おうちBAR開店

本格的なパーティー料理から手抜きお手軽料理まで、私のキッチンから発信します。毎日の出来事を含めて楽しくご紹介。

讃岐うどん巡礼/前半

2017年03月17日 | 旅(国内)
讃岐の国から三河の国へ帰って参りました。
二日続けて朝からの取材だったため
前投稿どおり讃岐に前乗り。
一分一秒も無駄にしたくない
貧乏症の私めは



朝一で電車に飛び乗り
レンタカーを手配して
6時間限定のうどん&食材巡礼。
讃岐に向かう二日前に
讃岐うどんマニアの友人にアドバイスを求めたところ
谷川米穀店に行くべきだと即答されました。
実はうどん巡礼はこれで4回目ですが
祝休日に合わせてのスケジュールであり
行列必至の同店を敬遠していたんです。
今回はド平日ということもあり
絶対に行く覚悟で臨みました。
が、しかし…何も疑わずお店のHPを閲覧しましたら

「3/13から3/17まで釜の修理のため休業します」

うっ、嘘。
もしかして何年もHP更新してないとか…
と淡い期待を寄せましたが
更新日付は2017年3月3日。
絶好の訪問日和だったのに愕然です(T_T)
そんなことで肩と気を落としている暇はないので
スケジュールの軌道修正をし
行き先を西へ変更。



中村うどん

丸亀市にある名店です。
東京神田に進出するなど
今や飛ぶ鳥を落とす勢いの一福さん修業先。
ビルのテナントの一角にあり
休日ならば駐車スペースの確保に
四苦八苦すること間違い無し。
しかし、笑えるほどスンナリ止められました(笑)




店先で大将が注文メモを取り
釜場に食べ方と玉数を伝えていきます。
その横の打ち場では
打ち方がずーっとうどんを打ち続けている。
茹で置きではない典型的なスタイルです。
受け取りや支払いのタイミングに戸惑いますが
オロオロした態度を晒していると
ちゃんとエスコートしてくれるので大丈夫。



ひやひや小

先を考えて小に。
弟子をインスパイアした細マッチョうどん。
見た目しなやかな細麺なのに、噛むと
「こう見えて全身筋肉質なんだぜ?すごいだろ」
と訴えかけてくるのです。
一福同様、というか
師匠のスタイル、好きです。
キレッキレのいりこ出汁も好印象。


ちくわ天

夜を控えているから、うどんのみ
と自分に言い聞かせていたのに
思いっきり誘惑に負けました。
天ぷらというよりは
唐揚げのようなカリカリ食感。

はいっ、次行ってみよう。




長田in香の香

善通寺市にある釜揚げうどんの名店。
前回訪れた時に衝撃を覚えました。
これ以上の釜揚げに出会ったことがありません…
っていうか、もともと好きな食べ方ではないし
これが最終形完成形だと思っているので
あれ以来、他店で試したことがありません。
こちらも並ばずに入れるなんて
平日巡礼万歳です!

注文すると番号札を渡され席で待ちます。
行列からは免れましたが
注文を聞いて茹で始めるので
席に着いてからが長いのです。
両隣で待っている人が4番と5番、
そして私が8番だからまだまだ。


うどんのつけ汁が入った瓶

を眺めながら待ちます。
前回も取り扱いに手こずったこの瓶。
両隣にうどんが届き始めたので
そろそろスタンバイしなければ…と
猪口へ汁を入れようとしたところ
「あんた、そんな風に持ったら熱いやろ。
こうやって入れんと火傷するしこぼすで」
と給仕の女性に入れてもらいました。
前回は「アチアチ」言いながら
両手で瓶を持って入れておりましたが
どうやらそれは誤った操作だったようです。
猪口はテーブルから外れた場所で
テーブルと同じ、または低い位置に持ち
瓶の底片側をテーブルにつけたまま
首に巻いたチェーンを持って瓶を傾け
猪口に注ぐという手法でした。
チェーンの役割がようやく理解できました…



釜揚げ小

色白もち肌の釜揚げうどん。
口に運ぶとシルキータッチが艶めかしい。
温かい麺が唇をすり抜け
噛んだ瞬間、粉の香りがふわっと鼻腔を満たします。
そして「もちもち」なんて俗っぽい形容詞では
表現しきれない噛み応え。
これは釜揚げという提供方法でした得られない食感ですが
他人や他店が同様にできるかといったら、NO。
気になって仕方ない人は現地で体験してください。



汁はやや甘いですが
このうどんとの相性は良し。

次っ!



