B面でかせごう!

京都なまりのフランス語通訳
*人見有羽子のポップでキュート*

学びの日々

2023-05-19 22:34:04 | ひとりごと

フランスの一般日刊紙の取材通訳も無事終了。

いっときはコーディネート疲れで、切れそうになりましたが、あちこちで幸運に恵まれ?無事、着地。

最後の取材、早稲田大学の社会学教授とのインタビューは個人的にも興味津々で、今まで不明瞭だった技能実習制度について、2時間半、いろいろ学びました。ただ、なかなか定訳がないので、通訳は厳しかった・・。

「監理団体」なんて日本語でも初めて見たので、直訳したら「抽象的過ぎてわからん」と言われるし、

だって私自身がなんのことか日本語でわかってないのだからそれ以上訳せない! その晩、ネットで定訳を探したが、みつかったのはせいぜい英語。英語をフランス語に訳しても今ひとつわからないので、「技能実習制度の監理団体になるためには」というサイトで、ようやく、あ〜そうか、自分から申請して監理団体を目指さないとなれないわけね、と合点。

特定技能1号、2号という制度にしても、はあ?という感じでしたが、ようやく当該の日本語の新聞記事もすらすら読めるようになりました。日本の新聞の一面記事なのに、まったく日本語の意味わからん、状態だったのですが、この数日で学んだので、その背後に隠されている様々な状況含めて、ようやくわかる。でも私がそうだったように、一般読者はわからないだろうな・・。テレビでの特集もないし。

というわけで、二日目はフランス人記者さんも制度自体の全体像を把握されたので、言葉の意味自体につまずくことなく通訳もスムーズ。とにかく複雑な制度です・・・。

入管法の「改悪」法案反対!の参議院議員会館前のシット・インも取材。70代のおじいちゃんたちが頑張ってる! 元・左翼、今も左翼って感じの人たちだけど、ユーモアも自虐味もあって、お話は面白かった。

未来の日本の方向が透けてみえる技能実習制度廃止案と入管法改正案は今後もフォローです。

 

 

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怒濤の4月を乗り切って

2023-05-12 21:31:42 | シネマ&芝居

東急グループが、歌舞伎町のランドマーク、ゴジラのTOHOに対抗して?目の前に建てた東急歌舞伎町タワー。

その6階に生まれた新宿THEATER MILANO-Za のこけら落とし公演「エヴァンゲリオン・ビヨンド」になぜか、まるで関係のなさそうな私もクリエイションに立ち会う。書き下ろし音楽の作曲担当アレクサンドル・ダイ・カスタン(アレックス)の通訳として稽古に通ったわけですが、あ〜こんなに長く同じチームと袖振り合ったのはひょっとしてフリー通訳になってから初めての仕事かもしれない。

今回は海外作品の引っ越し公演でもなければ再演でもなく、日本人スタッフと海外スタッフのコラボによる初演なので、ゼロから創りだしていく現場。映画の撮影もそうですが、ダンサーさんたちの振付け、大道具さんたちの舞台転換などなど俳優さんの稽古以外にも待ち時間が長く、たまに音楽の指示が突如入るけれども基本的に待機状態・・・。

何もすることがないというのは通訳としてはなんとも不思議な居心地の悪い時間なので、発作的にiPadを購入し、これで時間をつぶすか〜なんて不埒なことを思っていたら稽古が本格化し始めて、まるでiPad活用できず、それはそれで良かった。

本公演のリーダーは、ベルギー出身で国際的にも名の知れた演出家・振付家のシディ・ラルビ・シルカウィ。

以前にラルビの密着ドキュメンタリーの映像素材の翻訳をしたことがあったので、どれだけすごい人かどれだけこだわる人かはわかっていましたが、う〜ん、うなりました。彼の頭の中にはおそらく明確な作品イメージがあって、でも、それを日々、柔軟に進化させていく。その変化に周囲は戸惑うこともあるし、彼の意図に追いついていけないこともある。でも、彼は一度だって声を荒げることがない。

私が担当したアレックスもそういう人でした。ベトナムとフランスの血をひき、ジュネーヴに暮らす。

「大丈夫かな、なんて疑いをもつことは僕は一度もない」と言い切る。強い。どんな音楽をリクエストされても即時応えられるように準備は周到。アレンジも自由自在。それに見事に応えてくれたのが、日本人の優秀で優しい音響スタッフさんたち。

わたしが生き延びられたのも、この音楽チームのおかげですよ。 アレックスの敏腕女性マネージャーも合流して、さらにパワーアップ。

というわけで、この稽古以外にハードな仕事を数件抱えてしまい、まさに怒濤の4月を乗り越え、終わってみれば体力的な自信も回復。

確かにコロナ後、体力的には自信喪失。仕事はオンラインでしたし、夜の外出ももう私には無理・・なんて言っていたのに、え〜意外にやれるやん、と自分で驚く。日替わりの美味しいお弁当含め、三食きちんと食べることと、帰宅したら速攻睡眠確保が鍵でした。

この怒濤の2023年4月は、私にとってハードな、でも健全なリハビリ効果絶大の一ヶ月となったわけです。

あ〜、でも休めるってなんて幸せ。って思えること自体が幸せね。コロナ禍を経た今ではね。

 

あ、本公演、演劇評ではあまりクローズアップされませんが、個人的に感じ入るのはやはり創作過程に立ち会った音楽、サウンドエフェクト、日本の伝統的民謡調の歌唱、和太鼓・横笛の生演奏。

そしてわたしはラストで感極まって泣きます。

ダンサーの人たちと練り上げた俳優の身体表現も照明も映像マッピングも舞台セットも衣装もすべての粋が集結したラストです。

 

 

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『アダマン号に乗って』日本に到着!

2023-05-02 10:34:57 | ひとりごと

先週、急遽来日してくれたニコラ・フィリベール監督の新作『アダマン号に乗って』は絶賛公開中です!  

今年のベルリン国際映画祭の最高賞・金熊賞受賞。ドキュメンタリー作品としては、ベルリン映画祭史上わずかに2度目。

セーヌ川に浮かぶアダマン号の乗客(=気が向いたときに通院する精神疾患の患者さん)に寄せるフィリベール監督のまなざしは限りなく暖かく、かといって上から目線ではなく、私たちが生きる画一的、規範的な現代社会の中で彼らそれぞれが発揮する唯一無二のパーソナリティーに監督自身が癒やされているのが感じられます。

必見です!

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