スパニッシュ・オデッセイ

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エスペラント(24) 慣用句

2015-10-05 11:41:08 | エスペラント
  エスペラントはヨーロッパの言語に基づいて作られてはいるが、自然言語と違い、特定の文化に依拠していない。
 ということで、慣用句というものがあるのだろうかという疑問がわいてくる。
 日本語で言えば、水死体を意味する「土左衛門」(いろいろな語源説があるようだが)や無愛想で頑固な人の意味の「朴念仁」のような言葉はエスペラントにはないのではないだろうか。
 英語で言えば、John Hancock が挙げられる。アメリカの独立宣言書に最初に署名した人物ということだが、詳しくはウィキペディア「ジョン・ハンコック」をご覧いただきたい。
 独立宣言書の署名の中で一番大きなものだったので、「署名」の意味で用いられるようになった。
 “Put your John Hancock here”(ここに署名してください)はアメリカ英語ではよくある表現らしいが、外国人にはチンプンカンプンだろう。
 エスペラントが考案されたのは1887年ということなので、まだ130年程度の歴史しかない。その上、特定の文化に依拠していないので、将来においても、上述のような慣用句が生まれるかどうか、あまり期待できそうもない。
 エスペラントの考案者の「ザメンホフ」にちなんで、「考案する、創始する」等の意味の「ザメンホフる」のような動詞があると楽しいのだが。
 

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エスペラント(23) 発音(4) l と s

2015-10-04 10:44:04 | エスペラント
 エスペラントには r のほかに l もある。r の発音については前回触れたので、「エスペラント(22)」をご覧いただきたい。
 l は英語の l のように発音すればいいし、日本人にもできないわけではない。エスペラントの r と l の区別はスペイン語と同様のようなので、スペイン語の r と l の区別の項「命に係わる発音 [r] と [l]」
を参照願いたい。
 エスペラントにはスペイン語の r と l の区別が命に係わるようなケースがあるかどうかは知らないが。

 r と l の区別のほかには[s]音も気になることがある。[s]音は日本人には誰でもできるはずであるが、ラテンアメリカのスペイン語では音節末の[s]音が気音化([h]になること)したり、消失したりする地域があるのである。詳しくは「Comerse las eses (heces)」の項を参照されたい。
 これらの地域のスペイン語話者がエスペラントを学ぶと、つい音節末の[s]音を消失させてしまうのではないかと、心配してしまうのである。
 例をひとつ挙げよう。
 Mi estas Tanaka. (ミ・エスタス・タナカ:私は田中です。)
 音節末の[s]音が消失すると、「ミ・エタ・タナカ」のように発音される。このフレーズは、普通、自己紹介の場面での発言なので、理解はしてもらえるとは思うのだが。 


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