B面でかせごう!

京都なまりのフランス語通訳
*人見有羽子のポップでキュート*

ブノワ・ジャコ監督との不思議な縁

2012-10-25 12:20:33 | シネマ&芝居

さてさて、東京国際映画祭は進行中ですが
特別招待作として出品された「マリー・アントワネットに別れを告げて」のブノワ・ジャコ監督主演女優レア・セドゥの取材通訳は無事終了。

わたしは今回、
ジャコ監督の担当をさせていただきました。
横浜フランス映画祭に出品された「イザベル・アジャーニの惑い」の際は、スタニスラス・メラールくんの担当でしたが、その時に監督とはお会いしていて、今回二度目・・いや、実は三度目!

というのもパリはホテル・サンラザール・ラファイエットで撮影が行われた「シングルガール」に私も数秒エキストラで出演しているのでした。

今回、監督にそのことを喚起しましたところ「あ~!覚えてるよ。あの映画は僕も大好きなんだ」とけっこう受けて下さいまして、
取材中にも「マダム(私のこと)は僕の映画にも出演していますよ」なんて、わたしのPR(?)まで担当してくださって、恐縮してました。

確か
アンヌ・フォンテーヌ監督「おとぼけオーギュスタン」の主演ジャン=クレチアン・シベルタン・ブランくんと友人だった経緯で、彼も出演している「シングルガール」のエキストラ役が回ってきたのだと記憶しています。

今回、ジャン=クレチアンは、ヴィルジニ・ルドワイヤンと再共演はたしています。
ポリニャック公爵夫人の「夫」として、レア・セドゥ演じるシドニーと3人でヴェルサイユを脱出、スイスへ向かう馬車のなかで!

最初、わからなかったんですよね、彼だということを。
しかし、あの、疲れた顔のなんとか犬のような長い顔、とろんとした目をみて、うわ、ジャン=クレチアンだ!と、試写会場で仰天したのでした。

このあたり、ブノワ・ジャコ監督のユーモアでしょうね。

ジャコ監督の「サド
ー発禁本」の脚本のジャック・フィエスキ氏とベルナール・ミノレ氏とも実は知り合いなので、世間は狭いところで循環していると思いながら、ひょっとしたらヤブヘビになるとまずいの、監督には黙ってました。

ま、杞憂だと思いますが人間関係はいろいろあるので、無邪気に「存じ上げてますよ!」と言えないのが、世間です。

こんどなにげに聞いてみよっと。

コメント (4)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ポール・ヴェキャリ礼賛

2012-10-21 11:03:40 | シネマ&芝居

日本で無名のポール・ヴェキャリ。

パリにいたころはヴェキャリの新作が出るたびにけっこう気にして観に行ったものですが、日本でヴェキャリを見たのは昨日が初めて、かも知れない。

たしかに人情が「濃い」やや「泥くさい」。
こともあって、洗練ブルジョワ系フランス映画のロメールやギトリに心酔していたわたしには、フランスのこのウェットな人情社会にはちょっと入れないや、と思っていたのでしが、この年齢になって見てみると・・・。

昨日は「ワンス・モア/Encore」。
同性愛エイズ、別次元の愛情で結びつく情の深い女性たち
ヴェキャリの懐の深さ(かたや辛辣さとして発露)は、非常に魅力的。
大人だわ。

でも、きっと情が深いぶん、メランコリックな人じゃないかと思います。
シニカルで・・。好み!

ぜひ彼のレトロスペクティブを日本で開催しよう!
ヴェキャリを呼ぼう!
・・とった一夜でした。

時遅し・に、ならないうちに。

コメント (2)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

僕はノー・マンズ・ランド、傑作!

2012-10-21 10:49:47 | シネマ&芝居

アンスティチュ・フランセ東京の「映画とシャンソン」特集
ようやく駆けつけられました。

カイエ・ドュ・シネマの元編集長のティエリー・ジュースの
「Je suis un no man's land/僕はノー・マンズ・ランド」。

期待しないで観に行った。悲観的な主人公だったら暗くて嫌だな、と思いつつ・・・。
なんと、予想を大きく裏切るファンタジー! (やや語弊がありますが)
名前だけは聞き知っていたフィリップ・カトリーヌがこのおかただったとは、仰天。あ・・フランスでは髪が薄くても、もてるんだね・・。
ジェラール・ドパルデューがスターになる国だもんね・・。

ワイルドというほどギラギラしてなくて、でも、「素/ソバージュ」な男の魅力というのでしょうか。帰宅してネットで調べたら、フィリップ・カトリーヌは、才女のジャンヌ・バリバールともつきあい、その後、この作品を通して知り合ったジュリー・ドパルデューと二子をもうけて、と、はあ、やっぱり、生命力が違いますね。

近頃、仕事に埋没して肩こりだ不眠だ、と、生命力とはほど遠い生活を送っていただけに、心地よい刺激でした。

脇役陣のロラ・クレマンやジャッキー・ベロワイエも、今なお、いい味だしていて懐かしい。オーロラ・クレマンって「アンヌのランデブ」(タイトルちょっと失念)でしたっけのヒロインで、昔、かなり感化された。つかみどころのない存在感。
病気の彼女をいたわるベロワイエとの夫婦役は、切なくて愛おしい情感がにじんでいましたね・・。

さすがティエリー・ジュース、キャスティングが秀逸。

すっかり気分がよくなって、翌日もまた飯田橋へ・・。


コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

さびしい訃報続き・・

2012-10-18 21:57:36 | シネマ&芝居

とうとうエマニュエル夫人ことシルビア・クリステルが60才という若さで亡くなりました。

6月に倒れて、意識は取り戻していたらしいですが、がんが死因ということです。

ルモンド紙では、シネマテークのプログラムディレクター
のジャン=フランソワ・ロジェ氏が追悼記事を書いていて、フランス映画史のみならずフランス社会の性意識におけるエマニュエル夫人」の意義をきちんと解説して下さってます。

ホッ


そしてもうひと
つショッキングな訃報は若松二監督の交通事故死。
新宿でタクシーに・・なんて・・・

2年前、元赤軍派の塩見氏の生前葬に参列されていたのをお見かけしただけですがまたひとり世界に通用する骨太の日本男児が逝ってしまった・・・残念です。

いま、女友だちから借りた「阿部定伝」(分厚い、450ページほど)を寝る前に読んでますが、「愛のコリーダ」のプロデューサーだったんですよね、若松監督。

ああ、溜息。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

父の七回忌に。

2012-10-12 22:25:32 | ひとりごと

父の七回忌で週末は実家へ。

いまなお、亡き父という言い方はできず、
フランス語で「実家に帰る」というときも、
「両親の家に帰る rentrer chez mes parents 」と言い続けたい。

試写で今年のカンヌのパルムドール賞受賞作、ミヒャエル・ハネケの「アムール」を見る。
80才を超えた老夫婦の闘病(半身不随の妻と自宅介護に挑む夫)の日々。

わたしはもちろん父の病院での最後の数か月を思い出していた。

病人も介護する側も同じように人としての度量を試される日々。
どういう声のトーンで、どういう表情で、この言葉は発するべきか、
常に考えていたような気がする。

きっと父も同じことだっただろう。
でも、健常者のわたしたちに比べれば、演技する気力も体力もない父は無口だった。こらえていたのかな。

6年前の10月13日。もっと秋らしい秋だった気がする。




コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする