B面でかせごう!

京都なまりのフランス語通訳
*人見有羽子のポップでキュート*

花魁ファッション展へ

2018-11-28 10:43:12 | ひとりごと

原宿の太田記念美術館で「花魁ファッション」展

女性のレオタードを作っているフランス人社長さんが来日されていたタイミングで、だったら、花魁ファッションから何かインスパイアされるものがあるかも知れませんよ!と週末、浮世絵専門の太田記念美術館へ(=本当はわたしが観たかった!)

ご本人は、デザインより木版画製法にご興味が向いたようで、「こんど、僕もやりたいな」と。

そうですね、吉原のファッションですから、即座に現在の可憐な体操選手にどうぞ、というものでもなかったかな。

以前、ディオール時代のガリアーノが、花魁ファッションを取り入れていましたよね。

ちょっと、ぎょぎょぎょ、という感じでしたが、ガリアーノなら、ま、いっかだったのを記憶しています。

余談ですが、社長の娘さんがアントワープのモードアカデミーを卒業し現在なんとイタリアの某有名ブランドのデザインルームにおつとめとかで、社長は、ふつーのオジサンぽいので、ちょっと結びつかなくてびっくり。

どうやら社長の奥さん、つまり娘さんのお母さん、おばあさんがおしゃれ好きだそうで、そうか、そうか、いい話だ、うちと似ている、と急激に社長に親近感を覚えたのでした。

***

その後、吉原のカストリ書房の店長さんと学芸員さんのトークショーがあり、現在の吉原のスライドと、浮世絵の吉原を比較しながら、だいたいこのあたり、などと見ていくのですが、面白かった!

会場は立ち見のでる満席で、わたしはギリギリで壁伝いの丸イスにようやく座れましたが、トークは延長されて2時間。立っていた人は大変でしたよね。

でも、吉原をテーマにすると、こんなに人が来るんだ、というのはまた新たな発見。

以前、永青文庫での春画展の時も、通勤電車並みの混雑でしたが、へええ、という感じ。

カストリ書房にはいつか行かなきゃ、と思っていたところ、この機に店長の渡邊氏のトークを聴いて、さすが通、よどみなく説明されるので、この本屋は信用出来る、と思ったのでした。


「花魁ファッション」展は、今月30日からまた展示替えがあり、12月20日まで。

 

 

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体力勝負、めげない、打ち返す!の現場。

2018-11-20 19:38:29 | ひとりごと

週末は、インディーズ系の映画の通訳であちこち横浜、さらに遠出をして、TAMA CINEMA FORUM@京王永山まで。

体力いります。会場へたどりつくのにふう、ひと仕事。

それぞれの通訳も1時間半ほどのトーク。しかもウィスパリングめちゃくちゃあるし〜。

皆さんのご協力のもと、和やかな雰囲気で着地したのでめでたしめでたし。

 

本番も大変ですが、もっと大変なのは準備。何本も映画を観て、監督作品、女優さんの出演作品、固有名詞ですよ、覚えられない〜〜。とりわけアメリカの映画となると発音でつまづき、頭に入らないことはなはだしい。マイケルはフランス語でミカエルですし、ハル・ハートレイは、アル・アートレイなので、一瞬、ん?誰? カンペの固有名詞リストの準備が必要です。

しかも、『ワイルド・ボーイズ』のベルトラン・マンディコ監督の大好きなマッシュルーム変身人間怪奇もの『マタンゴ』。OK、タイトルはわかった。監督名は、ホンダ・・。「え〜と、ホンダ、ホンダ、ホンダソーイチロウ」(=って、ホンダの創業者だ、それは!)。

シネフィルの司会者が救いの手をさしのべてくれてようやく「ホンダイシロウ」が産みの苦しみとともに私のクチから吐き出される。しかも漢字では猪四郎と書いてイシロウですよ。イノシロウじゃないのだ、記憶する段階でつまずいてます。

 

スリルとサスペンス満載でしたが、マンディコ監督のミューズのエリナ・レーヴェンソンのキュートさ(=スクリーン上のエキセントリックで、ちょっと怖っ!な存在感からは予想できない!)に癒され、マンディコ監督のおそるべき映画愛、しかも日本映画愛、しかも寺山修司愛!に、こそばゆい快感を得ながらの通訳は、はい、幸せとしか言えません・・。

横浜では『ジョギング渡り鳥』の鈴木卓爾監督のほんわかヒューマンで適切なコメント、TAMAでは、司会の映画ライター・五所純子さんの漢語表現がちりばめられ(=時に私の日本語能力でついていけない・・)、蛇行する川の流れのごとく予測不可能で鋭い質問(=好評につき、五所さんはマンディコ監督に、「川女femme rivière」と愛情を込めて命名されてました)のおかげで、それぞれ充実のトークショーになったと思います。

 

会場の皆さんからの質問も教養あふれるハイレベルで、澁澤龍彦、マルコ・フェレリ、ウィリアム・バロウーズ、安部公房、ミシュレ、うわお、うわお、うわお、出る出る出る。

 

どれだけラリーを打ち返せるか、え、まだ続くの?とおびえながらの現場でした!

