テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

決意の背中!

2015-02-08 21:46:53 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 あッちでもォ~こッちでもォ~…」
「がるる!ぐぅるぐぅるぐぅる!」(←訳:虎です!チョコチョコチョコ!)

 こんにちは、ネーさです。
 バレンタインのショコラ売り場が大盛況だった今日、
 読書タイムを盛り上げくれるのは
 肝のすわったヒネくれ者さんたちです♪
 さあ、こちらを、どうぞ~!

  



         ―― イラストで読む 奇想の画家たち ――

 


 著者は杉全美帆子(すぎまた・みほこ)さん、2014年12月に発行されました。
 『奇想』と題されたアートジャンルの御本といえば、
 辻惟雄(つじ・のぶお)さん著『奇想の系譜』が
 “魁(さきがけ)”ですが、
 こちらは、そのヨーロッパ版とでも申しましょうか。

「どこのォくににもォ、いるのでスゥ!」
「ぐるるがるるーぐるる!」(←訳:アウトサイダーさんが!)

 辻さんが『奇想の系譜』で取り上げた日本の画家さん――
 若冲さんや蕭白さん、蘆雪さんは、近年、大ブレイクしちゃいましたね。

 では、この御本の著者・杉全さんが
 奇想の持ち主と認定したアーティストさんって、
 どんな方たちなんでしょうか?
 マイナー?
 冷遇されてる?
 評価も低い画家さん?
 なのかなぁ~と思ったら……。

 ヒエロニムス・ボスさん?
 アルブレヒト・デューラーさん?
 ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョさん?
 フランシスコ・デ・ゴヤさん?
 ウィリアム・ブレイクさん?
 オディロン・ルドンさん?
 アンリ・ルソーさん?

「ふァ? みんなァ、ゆうめいィでスよゥ!」
「がるぐぅる!」(←訳:巨匠じゃん!)

 そうなのよね、
 上に記した画家さん、どなたも絵画史上のビッグネーム。
 マイナーとか低評価では決してありません。
 生存中から大活躍な御方ばかり、でしょ?

 けれど、著者・杉全さんは
 一歩引いた角度から
 巨匠さんたちを見つめ直してみるのです。

 例えば、
 病弱そうで神経質っぽい人柄だったのかしら?と想わせる
 ボスさん(以前はボッシュとも表記されました)。

 実はとっても資産家?
 絵で稼ぐ必要がないもんだから、
 自分の好きなようにガンガン描けた?
 それをまたパトロンの王様たちは
 喜んで買い上げて、コレクションを作って……

「げいじゅつかはァ、びんぼーじゃないィッ?」
「ぐっるがる!」(←訳:リッチ画家!)

 いえ、でもやはり。

 ボスさんが、
 デューラーさんが、
 ゴヤさんが、
 それぞれ当時の絵画界のメインストリームであったのかと問うなら、
 答えは否なのです。

 好んで地獄を描写したボスさん。
 水彩画のパイオニアだったデューラーさん。
 真っ黒い画にのめりこむゴヤさん。
 幻視者ブレイクさん。
 超絶天然系のルソーさん。

 彼らに、アカデミック、という言葉は似合わない!

「わがみちをォ、ゆくゥ!」
「がるるぐる!」(←訳:野生児かも!)

 次の時代への先駆けでもあった奇想の疾走者さんたちの、
 哀愁どころか血気満々?な後姿。
 アート好きさんならきっと楽しめる一冊です。
 手に取ってみてくださいね~♪♪




 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする