B面でかせごう!

京都なまりのフランス語通訳
*人見有羽子のポップでキュート*

『5月の花嫁学校』で弾けて!

2021-05-29 11:15:23 | シネマ&芝居

昨日5月28日公開の『5月の花嫁学校』!

原題は「La Bonne épouse /ラ・ボンヌ・エプーズ/良妻」で、え〜今どき皮肉?と思うほど昨今のフェミニズムの気風には反するのじゃ?と思った人は、この映画を最後まで観て下さいませ。

時代は68年5月革命の直前なので、まあ、花嫁学校もがんがんと隆盛だったフランス(=地方です。パリはまた別の話)。

でも、革命前夜、学校の若い娘たちはすでに自由への欲求でむずむず。

そして、主人公のジュリエット・ビノシュ演じる花嫁学校長ポレットも、夫の不慮の死(=夫役のフランソワ・ベルランには申し訳ないですが、超コミカルな最期!)をきっかけに、自由に目覚めていく・・というほど、一気ではないのですが、少しずつ少しずつ・・・。

いつもはスカートスーツ姿でフェミナンを決めていたポレットが、どきどきしながら、とうとうパンタロンを履くに至る。それは当時は革命的なことなのでした! 

ジュリエットはぜったい日頃から鍛えてますよね、このパンツ姿がスカートスーツ以上に色っぽい!ブラボー!という感じ。

ビノシュの共演者の2人の大女優さんも今回ははっちゃけて、3人の女優さんがほんと楽しそう。

で、監督はこんなに優しそうな男性。あらあ〜ますます嬉しいですよね。

脚本はMeToo運動前に書き始めていたそうですから(=下記のインタビューで読んでね)、

日頃から、女性の生き方に目を向けていたマルタン・プロヴォ監督ならではの見事なシンクロでした。

  こういう時期なのでなおさら、いっしょに弾けられる作品です。

 

「5月の花嫁学校」監督が語る、女性の物語を撮り続ける理由、#metoo運動以降のフランス : 映画ニュース - 映画.com

元家政婦で、素朴派の画家の生涯を描いた「セラフィーヌの庭」(08)、フランスを代表するフェミニスト、ボーボワールの友人であった女流作家を主人...

映画.com

 

 

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夜更かしは読書で

2021-05-18 19:14:57 | 本と雑誌

先日、紹介した『狂女たちの舞踏会』を昨晩、読了しました。

ワクチンの大規模接種会場予約方法を防衛省のサイトで見ていたら、う〜ん、これなら私でもできるかも、と

闘争心がメラメラと。

というのも、マックユーザーであるわたしは政府の給付金のたびに、ウィンドウズで作られたオンライン申請ができなくて、立腹!憤慨!と、コールセンターの皆さん相手にクダを巻きながら、申請サポート会場を予約して、先日など足立区まで足を運んだのでした。

(=それはそれで担当者との人間的交流もあり、オンライン申請よりも共に勝ち取る感覚がコロナ禍においては貴重です。となりのブースで年長のおじいちゃん、おばあちゃんがなんだか緩い受け答えをしていて、それでもポジティブに快活に答えている女性担当者、えらい! やっぱり人ですよ、人)

なので、今回のネット予約は、ん? シンプルそう? って、わたしはまだ対象年齢ではないですが、

だんだん年齢が降りてくることを予想して、あ〜番号入れて、次の画面を見たい〜という気持ちになりましたよ。

もちろん巷で批判されているような架空番号、入力してませんよ。

ただ、悪用されやすい?シンプルな作りであることはわたしでも理解しました・・・。

 

で、すっかり頭が冴えてしまって、寝られない・・・。

しかたない。毎晩、少しずつ読んでいた本作を最後まで一気読みしました。午前3時まで。

 

意外にけっこう展開が早いので、次を知りたくなる面白さがあります。

テレビシリーズを観ていて、ついつい次回エピソードが流されるまま張りつけになって夜更かしする感覚。

(=もっとも、翌日がつらいので、いっき見しない自制心はまだありますが・・)

カタルシスもあるので映画にはぴったりだわ。

作者が若い女性だから、このテンポでしょうか。

 

訳者の言葉選びにもうっとりしながら・・・

わたしにこの語彙はあるだろうかと自問しつつ、ない・・と自答しながら。

日本語の語彙はなかなか増えないのですよ・・減っていく一方のお年頃・・。

 

でも、昨今の「人流」(じんりゅう)なんて言葉、覚えたくない。人の流れ、でいいじゃないですか。

耳にするたび、憮然とする。「じんりゅうをへらさなくては」って連呼されても、ハートに届かないですよ、

ね、若い人たち!

 

 

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グリゴリー・ソコロフの「フーガの技法」にはまる。

2021-05-14 20:54:29 | 音楽です。

なんてことない外出自粛の日々が続いています。

急ぎの翻訳は、ややこしいほど外界の憂さを忘れさせてくれるので、

ありがたや〜と取り組んでます。 原文日本語の読解がすでに難解で、う・・ん、これは単数か複数か、女性か男性か、

日本語はフランス語よりもそのあたりが不明瞭なので、立ち止まることの連続。

幸い、依頼主に電話で連絡がとれるので、なんとか。

 

そんな折り、偶然、France Musique の番組で、バッハの「フーガの技法/L'Art de la Fugue BWV 1080」の何とも魅力的な演奏を耳にして大興奮!

なんなんだ、このピアニストは、と調べましたら、ロシア人のグリゴリー・ソコロフさん。私が聴いた演奏はおそらくは30代の頃のものだと思いますが、今、現在70歳。ご健在で、来月にはシャンゼリゼ劇場でソロリサイタルのようで、

ああ〜〜、その場に飛んで行きたい。 コロナ禍だから、時間もあるし、でもお金がないからやっぱり行けない。

でも、一瞬、夢見ました。

それで、早速、中古でアルバム2枚組を注文したら、今日、届きました。

「フーガの技法」は飽きないんです。グレン・グールドのハープシコード演奏のアルバムは持っていますが、9番で

終わるので、あら、もう終わっちゃったの、う・・・ん、そんなあとをひく楽曲ですが、これがソコロフさんのピアノとなると、これがまたたまらなく優しくて、今回のアルバムには17番、とんで19番までおさめられているので、堪能させていただきます(=ん?なんで18番がないのだ? 調べよう)

おそらくわたしの場合は(=皆さんもそうでしょうか)、対位法がツボにはまるのだと思いますが、快感この上ない。

バッハはドイツ人で、ソコロフさんはロシア人。

あくまでわたしの趣味ですが、フランス人の作曲家ですごく好きという人はあまりいない・・。

イギリスならヘンデル(=英国に帰化するまでは確かドイツ人)、イタリアならバロック期のヴィヴァルディ、コレッリと名前は挙がりますが、フランスとなると・・・探さないとすぐに頭に浮かびません。

ジャン=フィリップ・ラモー? でも、これ!といったお気に入り曲はない。

人間の感性って何に反応するか人それぞれで面白いですよね。

わたしがフランス語を好きなのは、その数学的な厳格さだと思います。なので、わたしは意外に厳格な感性の持ち主かも知れないと推理しています。って、ぜんぜん違ってたりして! 

この年まで生きてくると、けっこう人生、つじつまがあっているので面白いです。

 

 

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パリのふだんの食風景が懐かしい

2021-05-08 15:39:41 | 本と雑誌

さすがにこのゴールデンウイークは帰省を断念。

京都も緊急事態宣言延長ですからね。美術館もほぼ閉館ですし・・・。

 

去年も帰省延期したので、まあ妥当な判断かと思いますが、

梅雨に突入する前に春の庭を堪能しに帰りたいところです。

 

フランスにも当分行けそうにないと思っていましたら、

懐かしのパリ生活を思いおこさせてくれる本が届きました。

 

著者の料理研究家・上野万梨子さんはパリ生活30年ですから、私の滞在時と10年ほどだぶっているのですが、当時、慎ましやかな学生の私の食生活と雲泥の差だろうと思っていたら、暮らしの中のふだん着のフランス料理が紹介されているので、ああ、そうだった、と思い出が蘇ることしばし。

寝る前に数ページ読むだけで、懐かしく幸せな気分に包まれて、寝付きが良くなったという効用があり、しかもふだんの万梨子さんを存じ上げているので、彼女のあくまでも品良く、それでいて歯切れの良い率直な語り口が耳元で聞こえてくるような感覚で、思わずニヤっと。

プロの料理人ならではのちょっとした調理のコツもさりげなく書かれていて、なるほど、とその時は納得して、真似しよう!と思うですが、そのまま寝てしまうので、覚えてない!のが、就寝前読書の落とし穴ですねえ〜。

 

 

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