近所の女友だちのマダムは映画好き。
昨夏、シャブロル特集の「ヴィオレット・ノジエール」を見に来たお客さんであふれかえっていたユーロスペース。どうやら入れそうもないので、諦めて階段を降り始めていたわたしの目の前にやはり、諦めて帰ろうしていたマダムがひとり。
ほっそりとしたボディラインにそった黒いシンプルなワンピースがちょっとパリっぽくて興味をひいた。
彼女も振り返って笑った。会話が始まった。
ぐうぜん同じ駅の隣人さんということがわかってから、自転車で行き来しては都立大や駒沢公園近くのサロンドテでケーキを食べるお茶飲み友だちになった。
いっしょに映画に行く、わけではない。
彼女もひとりで行くのが普通、わたしもそう。
だから、お互い感想はあとで電話で、メイルで。
フランス未公開傑作選@イメージフォーラム、やってますよ。
あ、そう、知らなかった、ありがとう、じゃ、行ってみるわ。
そんな彼女から珍しく高揚した留守電メッセージがはいった。
「すごく良かった! ありがとう! 最初から、これ、わたし好きって思った」
そうか、趣味があって良かった。クロード・ミレールの『ある秘密』を観に行ってくれたのだ。セシル・ド・フランス、綺麗ね。そう、凛とした女性が好きな人なのだ。ユペールも好き、アルダンも好き、というところで話が合う。
男優の話題にはほとんどならない。
二人ともすてきな女性に励まされるタイプなのだ。
ロメールの「三重スパイ」も観に行くわ、とおっしゃっていた。
うん、こちらの主演女優さんはギリシア美人で、ロメールの好みらしい。わかるわ、ちょっとマリー・リヴィエールタイプだ。繊細そうで・・女ぽくて・・。
わたしは今はファニー・アルダンぞっこんですが、リスクを恐れない女性ってかっこいい。とことん愛に生きる、うーん、学ぶわ。
夕べ、トリュフォーの「日曜日が待ちどおしい」を何十年ぶりに見て、大感激!
あ。でも、今晩はまだブログを書く時間がないので、これだけ宣言して
ア・ビヤント!
きょうはお昼ご飯にめずらしくひとりで出かけて、
店内から駒沢公園の緑をみながら、バーガーをほおばっていたら
急に暗くなってどしゃぶりの雨。
あっというまに雨宿りの人たちで埋まる店内。
傘も持たず自転車で出かけてるんだもの、帰れない。
あ、洗濯物・・。
ふぅ、そういう日もあるよね。
腹をくくって、デザートまで頼んで雨宿り。
でもそのあいだ持っていた本、かなり読めたよ。
なので「ル・アーヴルの靴みがき」は断念。
そのかわり夜はBS朝日でパリ5区の番組が良かったんだなあ~。
シェイクスピアカンパニー書店の若い美貌の店主シルヴィア・ビーチ。
いいなあ、カフェで朝ご飯。
なんでまともなパリジャンと結ばれなかったか、わたし。
まともじゃないパリジャンばかり好きだったんだよね、しかたない。
そういう性向だ!
まだ望みはゼロじゃない・・かな!!
今朝は、雨のなか、銀座エルメスの10階 ル・スチュディオへ。
Russian Ark / Alexandre Sokourov
「エルミタージュ幻想」
作品全体が、ワンカットワンシーンというのがどんなもんかいな、と想っていたら、う~ん、なんと流麗なカメラの動き。
おかしいな、トラベリングのはずないし・・とバカなことを考えながら、見てましたら、ステディカム使用だそうで、あ、そうか、と納得。
国立新美術館では、エルミタージュ美術館展もやってますが、ちょっと当分行けそうにないな・・。
マティスのなかでも大好きな「赤い部屋」は絶対にこの目で見る。
日本30年ぶりってことは、1982年に来てたってことね。
わたしが知ったのは確かパリだったような。80年代半ば、ひと目ぼれ。
この機に、あの感性の初々しい時代を想い出しそうです。