都市徘徊blog

徒然まちあるき日記

寺院と眺望点を巡るバスツアー

1992-10-11 | ロシア  

1992.10.11(Sun) Vladivostok

 14:00~15:00、ホテルにて昼食。I氏は街中で食事をとると言ってホテルには現れなかった。このためアレキサンドル氏、大いに心配する。何しろ一人歩きはもってのほかであるとまで言うのだから・・・。

 K氏とY君も遅れる。鷲の巣山に登っていて時間が掛かったという。彼らは昨日から眺望の調査を始めていたが、眺望点への到達は意外に大変なようだった。ウラジオ市街を見下ろす高台の多くは、軍関係の施設用地で立ち入りができない。そこでその周辺で見晴らしの良いところを探して、クレームが付かないか気にしながら撮影しているそうだ。

 そのような中、昨日、二人は虎丘という丘へ登ったが、その際、ここのところの食事の加減で、二人同時に腹具合が悪くなったそうで、見晴らしのよい丘の斜面上の茂みの影で、仕方なく野グソをしたという。周囲の目が気になるので、一人は下を向いて上ってくる人に注意を払い、もう一人は頂上の施設の方に注意を払い、速攻で処理したという。嘘のようなホントの話で、状況が目に浮かぶようで一同大爆笑。

 寒さと風邪でみんなやや疲れたということで、午後はバスで少し遠いところの調査対象を巡ることにする。

 15:00、バスで出発。ホキン通りとスヴェトランスカヤ通りの間の花屋が並ぶ小道をシベリア鉄道沿いに徐行して進む。何故かと聞くと、「レストランに入っているI氏を捜している。君らも捜しなさい。」という。彼らの親切に感心すると共に、そんなに過保護にならなくてもいいのにとも思う。でもマフィアが最近出没するようになったから注意しなさいということで、仕方ないのかもとも思う。確かにだから街中では基本的に二人一組で行動しているのだ。しかしそんなに簡単に街なかでI氏を見つけられるはずもなく、結局そのままバスツアーに行くことになる。

 まず最初にロシア正教の教会に向かうことになった。この風景があるはずの場所へ行って欲しいと写真をアレキサンドル氏に見せると、わかったわかったと言いながら他の写真をめくっている。しばらくしてバスはアドミラル埠頭の東の方の路上で止まった。あれこんなところだったかな、と思っていると、「この建物は写真集のこの写真の建物です。だから撮ってきなさい。」と言う。あれ知らないなあ?、でもまあいいや。ついでだから写真を撮っておこうということで、外へ出て一枚パシャリ。全くエラク親切で、恐縮してしまう。帰国後、確認したところ、たしかにこれは写真集にあった建物で、Oschepkov Houseというものだった。

アドミラル埠頭東方の建物(Oschepkov house)  Google Map
アドミラル埠頭東方の建物(Oschepkov house)、後方左がロシア正教の教会
20世紀初頭(ウラジオ古写真アルバムから)

 改めて見ると、アールヌーヴォーの円形窓が多用された面白い建物だ。撮影時は建物の周囲が完全に藪で廃墟状態になっていて、近づくことが難しく、全景を見ることもできなかったが、Panoramio掲載の写真などで見ると、現在は周辺も整備されていて、中央部分も含めた全景が見ることができるようだ。

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#古い建物 海外 
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