都市徘徊blog

徒然まちあるき日記

日本車

1992-10-09 | ロシア  

1992.10.9(Fri) Vladivostok

 ウラジオで街を歩いていて痛感するのは、ハバロフスクに比べてとにかく車が多いことだ。中でも日本の中古車が多い。セダンなどの乗用車の7割ぐらいは日本車だ。在来のロシア製自動車もまだ多いが、港町のせいかハバロフスクよりも外国車が一気に増えているようだ。ロシアは右側走行なので基本的に左ハンドルだが、ウラジオでは右ハンドルの日本車がたくさん走っている。そういえば通訳をしてくれているイーゴリさんも、貯金して Civicを買いたいと言っていた。ソビエト崩壊、資本主義化はこのような形で欲望を生み出し始めているとも言えよう。

Mazda ファミリア(赤)、Honda インテグラ(銀色)
Moskvich 2125(水色・1973~97まで製造されていたという)
オケアンスキー通りにて  Photo 1992.10.6

 この中古車、ほとんどは日本の東北または北海道から、寒冷地仕様のものが船で運ばれているらしい(92年当時)。日本国内で廃車になったものを3~5万程度で船員が買い、甲板からはみ出すように車を載せて、手回り荷物として持ち込むのだそうだ。今日、歩いていた道の途中の広場には中古車市場があり、沢山の人々が交渉をしていた。

 おもしろいのは、日本で商業用に使われていたバン・ワンボックスカー・トラックなどが、車体に当時の店の名などを付けたまま自家用で走り回っている点だ。彼らは日本語の広告の意味などまるで気にしてないか、判ってないかのようだ。だから○○花店とか、○○クリーニングなんていう車を彼らは使っている。お金のせいかどうかは知らないが、塗装をしなおしたりしていない。ガラスが割れたまま走っている車もときどき見かける。窓枠にビニールシートをガムテープで貼り、その一部に穴を開けて外を見ていたりするのだ。一応ロシアは先進国のはずだが、そのへんは発展途上国並みの光景だ。

TOYOTA タウンエース カタカナのロゴが見える。
オケアンスキー通りにて  Photo 1992.10.6

 日本で廃車といえば使い物にならない車だが、こちらでこれら「廃車」の評判はすこぶる良い。エンストしたりバッテリーが上がったり故障したりがほとんどなく、メンテナンスフリーに近く壊れないとかで、かなり好評なのだという。ロシアのガソリンは質が良くないので日本並みというわけにはいかないが、それなりに燃費も良い。それから馬力がある。ウラジオみたいに坂が多い街ではこれは助かる。エアコンその他の設備が良い。私たちも何度かセダンに乗る機会があったが、確かに古くても日本車の方が良い。走行性能が良いので安心して乗れる。日本ではあまり考えられないことだが、メーター(速度計)が全く動かないなんて事はこちらではざらなのだ。ただ先程のような持ち込み方が主なので、トラックやバスなどの大型車は相変わらず国産だ。こちらは黒い煙をもうもうと吐いて頑張っているが、いかんせん性能が悪く遅く、街中での渋滞と大気汚染の元凶となっている。

1992年10月 ロシア日記・記事一覧

#階段・坂 海外  #自動車
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« Field 調査 ポグラニーチナ... | トップ | Field 調査 ポグラニーチナ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