非常事態宣言中でも、コンサートやオペラが開催する団体・個人もあれば、
感染を用心して、中止やネット配信をする団体、個人もあった。
開催してもマスク着用で大声を出すこともないので、クラスターの発生はほとんど無かったので良かった。
今回のレクチャーコンサートは10月15日。非常事態宣言終了により有観客で東京牛込柳町の加賀町ホールで行われた。宣言が終了されても、来場客はマスクを着用して、消毒もきちんとやっていた。やはり、油断大敵の考えを持つ日本人が多いのに安心した。
昨年2020年11月のブログで、ベートーベン生誕250周年記念のレクチャーコンサートについて投稿した。歌芝居 《良き報せ》をネット配信で、お聴きになった方もいらっしゃるかと思いますが、この時の講師は実際の演奏家でない横浜国大の小宮正安さま(ヨーロッパ文化史研究家。横浜国立大学大学院都市イノベーション研究院教授)の熱のこもったレクチャーでした。
今回は、日本リヒャルト・シュトラウス協会主催で、第190回例会として、行われた。講師兼ピアニストは井出徳彦氏、ソプラノは渡邊仁美でした。
二人とも同協会の会員です。会員の中には、専門家がかなりいるので、講師はどうも自前で確保できるようだ。
レクチャーコンサートの曲目は『4つの最後の歌』(よっつのさいごのうた、ドイツ語: Vier letzte Lieder)は、リヒャルト・シュトラウスが最晩年(84歳の1948年)に作曲した管弦楽伴奏歌曲集でソプラノのための作品。 初演は死後、1950年5月22日にロンドンとのこと。四つの曲の題名は次の通り。
1.「春」 Frühling (1948年7月20日)
2. 「九月」 September (1948年9月20日)
3. 「眠りにつくとき」 Beim Schlafengehen (1948年8月4日)
4. 「夕映えの中で」 Im Abendrot (1948年5月6日)
当日の配布物の中に、ドイツ語歌詞の和訳の資料やドイツ語の楽譜があり、専門的なもので、お恥ずかしながら、譜面の読めない小職も楽譜を見ない訳にはいかないので、じっと譜面とにらめっこをしていました。(笑い)
講師は譜面の解説と実際ピアノを演奏してみせてくれたり、四分の三拍子を八分の六拍子で演奏したり、和訳した歌詞を朗読してくれたり、ご自身の感情をお話しされたりして、興味深かった。
朗読は、ちょうどオペラに日本語の字幕がつきますが、字幕の音声版みたいな感じがした。ドイツ語で歌いながら、和訳の朗読をした場合、どうなるのか興味があるところだ。和訳の歌詞は、ネットにアップされているので、ご覧ください。
レクチャーと実際の歌唱とを交互にやり、あっという間の1時間半でした。
最後に、司会から出演者二人に、リヒャルト・シュトラウスへの思いなどを
インタビューした。
来場者の中には、聞きたいことがあったようで、終了後の交流を事務局に求めていたが断われていた。可愛そうにと思ったが、事務局は感染防止の為に断ったものだと推察した。
一日も早く、コロナの収束が実現して出演者と音楽愛好家との交流が可能になることを切望する。
主催者について、ここで触れたい。この協会は読んで字のごとくでリヒャルト・シュトラウス(1864―1949)をこよなく愛する人たちの集まりです。活発な会運営をされていて、今回は190回目の例会で、継続的に活動している協会だ。
同協会では2022年2月に開催されるオペラ『影のない女』(リヒャルト・シュトラウス作曲)オペラ公演ラインアップ「影のない女」 - 東京二期会 (nikikai.net)についても、来年1月にこれを題材にして、シンポジウムを開催する熱のいれようだ。
ここで思ったのは、著名な作曲家の協会があると思ってNETで調べたらかなりあるが、メジャーにも関わらず、意外にもまだ「協会」のない作曲家もたくさんいる。バッハ、スカルラッティ、クレメンティ、チェルニー、サン=サーンス、チャイコフスキー、ラフマニノフ、ドビュッシー、ラヴェル、プーランク、メシアン、ガーシュウィン、プロコフィエフ。協会の立ち上げには、愛好家だけでなく、音楽の専門家が必要で、いかに多くの人が集まれるか、集められるかがポイントかと思う。
以上 tko