いよいよ、7月2日、話題作アニー・エルノ原作Passion simple の映画化『シンプルな情熱』公開です。
バレエファンの方々には、あのバレエ界の異端児セルゲイ・ポルーニンが!というトキメキ倍増は間違いなし。
6月の彼の来日公演はキャンセルになったので、ちょうど嬉しいタイミングのことと思います。
って、なんだか他人事みたいな話し方ですが、映画を観たときは、あまりにもかっこよすぎるアレクサンドル(=ロシア人既婚男性。生活感ゼロ)に反発してしまった。
関西のおじさん風に「こんなヤツ、おらんやろ」と突っ込んだわけですが、レバノン出身のダニエル・アービッド監督によると「アレクサンドルは恋する女性のファンタスムが創り上げた創造物よ。人間じゃない、神よ」ということなので合点。そっか、そっか。
実際、ネットで彼が素の自分でインタビューに答える姿をみると、あれ、意外にシャイ?と好感度アップ。二度目に観たときは「がんばってるね、セルゲイくん」と、冷静に作品を楽しみました。
R-18指定ですが、繰り返し登場するセックスシーンは物語の時間経過、2人の感情の変化とともに仕草や視線が微妙に進化していくというので、あらまあ、監督、細かいですね! そりゃそうだ。毎回、同じならそれはポルノかAVです。閉じられた空間のオレンジ色のランプ光ではなく、あくまでも白昼の光の中という演出に、シンプルな情熱、恋することの幸せを肯定する監督のこだわりを感じます。
ヴァーチャルで恋してる場合じゃない!って気分になりますよ。
映画『シンプルな情熱』公式サイト。7月2日(金)Bunkamuraル・シネマほか全国ロードショー