都市徘徊blog

徒然まちあるき日記

占領下の東京

2006-08-06 | 本    
 七月に私の先輩が本を出しました。
図説・占領下の東京 Occupation Forces in Tokyo,1945-52
佐藤洋一著、河出書房新社・ふくろうの本 ¥1,680-

 敗戦後、東京では多くの建物が占領軍によって接収されましたが、この本は接収実態の詳細を、豊富な資料を基に多面的に明らかにしたもの。
執筆に際しては、著者自身がアメリカの国立公文書館に行って、占領軍が撮影した大量の写真資料を複写して持ち帰り、これを分析したそうで、かなりの労作です。あまり他の書籍では見ることができない貴重な写真も多く、お買い得です。一つ一つの写真に的確かつ深いキャプションが付けられており、これだけでもかなり知識や理解が深まります。
 接収された建物のリストや分布図なども充実しており、まちあるき、まち調べの資料としても有効なので、東京の近代建築や、東京の近代都市形成史に興味がある方は是非。
 →関連して、東京人2006年9月号 特集「占領下の東京」pp.38-43にも同氏執筆の記事があります。

 先輩がこういう良い本を出してしまうと、実は私は困ります。というのも、この本の出版をうけて、私の師が「君もどんどん本を書いて出しなさい」と私にハッパをかけるのであります。
 そうは言ってもねー。そういうお話自体がなくちゃ、出版なんてできませんやねぇ。かといって自費出版するお金なんてないもん。やっぱり先輩のように、今まではあまり光が当てられていなかった分野を見つけだし、鋭い視点で分析する力と、本にできるような充実した内容を執筆できる能力を、持たないといかんのだろうなぁと思います。いつになったらそういうことができるようになるんだろうなぁ。逆立ちしても当分無理なのかも。

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2 コメント

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戦後の東京 (Shuji Kamano)
2006-09-14 13:54:05
占領下とはいえ銀座には今より華やかなネオンサインがありました.動く馬車は三越の所でしょうか.ライオンビールはコップからビールが溢れるようなものでした.私は疎開先から直ぐには戻れなかったので,余り詳しいことは分かりませんが,たまに来ると銀座は華やかでした.
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ネオンサイン (asabata)
2006-09-16 03:45:12
私も本の著者同様、占領期を体験的には知らない世代なので、昔の写真やフィルムを通してしかこの頃については知りません。ただ昭和40年代頃と今を比較してみても、昔の方がもしかすると派手な広告塔(ネオンサイン)が多かったかもしれないなと思います。今のものはどちらかというと平面的、図案的で、光が動くものが多いですが、昔のものはもっと即物的で、立体的で、更にはモノが動く場合が多かったような気がします。
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