遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

習近平の「中国の夢」の野望を抑止するにはどうすればよいのか

2015-06-06 23:58:58 | EEZ 全般

 中国の南シナ海での人工島建設を巡っての米中対立が強まっていることは、諸兄がご承知の通りで、遊爺も何度か触れさせていただいてきました。
 習近平の「中華民族の偉大なる復興」を目指す「中国の夢」の野望は、その実現をめざし、諸々の施策を実行に移してきています。日本の平和ボケした野党が、国民や国家の利益追求より、目先の政局を優先して、国会を空転させることに勢力を費やし、国益を損なっている様子とは真反対の、敵ながらあっぱれな戦略とその実行力です。一党独裁政治だからこそ可能とも言えるのでしょうが。。

 この中国の野望を抑止するにはどうしたらよいのか。
 答えは二つ。その一つは、広く国際世論に「中国の夢」の毒牙が広まりつづけることを告げることですが、加えて二つ目の、南シナ海、東シナ海の諸国の抑止力を高める為の、沿岸国家の持つ対中抑止力の向上です。日経が社説で説いています。
 

南シナ海に安保協力の輪を (6/6 日経 社説)

 中国による岩礁の埋め立てが加速し、南シナ海の緊張が高まっている。この海域の安定を守るため、日本は米国と組み、南シナ海の周辺国に安全保障協力の輪を広げるとき
だ。
 安倍晋三首相は都内でフィリピンのアキノ大統領と会談し、中国の埋め立てに深刻な懸念を表明する共同宣言を発表した。
 防衛装備品をフィリピンに輸出できるようにするため、移転協定の交渉に入ることでも合意。2国間や、米国を交えた多国間による海洋での共同訓練も増やす。海洋の秩序を保つうえで、意味ある協力だ。
 南シナ海は各国の船舶がひんぱんに行き来する大切なシーレーン(海上交通路)だ。中国が人工島をつくり、軍事拠点を設けるような事態になれば、通商への不安も生じかねない。
 
中国に自制を促すには、国際的な批判を強めるだけでなく、南シナ海の周辺国の海上警備能力を底上げしていく必要がある周辺国の警備力が十分ではないことが、中国による強硬な行動を許す一因になっている
ためだ。
 日本は先月、マレーシアとも防衛装備品の移転に向けた協定の交渉入りで合意した。こうした装備の協力に加えて、共同訓練などを通じた人材の育成も急ぎたい。
 その際に
肝心なことは、米国やオーストラリアなどとも連携し、南シナ海周辺国との協力を進めるこ
とだ。米国は最近、中国の埋め立てに危機感を強めており、米軍による現場海域の監視活動を広げている。
 安倍首相とアキノ大統領との会談では、フィリピンの交通インフラをめぐる協力でも一致した。マニラ周辺の国営鉄道や、幹線道路の整備に日本が協力する。
 フィリピンが成長を続けるうえで、インフラ整備の遅れが足かせになっている。アキノ大統領は今後、インフラへの投資を拡大する方針だという。日本としても積極的に支援するとともに、民間企業の商機につなげたい。


 社説では、「中国に自制を促すには、国際的な批判を強めるだけでなく、南シナ海の周辺国の海上警備能力を底上げしていく必要がある。」と説いています。

 世論と抑止力の両輪の必要性を説いたものです。
 国際世論に訴えるには、日米豪によるリードが指摘されています。加えて、欧州勢への周知には、G7の場を活用することが有効でしょう。
 力で現状変更しようとしているのは、ウクライナに対するロシアと、南シナ海、東シナ海での国際法に反する暴挙を展開する中国の両国で、同じ穴の狢です。
 そしてそこには、中国のちらつかせる札束に目が眩み、なびいてしまう英、独、仏、伊や、ASEANのベトナム、フィリピン以外の国々がいます。

 G7に向けては、日米は、ウクライナに対するロシア対策と同様に、南シナ海での中国の暴挙についても取り上げる様努力していますね。
 

G7宣言で中国非難へ 南シナ海埋め立て問題  :日本経済新聞

 【ワシントン=吉野直也】オバマ米大統領は7日からドイツ南部のエルマウで開く主要7カ国(G7)首脳会議(サミット)で、南シナ海で岩礁埋め立てを強行する中国問題を提起する方針だ。国際法を無視した行為を放置すれば、世界の海洋秩序が揺らぎかねないと訴える。G7首脳宣言では「航行の自由を守る」などの表現で、中国を非難する見通しだ。
 オバマ氏は7日夜(日本時間8日未明)の外交政策の討議で、中国が南シナ海に人工島を造成したうえで領有権を主張している問題を取り上げる。中国軍幹部は先月31日のアジア安全保障会議で、人工島づくりは「軍事目的」と明言し、非軍事目的だとしてきた従来の説明を翻した。人工島には空母艦載機が離着陸できる滑走路の建設を進める。
 オバマ氏は、
公海上で埋め立てを強行し領有権を誇示するやり方を国際社会が許せば、類似の事件がどの海域でも起こり得ると説明。英国、フランス、ドイツ、イタリアの欧州勢に、問題の深刻さについて認識の共有を働きかける
。「航行の自由」を確保するために、人工島の12カイリ(約22キロメートル)以内の米軍の航空機や艦船の派遣の検討も伝える方向だ。
 米側はケリー国務長官が先月17日に北京で、中国の習近平国家主席と会い、南シナ海での人工島の造成は「米中関係に影響する」と警告したにもかかわらず、
中国側が無視している事態を重視。G7首脳会議では欧州勢の支持を取り付け、首脳宣言に南シナ海の岩礁埋め立てを巡る中国批判を盛り込み、中国への圧力を強める戦略
だ。

