Digital Photo Gallery by ZEISS Ⅱ

四季折々の表情を見せる写真を公開します。

南会津・桧枝岐村の見どころ(1)

2009年08月04日 | 史跡・名所
六地蔵の悲しい話と古い建造物
(1)

道端にたたずむ六体のお地蔵様です。
桧枝岐は山深い里であるため、昔から冷害に悩まされていました。
特に凶作の年は餓死者も出るほどだったとのことです。

それゆえ、働けない赤ん坊が「まびき」されるという悲惨な行為もありました。
この稚児像は、その霊を弔い、母親の嘆きを慰めるために建立されたものです。
決して物見遊山で眺めるものではありませんね。


(2)

正面から見ると、子供を模ったものだということがはっきりと分りますね。
その当時は仕方がなかったこととはいえ、何とも悲しい話だと思います。


(3)

これは「板倉集落」で、桧枝岐は壁土がないため家も倉も板だけで作られています。
板倉は火事から大切な穀物を守るため、畑の中や山麓に建てられました。

一番古いものは「セイロウ造り」で、柱を使わずに厚い板をセイロウのように組み、屋根は下葺板、樺の皮、割板を重ねて葺きます。
次が「落とし板倉」で、柱に横板を張り重ねて桁をかけ、屋根は下葺に楢の割板を葺きます。
「打つけ板倉」は、柱の内外から板を打ち付けたもので、現在の多くの板倉はこれです。


(4)

これはもっとも古い「セイロウ造り」で、厚さ10cmほどの板をセイロウのように組み合わせる工法です。
窓はなく、釘や柱も一切使用されていません。
この建築様式は奈良の正倉院と同じで、建築史上重要な文化財となっています。


(5)

その「セイロウ作り」の入口をアップで捉えてみましたが、昔の人の叡智が感じられますね。
桧枝岐村には、これ以外にも多くの歴史的な遺産が数多くあります。
尾瀬へ行くための宿泊地として利用するだけでは勿体無いですよね。

※今回は撮影データの記載は省略させていただきます。
 Exif情報も保持しておりませんが、悪しからずご了解下さい。