スパニッシュ・オデッセイ

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Santiago Matamoros

2014-03-11 12:29:06 | トリビア
 Matamoros(ムーア人殺し)の続きである。最近、NHKのFMで、「真冬のラテン」という番組があったが、その中で、“Son Matamoros”(彼らはマタモロス)という曲が紹介された。ネットで調べてみると、Matamoros というグループもあるようだ。
 国土回復運動(レコンキスタ、reconquista)で、敵であるイスラム教徒を大勢殺しまくった勇者につけられたニックネームがその由来だろうと思っていたのだが、実は、これはイエス・キリストの12人の使徒のうちの一人、「ヤコブ」に由来するらしい。 日本語では「ヤコブ」だが、英語では Jacob、スペイン語では Jacobo になる。
 どういうわけだか、聖ヤコブの遺体が「星に導かれて」スペインにまでたどり着いたのだとか。
 Jacobo(ハコボ)という名には Iago という変種もある。この前に聖者を表す Santo をつけると、Santoiagoになり、それが短くなって、Santiago という名ができあがる。あのチリの首都、サンチャゴも聖ヤコブに由来する。
 Santiago の tiago の部分から Diego という形もできる。つまり、チリ(Chile)の首都 Santigago とアメリカの西海岸の都市、San Diego はどちらも「聖ヤコブ」に由来していると思う。別の「聖ヤコブ」がいるのかもしれないが。この二つの都市が姉妹都市になっているかどうかは知らない。 
 スペインにある、カトリック三大聖地のうちの一つは Santiago de Compostela であるが、Compostela はラテン語、Campus Stellae(星の野)が語源だそうだ。
 さて、その Santiago(聖ヤコブ)だが、国土回復中のある戦いの中で、突如、現れてイスラム教徒を大勢やっつけたという伝説がある。Santiago Matamoros と呼ばれ、キリスト教徒軍の旗印になっていたらしい。
 ムーア人 まとめて殺す マタモロス  
 ちなみに、moreno という語は「黒人」という意味でよく使われているが、これは色の浅黒いムーア人(moro)に由来するのである。

【エル・グレコ作、『聖ヤコブ』】
【Santiago Matamoros】
    
【画像はすべてWikipediaから】
【参考文献】ヨーロッパ人名語源事典

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