 アジアで唯一、参加する安倍晋三首相も外交政策の討議で、南シナ海を含めた東アジアでの中国の海洋進出の状況に言及する見通しだ。


 
G7で「海洋秩序維持」 独サミット宣言案 中国への対抗狙う (6/6 読売朝刊)

 ドイツで7、8両日に開かれる先進7か国首脳会議(G7サミット)の首脳宣言の概要が明らかになった。中国の海洋進出を念頭に、東シナ海や南シナ海の現状を変更しようとする一方的な行動に「懸念」を表明し、国際法に基づく、秩序の維持への関与を明記
。日本が主張する「質の高いインフラ(社会基盤)投資」の推進も、盛り込まれる見通しだ。
 海洋に関する記述では、中国の名指しは避けつつ、一方的な現状変更への反対を表明する。東シナ海では沖縄県・尖閣諸島周辺への領海侵入を繰り返し、南シナ海ではスプラトリー(南沙)諸島の岩礁を埋め立て、軍事基地化を進める中国に対抗する狙いがある。
 
「質の高いインフラ投資」は安倍首相肝いりの政策。環境や人権に配慮する良質なインフラ投資を国際標準とすることで、中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)をけん制する狙い
がある。経済政策では、環太平洋経済連携協定(TPP)などの貿易交渉の促進も明記する。
 紛争が続くウクライナ情勢については、全ての当事者に「停戦合意の完全な履行」を求める。ロシアのクリミア併合を改めて非難し、対露制裁を念頭に「必要な措置を維持していく」ことを確認する。
 テロ対策では、イスラム過激派組織「イスラム国」などの残虐行為を非難し、G7各国の緊密な連携を明記する。北朝鮮の核・ミサイル開発の継続を非難し、同国による人権侵害に懸念を表明する。

<後略>

 アジア代表の安倍首相には、フィリピン、ベトナム他、南シナ海、インド洋の平和を願う国々の期待に応えることが期待されます。
 そこには、中国のASEAN諸国分断戦術の浸透の壁があります。来日され、結束を強める合意をした、フィリピン・アキノ大統領も任期は残り少なく、次期大統領候補のビナイ副大統領は親中路線とされています。
 
比次期大統領、対中融和も 経済優先、共同資源開発など模索 - SankeiBiz(サンケイビズ)

 AIIBに加盟した、英、独、仏が、読売の報道の内容に合意した様ですが、習近平の「中国の夢」をどの程度まで認識したのか。
 ますます目が離せませんね。

 二つ目の、南シナ海、東シナ海の諸国の抑止力を高める為の、沿岸国家の持つ対中抑止力の向上については、安保法制が国会で審議中ですが、野党の国会空転・時間切れ混乱戦術で、空転しています。次の機会に触れさせていただきます。



 # 冒頭の画像は、G7出席の途上、ウクライナに到着した安倍首相




  この花の名前は、ヒイラギソウ (撮影;六甲高山植物園 2014年 5月)


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2 コメント

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ご提案 (onecat01)
2015-06-08 20:57:31
 観察結果を報告すると共に、提案をいたします。

 「平和ボケの野党」とか「お花畑の人間」とか、こう言うものは存在しないことが判明致しました。

 彼らは惚けているのではなく、反日・売国の確信犯です。だから、これからは「獅子身中の虫・駆除すべき害虫」と、そう呼ぶことを提案致します。

「平和ボケの野党」とか「お花畑の人間」というのは、好意的過ぎる呼び方ですから。 
返信する
Re: ご提案 (遊爺)
2015-06-09 01:28:27
onecat01 様 コメントをありがとうございます。

> 「獅子身中の虫・駆除すべき害虫」と、そう呼ぶことを提案致します。

いいですね。「反日勢力」は言い古されてきて、使用する人も減ってきていますが、新鮮です。
 余談ですが、「獅子身中の虫」を最近使われている例では、二階氏を自民党の「獅子身中の虫」と、青山繁晴氏がよく口にされています。「駆除すべき害虫」を追加すると、より適切な表現となりますね。

 中国の「三戦」戦略に「世論戦」があることはご承知のことと存じます。
 参考→http://blog.goo.ne.jp/kanayame_47/e/bd4d737f7ed058f26e14bfa66c4e7c7a

 元々は、台湾併合の為に採られた戦略と承知していて、以下の本が詳しいのですが、「世論戦」で、対象国のメディアやその解説者、学者、ひいては政治化を買収籠絡し、世論を先導するものですね。近年、米国に対して激しく行われていて、ニューヨークタイムスやワシントンポストは中国の主張を広告蘭なのに記事と間違うような掲載をし、広告収入が減少するなかで、経営の一助になりかねない割合を締め始めているとの話を聞きます。
 勿論、日本に対しても実施されていて、「獅子身中の虫・駆除すべき害虫」に該当する政治家、メディア、解説者、学者は、買収・籠絡されていると考えられますね。
 二階氏、翁長沖縄県知事は明らかな例ですね。

 「暴かれた中国の極秘戦略―2012年台湾乗っ取り、そして日本は…?」
 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4944235526/yuujiizakki0722/ref=nosim/

 (2012年併合の目標は未達ですが、それなりに進めようと努力は継続されていますね。)
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