やまくに

いりこ・ちりめん問屋です。
讃岐といったらいりこ出汁文化。
自称、食・酒・旅探求人としては
文化が生まれた背景を知らずして
食べてばかりでは名に恥じます。
事前にお電話でお邪魔する旨をお伝えしたら
いろいろと丁寧に教えてくださいました。

讃岐うどんの出汁といえばいりこ出汁であり
その最上級が「伊吹のいりこ」。
瀬戸内の伊吹島周辺で獲られたカタクチイワシを
以前は総称していたそうなんですが
今は伊吹島漁協が商標登録したそうです。
よって、同じ海域で獲れたものでも
伊吹島漁協を通していないと名乗れません。
やまくにさんでは燧灘で水揚げしたものを
「ひうちのいりこ」と表現しています
カタクチイワシに戸籍はないので
伊吹のいりこと同等と考えて
全く差し支えないでしょう。

また、やまくにさんでは
自宅用・贈答用等の品質分けをせず
B級品に相当するものを絶対に売りません。
だしの素などの普及で
いりこ出汁をとる家庭が年々減っているのに加え
市場が安価なものを求める傾向は止まりません。
だからと言って、
安価で粗悪なものを市場に出回らせ
「いりこ出汁って生臭いね」
と評価されては本末転倒。
いりこ出汁文化を継承していくためにも
美味しさと品質には妥協しないとおっしゃいます。
手作業で納得のいくものだけを選りすぐり、
上品な出汁が取れる中羽サイズを中心に出荷。

そうそう。
最近は中羽サイズが揚がらなくなっているとか。
かつては赤潮が発生して漁場が全滅した
というニュースをよく聞きましたが
最近は排水を浄化してから海へ放出するため
赤潮被害が激減しているそうなのです。
するとカタクチイワシたちは増え続け
仲間同士で喰い合いが始まって
生命力の強いものが大羽サイズまで勝ち上がり
中流階級の中羽がいなくなるという格差社会…
どの世界も同じなのですね^^;
とにかく、いろいろ環境が変わっているそうです。


ということでお買い上げ



こういう本も出していらっしゃいます。
興味のある方はネットショップでどうぞ。


そんなこんなで時間が経過してしまい



うどんの上戸

は15:00を待たずに店じまい…
暖簾が仕舞われているのを確認しながら
ダメ元で店頭まで駆けつけると
女将さんがすまなそうな表情をしながら手でバッテン。
仕方ありません、諦めましょう。
ちなみにこちらも茹で置きしない名店です。



燧のいりこは日本一

やまくにさんのお陰で理解できました。




まえば

粉ヲタの友人たちから聞いたお店。



多種多様の粉を小売販売しております。
それぞれの特徴が記されており
大変興味をそそられましたが
小売と言っても1kgからなので断念^^;



ひやかけ小

こちらはセルフのお店。
閉店間際に伺ったので
だいぶ前に茹で置きしたうどんでしょう。
残念ながらそれが如実に表れていました。
本来ならばテーブルに据えてあっただろう薬味が
厨房の冷蔵庫から出されたところを見ると
店じまいの準備をされていたのかな?
このタイミングで評価はできません。
ただ、ひやかけの出汁は
好みから外れていました。



仏生山温泉

岡昇平さんのデザイン。
2007年にグッドデザイン賞を受賞しています。
仏生山というから山頂付近にあると思いきや
街中の路地裏的なところにありました^^;
散々塩分を摂取したのに
水分を抜いてしまったら
血液が飽和食塩水状態にならないだろうか…
と一抹の不安はありましたが


そんな不安は振り払って入浴。
基本的に源泉掛け流しでないと温泉には入りません。
湯に浸かった時にカルキ臭がプーンとすると
高校の水泳部時代を思い出す…
的なノスタルジーではなく興ざめです。
こちらは源泉掛け流しでややぬるめ。
銅製品より熱伝導率が良さそうな私の体は
熱い湯に入ると尋常じゃない量の汗が噴き出すため
さっぱりしに来たんだか何だか分からなくなります。
これくらいの温度だと長湯できていいですね。





休憩所も素敵です。
もう少し時間があったら
本を読みながらゆっくりしたいところ。
しかしレンタカー返却時間が
残り30分に迫っていたため
大急ぎで高松駅に向かいます。



ホテルからの眺め

無事返却し
高松駅側のホテルにチェックイン。
高松港のフェリーターミナルや
源平合戦の舞台となった屋島、
海水を引きれる濠で有名な
高松城址を一望できるお部屋を用意頂きました。



しかもツイン・・・

もちろん一人でございます^^;


さて、うどんを別腹に避難させ
讃岐の街で早めの夜ごはん。