいましたが、セザール賞レースのライバル関係なので、かなりバイアスのかかった批評として、『落下の解剖学』はほぼ満場一致で絶賛の評価です。
タイトルがいいですよね。
共同脚本のアルチュール・アラリは『ONODA』の監督で、俳優でもあるんですよね。映画の同業者カップルで、もの書きのカップルの解剖をするというのが、面白い。トリエ監督は、自分たちは落下の手前でとどまれるように「これは厄払い!」とおっしゃってました
フランス映画祭の通訳、楽しく頑張ってくださいね。
スワン・アルロー、いいでしょ、羞じらいのある人ですね。フランス人には珍しい?
「落下の解剖学」のおかげで、久々にフランス映画にスポットライトが大々的に当たったという気がして、とても嬉しい。
力のあるフランス女性監督増えてます!