1週間ほど前、杖散歩の途中に赤い仲町橋脇の日本基督教団逗子教会の前を通り掛かった際にオルガンコンサートの案内が目に付きました。ここは“逗子5丁目自治・自主防災の会”の南班区域で今年4月の総会まで牧師の小宮山剛さんが南班班長をしていただいていました。役員会には奥様のTさんが出られていて私は当自治会の副会長を務めている関係で知った間柄です。
実は当自治会が出来て今年10年となるので会報「逗子5丁目だより10周年記念号」を作成して配布したばかりで小宮山班長にも執筆をお願いしたところ、以前11年間輪島教会におられ今回の「能登半島地震に思う」と題して寄稿いただきました。現地の知り合いも多く胸が締め付けられるような思いをされていると記されていました。オルガンコンサートは無料で能登半島地震被災支援チャリティーとのことで、予定に入れて昨日5月25日(土)14時開演少し前に聴きに行った訳です。
既に会場は満員に近い状態でしたがオルガンがよく見える左側通路の脇が
1つ空いていたので若い二人連れの女性の方に空いているか確認して座りました。小宮山牧師の挨拶の後、演奏の川村智子さんの簡単な挨拶がありオルガン演奏が始まりました。受付で配られた資料のプロフィールによると川村さんは2018年に逗子教会創立70周年記念で「バッハで綴る教会歴Ⅰ」を行っておられ、今回は「バッハで綴る教会歴Ⅱ」となっていました。
(上の写真は以前のコンサートの写真)
地元明大校友会の廃部となったクラシック鑑賞クラブでH.Y.先輩から“プロテスタントに属していた大バッハは教会で奏でられる宗教音楽を僅かな報酬に甘んじて絶えず作曲し当時の楽譜は音譜だけで注釈が全く記載なく現在の演奏家の解釈に委ねられている”と教わりました。65歳で亡くなる迄膨大な量の作曲をした中の200曲ほどのオルガン曲のうちその一部を川村さんの解釈での演奏と理解して聴きました。
パイプオルガン演奏でのバッハの曲を聴きながら3年程前に老衰で亡くなった姉と散歩の途中に初めて逗子教会内に入って短い一時パイプオルガンに耳を傾け大勢集まった中にも静寂な時間を楽しんだことを思い出しました。
プログラムは待降節、降誕祭、受難節、復活祭、聖霊降臨祭、三位一体節と移り、バッハのオルガン最後の作品BWV64「われ悩みの極みにあるとき」「われ汝の御座の前に進みいで」となりました。演奏者の川村さんは1938年横浜生まれとありましたので今年86歳と思いますが、今もオルガンの研鑽を積まれバッハのオルガン全集ほかを点訳されているとのことです。高齢となり大きな譜面は高い位置になり見にくくなると思いますがこれからも長く演奏披露されるよう願っています。
私はキリスト教徒ではありませんが教会内は寺院と異なった雰囲気があってカトリックでもプロテスタントでも良い佇まいを感じます。因みにこのプロテスタントの逗子教会でクラシックギターコンサートを行った佐藤雅也さんのブログを見たことがあります。
(ひし形会場イメージでギターコンサートの写真載せました)
著名なヴォ―リーズ建築事務所の設計によるこの石造りの教会は音楽の響きが素晴らしく、また一般的な教会は祭壇に向かって縦長の空間が多いのに対しこの教会はひし形で何処にいても同じような距離を感じさせて安心して演奏が出来る演奏家にとっては最高の神秘的空間と記していました。
パイプオルガンはフランスのオーベルタン社製で2000年3月奉献で間近に見られ、大小のパイプの下段が平らにして開口してあるのも気になってじっくり見ました。この教会は日本一駅から近い教会とも言われています。終演後、義援金箱に幾許か入れて小宮山夫妻に挨拶して帰ってきました。(yoo)