おうちBAR開店

本格的なパーティー料理から手抜きお手軽料理まで、私のキッチンから発信します。毎日の出来事を含めて楽しくご紹介。

土の色発見・楽焼作りと茶会体験「土・色・茶の湯」

2017年03月27日 | イベント
昨日とは打って変わって晴天ですね。
昨日の中部地方は一日中土砂降りでした。
そんな足元最悪な中行われたのが
テーマに掲げました

土の色発見・楽焼作りと茶会体験「土・色・茶の湯」

ところは瀬戸の陶磁美術館。
小学生以下のお子様と親御さんが
茶碗を作成し、泥染をし、楽焼をしてお茶会に参加するという
盛りだくさんなワークショップです。
講師は陶芸家でもある味岡伸太郎氏。
私は茶席にお出しする
茶菓子担当として参加いたしました。
3/5に茶碗を成形して素焼きをし
昨日楽焼するというスケジュール。




釜は耐熱ブロックで

先日湯谷の山荘におきまして
私たちがサンプルを焼かせてもらったものです。
これを瀬戸まで移動したとは…お疲れ様です^^;
器の焼成というと
何日も薪を焚べて夜通し見張り
というイメージがありますが
これは下焼きをした後の楽焼ですから
ものの数分で焼き上がります。
真っ赤に燃え盛る炉の中から
パチパチと音を立てながら取り出される器は
本当に神秘的です。
子供も大人も夢中になって覗き込んでいました。
皆さんの抹茶茶碗を見させていただいたら
何ともまぁ、個性あふれる面々だこと。
中には洗面器みたいなのもありました。
きっと大器朝成する子なのでしょう(笑)



菓子を盛る皿

こちらは成形も絵付けも当日済ませたそうです。
雨が釉薬に当たって飛沫が白い部分に飛び
偶然の産物ながらもアーティスティックな表情。
先生「うまく焼けたら一枚あげるわ」
と湯谷の山荘でおっしゃったこと
覚えてらっしゃるかしら?^^;
ちなみに焼成は陶芸家の稲吉オサムさんが担当。


無事器が出来上がって
茶室で茶会が始まります。



泥で染めた麻布と木で築いた茶室

使用した土は愛知県下の各地から集めています。
21種の土のグラデーションが美しいですね。



床の間の花器も掛け軸も土




茶菓子2種

先ほどの器に盛りました。
椿のゼリー寄せと蕗のアンゼリカ風です。
味岡氏から
「土をテーマにした会だから
菓子の素材も野のもので」
という縛りを言い渡されました。
ということで味岡邸にて
石蕗と椿の花を採取。
椿の花はジャムにしてから寒天で寄せています。
少し酸を入れて発色を促しましたが
基本的に使用しているのは寒天と砂糖のみ。

石蕗はアクが強いので
板ずりして茹でて皮をむいてから
かなり長い時間水に晒しています。
あとは重量の半量の砂糖で煮て
乾かしたら砂糖をまぶすだけ。
青い香りが清々しいと好評でした。




懐紙も土染め

小原和紙の作家である
加納夫妻が染めてくださった懐紙。
大変美しくてため息が出ます。
これは赤土で染めたものですが
黄土と黒土で染めたものも素敵でした。



抹茶茶碗

私の陳腐な器は行方不明になったので
どなたかが焼いたものを拝借。







3/5から当日の模様を小冊子で記録

当日の、ってところがミソです。
当日撮影した写真をレイアウトしてプリントし
せっせと裁断したものを
一生懸命ミシンで縫ってました(笑)
親子のいい思い出になりますね^^



お子様や親御さんによって
反応は様々でしたが
幼いうちからハイレベルなワークショップに参加できるって
とても幸せなことだと思います。
今は情報を容易に拡散できるし入手もできる。
積極性さえあればどんどん経験を重ねられます。
この日の楽しさに味をしめ
陶芸家が生まれたら素敵ですね^^


そんな様子を見ていて
自分の幼い頃を振り返ってみました。
うちは商売をやっていて
父は存在するけど母子家庭のような生活。
旅行といえば転勤族で日本中を渡り歩く
親戚の家に押しかけるだとか
たまーに温泉へ行くだとか、そんな程度。
平日は商売が忙しいので
土日は家事に当てるのが母の過ごし方でした。
平日は近所の幼馴染たちと公園で遊んでいましたが
土日は図書館から大量の本を借りて読み耽ったり
手製の人形で人形劇を開催したり。それも一人でw
お菓子や料理を作り始めたのも小学生時代。
とにかく本が好き、空想するのが好き、料理が好きだったんです。
思えばこの頃に私の素地ができていたのかも。
料理するライター…
なるべくしてなったんですかね(笑)


学びのチャンスって誰かに与えられなくても
以外と身近に転がっているものかもしれません。
もちろん様々な可能性に触れて
選択肢が増えることは素晴らしいですが
人と比べて悲観する必要はない気がします。
そんなことを考えた一日でした。


とにかく、ワークショップは素晴らしかったです。
私めが作った茶菓子が
美術の中に溶け込んでいたことを目の当たりにし
大変嬉しく思いました。
好きなことをやり続け
いい続けていれば
いつか必要とされる時が来る。
これも大人になって学んだことの一つ。
これからもウザいぐらいに
やって言って見せつけていきますよ〜。


話があっちこっちへ飛びましたが
今後もお付き合いのほど、
宜しくお願い致しますm(_ _)m