紫紺のやかた

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ごんべいさんの『布団で寝ているお地蔵さん』を読んで

2021-10-04 11:45:52 | 日記
 物知りの京都市出身者の知人に話をしましたところ、京都には無いお地蔵さまだと大変珍しがっておりました。その時に、面白い話を伺いました。京都では地蔵盆(じぞうぼん)と言う行事があることを伺いました。子どもたちが主役の行事で、地蔵菩薩の縁日を中心に行われる行事とのこと。私の出身地の藤沢市ではその行事はなかった。皆さんの出身地でありましたか?知人の情報とネット情報によりますと、日本では古くから地域や子どもの守り神として、お地蔵さんが信仰されて、仏教に属する地蔵菩薩は人々を救済する存在で、それが民間にも地蔵信仰となって広がり、路傍(ろぼう)の神である「道祖神(どうそしん)」の信仰にも結びついて、道端に地蔵さんが増えていったと言われています。このお地蔵さんを供養するのが地蔵盆というもののようです。地蔵盆が行われるのは、基本的に8月23日、24日の地蔵菩薩の縁日のころです。地蔵盆が近づくと、地蔵さんの像を洗い清めて、新しい前掛けを着せ、化粧をするなどして飾り付けるようです。古くから赤には魔除けの意味があり、子どもたちを守って欲しいという願いが込められていると言われているそうです。地蔵尊と子どもの名を書き入れた提灯を飾るようです。提灯は白と赤の二種類があり、名前を入れるのは、地蔵尊と子どもの両者の縁を結ぶという意味があるとか言われているようです。また、その年に生まれた子供の名前を書いた提灯を奉納し、それらを毎年地蔵盆に飾る地域もあるとのこと。お地蔵さんには、お花やお菓子などをお供えし、お供えものを子どもたちに分ける「お接待(地域によっては「おさがり」)」が行われ、子どもたちはお菓子を食べたり、ゲームなどの遊びや福引きなどをしたりして、楽しく過ごす子供さんにとっては楽しい行事のようです。又、夜には縁日や盆踊りなどが開かれる地域もあるとのこと。夏休み最大にして最後のイベントとして、楽しみにしている子どもたちも多いようです。地蔵盆は、近畿地方を中心とする地域で古くから親しまれてきた行事で、北陸地方や新潟、長野市周辺でも行われています。東海や関東では、ほとんど定着しておらず、これは地蔵信仰の歴史の違いだと思われます。京都では室町時代に地蔵盆が大流行したが、東京でお地蔵さんが作られたのは江戸時代になってからと言われています。お地蔵さんを祀った祠の前や空き地、集会場などで開催され、町内単位に行われることがほとんどのようです。地蔵盆が近づくと、町内の人たちはお地蔵さんを祠(ほこら)から出して、お化粧(彩色)したり、新しい前掛けを着せてから、祭壇に祀ります。地蔵盆で行われる伝統行事の一つが「数珠まわし」です。これは、直径2~5メートルの大きな数珠を囲んで輪になって子どもたちが座り、僧侶の読経にあわせて順々にまわすというもので、この大数珠を身体に当てると、邪気を払い除け、身を清めてくれると言い伝えられています。いずれにせよ、仏教への信仰心と子供の楽しみと近所の人たちの交流・親睦が一体化していて、興味深く思った。
 布団をかけたお地蔵さんが横たわっている姿は、涅槃仏(ねはんぶつ)の1種類かと思う。新型コロナの身代わりになってもらいたいと言うごんべいさんのお言葉がありましたが、私も同様な理解宇をしました。
涅槃(ねはん)とは仏教の最終目標を意味する言葉で、仏教の最終目標とは「苦しみから解放され、楽しく安らかな世界」にたどり着くこととされているとのこと。涅槃仏は横たわっている仏像とのことで、我々をコロナの苦しみからお救いいただき、安らかな生活をとりもどしたい気持ちの表れと理解しました。煩悩の解脱を意図した年末の除夜の鐘も同じ仏教の目標の一つであることは、ご承知の通りです。
 話は全く変わりますが私の子供の頃の行事で、道陸神(どうろくじん)さまと言う石材の神さまをゴザの上に乗せて、子供が十人くらいで縄で結わえて、引っ張っていたことを思い出した。『道陸神(どうろくじん)と言う人は、おかしな人よ!酒さえ飲めばご機嫌だ』と繰り返し歌いながら、道を練り歩いた経験がある。子供は何の意味か解せず、ただただ、終わるとお菓子がもらえるのを楽しみにしていた。今、ネットで調べたら道陸神(どうろくじん)さまは道路の悪霊を防いで旅人を守護する神と言う事がわかったが、歌の歌詞とはかけ離れたもので、関係性がわからないものでした。ただ、有名な神さまを祭っていた神社に各地から参拝にくる旅人の安全をはかったもので、酒を飲ませておけば道路の悪霊が防げるものだと勝手に推測している。
    以上  tko