ここはスルキ(Zurquí)トンネル。コスタリカの首都サンホセとカリブ海の港リモンを結ぶ幹線道路(autopista)にある唯一のトンネルである。サンホセから北に向かうと峠があるが、その峠を越えて少し行ったところにあるトンネルである。この写真の上の方にトンネルの出入り口が見えるが、トンネルを向こう側に抜けると峠があり、サンホセに至る。
道路の左側には谷があり、川が流れている。谷の左側の山に潜んで、狙撃したのがゴルゴ13である。ゴルゴ13のことだから、不可能なことはないのだろうが、どうやって人跡未踏(たぶん)の山に入っていったのだろうか。
それにここはよく霧が出る。狙撃の時には霧は出ていなかったようだが、ゴルゴ13には天も味方するようである。
さて、スルキ(Zurquí)というと、筆者はまず、このトンネルを想起する。サンホセから女房殿の実家のあるグアピレス(Guápiles)に行くときに通るルートである。
しかしながら、このトンネルから数キロ西に行ったところにスルキ山(Cerro Zurquí)という標高2259メートルの山がある。この辺りは火山も多いが、これは火山ではない。
【スルキ山(Cerro Zurquí)】
しかしながら、このトンネルから数キロ西に行ったところに、このスルキ山を舞台にした伝説が「スルキの伝説」で「コスタリカ伝説集」(国書刊行会)の冒頭の第1話に収められているのである。
コスタリカというと、熱帯地方に位置するのであるが、標高が2000メートルを超すと、かなり涼しく、時期によっては寒いこともある。「スルキの伝説」は先住民の伝説で、スペイン人が入ってくる前からある伝説のようである。
【Gold figure of Sibú with the head of an eagle. Museo del Oro Precolombino, San Jose, Costa Rica(鷲の頭をしたシブー像。コスタリカ、サンホセ、先コロンビア時代博物館蔵】
スルキ山は最高神シブー(Sibú)の住処になっているそうである。この神様が追手から逃げるお姫様たちをチョウチョにして助けたというのが、この伝説のあらましで、この辺りにチョウチョ蝶が多いのはそういう理由だそうだが、詳しいことは「コスタリカ伝説集」をご覧いただきたい。