泣かないで

今週で新しく入って来た子供達の慣らし保育は終わり。
来週から母子分離になる。
週に2回通う事になった3歳の双子の男の子達。
お兄ちゃんは重度の脳性麻痺、重度身障。
首もまだ不安定。勿論座位はとれない。
弟くんは下肢の動きは少々バランスが悪いけど、歩く走るなど
一応の事は出来る。
ただ発語がない。ジェスチャーで気持ちを伝えてくる。
二人ともこちらが言っていることは殆んど理解出来る。
弟クンは信号が青になったら渡ることも理解している。
お兄ちゃんも自分の意思を表情や声で伝えようとしてくる。
食事でもそうだった。
意思が強い。

ママが「食事の時は私が来た方がいいでしょうか？」と聞いて来た。
「ママは、3年半も二人のために頑張って来たんですよね。
大変だったと思います。
親って自分が死ぬまで続く仕事なんですよね。
これから先も長い。
今まで頑張って来たんですもの、これからは少し自分の時間を
作って休みながら子育てしていきましょう。
そのお手伝いをさせてください。
来週から、ママと離れて二人も頑張ります。泣く事もあるでしょう。
ママも二人の事が心配で落ち着かない時間を過ごす事になるでしょう。
3人で頑張って下さい。それぞれの世界を広げるためにね。」
そんな事を話した。
「3年半頑張ってきたんですよね…」
私がそう言った途端、ママの目から涙があふれ止まらなくなった。
大変な道程だったと思う。
双子ちゃんを育てるだけだって大変なのに
障害もあったのだから。
愛情いっぱい、全力で子育てしてきたのが良く分かる。
二人とも心が満たされている。
母子の絆の強さを感じさせられることが多々あった。

他の子供達も初めての母子分離で泣く事が多くなる。
午睡もしてくれるかどうか…。
朝のお迎えに行く私は子供達から見れば
鬼婆ぁだ。
母親から引き離す役だもの。
でもね、いつか笑顔で私に抱かれる日が来るって信じてる。
だって、た○くん、こ○ちゃん、れ○くん、た○ちゃん
みんな、そうだったもの。
その日を楽しみに頑張るんだ。

双子ちゃんのママ
ママもその日を楽しみにしていてね。
笑顔でママに行って来ますの手を振る日を、ね。