 

 

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ミキモト銀座の写真展

2018-11-16 13:03:39 | アート・文化

銀座で写真展のご案内です。

 

写真家の鍋島徳恭さんがとりためた二代目 中村吉右衛門さんの写真30点。

手漉きの伊勢和紙に豪快な吉右衛門さんの姿。場所は銀座4丁目のMIKIMOTOです。

鍋島さんはわたしのHPのポートレイト写真もお願いしたお友達です。

ポートレイトだけでなく、いろいろな分野で活躍してらっしゃる同世代です!

 

銀座のMIKIMOTO本店なんてお金持ちのフランス人に同行する以外、機会もあまりないですが、エレベーター直行で7階のミキモトホールへ。

静かな空間に二代目吉右衛門さんがあちこちに浮かび上がってます。

吉右衛門さんはたしかフランス語もご堪能なんですよね。

って、それだけの縁ですが!

 

銀座にお出かけの際は、そうだ、MIKIMOTOへ行こう!と颯爽と立ち寄ってみて下さいな。

 

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秋の夜長は女性作者の書き物で。

2018-11-08 22:03:40 | 本と雑誌

ここのところの寝る前のお楽しみは、吉屋信子『自伝的女流文壇史』でした。

 

吉屋信子の同時代の女性作家たちのポートレイトになっていて、面白すぎる! かなりゴシップぽいところもあり、ええ、そこまで書いていいのか、という思い切りの良さもあり、かつ、当時の文壇の交友関係、力関係も垣間見れる貴重な文学史の資料です。

 

わたしとしては、吉屋信子のイメージががらっと好転。

こんなふうにグループのリーダー格で動いていた人とは知りませんでした。

文章も硬派で、でも細やかな心の機微がここかしこに感じられて、うわ、男前な女性じゃん!

 

またまた女性に勇気づけられました。

 

次は分厚い単行本が枕元のサイドテーブルにどっしりと。

女性作者による折口信夫の評伝。でも、そんじょそこらの評伝じゃなさそう、作者が持田叙子さんですから!

 

というわけで、ノブコづいてます。

 

 

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とろろ昆布は、とろろ。

2018-11-05 10:37:17 | ひとりごと

先日、レセプションのビュッフェで、とろろ昆布のおにぎりがあった!

関東ではとても珍しいのではないでしょうか。


わたしの知るとろろ昆布のおにぎりは、だんぜん俵型ですが、その夜は

丸いボール型。感激して「とろろのおにぎり!」と叫んでいたら、隣にいた知人の女性に「どこにとろろ?」とわたしの取り皿の上をじっとごらんになる。

「とろろなんてないじゃない?」

「え、とろろですよ!」と再び叫んで、ようやく気がつく。

そうか、とろろ昆布、と最後まで言わないと関東の人には通じないのだ。


私の子供時代の食生活に、山芋の「とろろ」はほぼ登場せず、「とろろ」と言えば「とろろ昆布」の略称。

「海苔よりも、とろろがいい!」と、筋模様も美しいとろろ昆布を巻き巻きにしたり、そぼろ状のとろろ昆布をたっぷり貼り付けたり、ほとんど砂場の泥遊びの楽しさ。

あの頃、とろろ昆布は、大阪は枚方に住むおばちゃんがお墓参りやお盆に実家に戻ってくる時、デパート(・・なんだったけなあ、濃いピンクと白のまだらの包装紙、当時の三越?)の食料品売り場で買ってきてくれるものでした。

おそらくおばちゃんの両親、つまり私の祖父母の好物だったのでしょう。

いただきもののとろろ昆布の箱詰めには何種類もあって、わたしはこれ!とか言ってお気に入りの袋をひとりじめにしたり。

これだけでお澄ましにもなりますし、渋い手土産でした。おばちゃんのおみやげはときには貝や小魚の佃煮の詰め合わせのこともありました。どちらにしても甘いものじゃなくて、おかずのお供を持参するおばちゃんはほんとうに両親のことを考えてるのね、と子供心に心してました。


東京住まいになってからは、スーパーで買ったとろろ昆布は話にならず、一度、デパ地下でとろろ昆布を買いましたが、昔の感動はありませんでした。あの頃、白いのや濃い昆布色や、たなびく雲のようなものもあれば、細かくほぐされたものもあり、楽しかった! 唯一、酸っぱすぎるのは苦手でした・・。

父の好物でもありました。

「これはカロリーが低いからな」とか言って、ごはんの上にどっさりのせて毎朝食べてました。

またちょっとデパ地下のぞいてみようかな。




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