
日本の「識者」たちが入手するウクライナ戦争に関する情報は、米国やイギリスの政府機関や研究所、メディアの発信に依存する部分が多い。
だが、米英発の情報には基本的に間違った部分が多いと指摘しておられるのは、ロシアの女性政治学者、タチアナ・スタノバヤ氏。
ロシア人ながらプーチン政権に対して客観的な立場をとる学者として米欧でも信頼されてきた方だと古森氏。
フタノバヤ氏は、現在の西側陣営でのプーチン大統領考察には大きな錯誤があると指摘。西側の錯誤を5点ほどにまとめて発表しておられると紹介されています。
日本のロシアやウクライナの専門家とされる人たちの論評のなかで明らかに読み間違えていたといえるのは、5月9日のロシアの対ドイツ戦勝念日に関してだったと。
直前まで、日本の専門家たちは大多数が、「プーチン大統領はこの日にウクライナへの特別軍事作戦を正式の戦争だと宣言する」「ロシア軍はこの戦勝記念日にウクライナでの勝利を宣伝するために大攻勢に出る」といった予測を述べていた。
だがこの種の予測はみな外れ、特別な動きはなかったと、タチアナ・スタノバヤ氏。
現在の西側陣営でのプーチン大統領考察には大きな錯誤があると指摘、西側の錯誤を5点ほどにまとめて発表されています。
そのうち日本の識者の論考にも関わってくる項目の要旨は以下の3つだと。
1.「プーチン大統領はロシア国内の反戦の動きを恐れている」という推測は間違い。
いま恐れているのは反対にロシア国内の好戦の動きだ。プーチン大統領は、好戦の扇動に乗らないように注意していると。
2.「プーチン大統領のロシア国内の支持勢力は側近を含めて離反しており、クーデターの可能性も高い」という推測も間違い。
確かにプーチン政権への反発の動きも伝えられるが、みな散発的、部分的な動き。側近を含む主翼の支持層は揺らいでいない。むしろこれら支持層は、プーチン打倒はロシア全体にとっての自殺行為だとみなしている。
以上の2点は、確かに日本国内での論評の多くとは反対だといえる。
日本側の観測を正面から否定するスタノバヤ氏の分析がどこまで正しいのか、もちろん即断はできない。だが、日本の識者たちよりも深く長くロシア内部に身を置いてきた人物の指摘は、軽視できないだろうと古森氏。
3.「プーチン大統領はロシア軍がウクライナで敗北しつつあると認識している」という推測も間違いである。
この推測は、ロシア側の軍事侵略の主目的はウクライナ領土のできるだけ多くを制圧することにあるとする錯誤から生まれている。
だが、プーチン大統領の狙いはこれまでのウクライナ国家の根幹を破壊して、北大西洋条約機構(NATO)への加盟を阻止し、軍事力を骨抜きにして、インフラを攻撃し続けること。広い領土を支配することではない。
その意味では、現在の戦況でも、ロシアが負けているという認識はプーチン氏側にはまったくない。
プーチン大統領がウクライナへの侵略で究極的に何を得ようとしているのか。スタノバヤ氏のこのあたりの認識も日本の専門家たちの多くとはかなり異なるようであると古森氏。
今回のロシアの隣国への軍事攻撃は、国際規範からも人道主義の観点からも許せない暴虐行為。その無法な行動への非難は当然だと古森氏。
だが、現地で何が起きているのか、当事者たちは何を目標とするのか、などという点についての客観的な認識は道義的な糾弾とはまた別に冷徹に進められるべきだろう。そんなことを思わされるのがこのスタノバヤ氏の指摘だと。
ロシア国内からの声として、どちら側寄りとかではなく、なかなか聴けない貴重な声ですね。
5月の戦勝記念日の西側や日本の識者の予測外れをちょっぴり援護すると、プーチン氏自身は当初予測の様な演説をしたかったが、ウクライナ軍の健闘で戦況が予定通りに進まず、やむを得ず内容を変更したと考えるるのが自然かと思いますが。。
# 冒頭の画像は、対独戦勝77周年の軍事パレードで演説したプーチン大統領

この花の名前は、ニオイバンマツリ
↓よろしかったら、お願いします。

遊爺さんの写真素材 - PIXTA





だが、米英発の情報には基本的に間違った部分が多いと指摘しておられるのは、ロシアの女性政治学者、タチアナ・スタノバヤ氏。
ロシア人ながらプーチン政権に対して客観的な立場をとる学者として米欧でも信頼されてきた方だと古森氏。
フタノバヤ氏は、現在の西側陣営でのプーチン大統領考察には大きな錯誤があると指摘。西側の錯誤を5点ほどにまとめて発表しておられると紹介されています。
「ロシア国内で反戦運動」「クーデターの動きあり」は本当か? 鵜呑みにしてはいけない日本の“専門家”によるウクライナ侵略の分析 | JBpress (ジェイビープレス) 2022.6.8(水) 古森 義久:産経新聞ワシントン駐在客員特派員、麗澤大学特別教授
ロシアのウクライナ侵略に関する日本の専門家たちの分析や予測はどこまで正しいのだろうか。
日本の「識者」たちが入手するウクライナ戦争に関する情報は、米国やイギリスの政府機関や研究所、メディアの発信に依存する部分が多いようだ。だが、米英発の情報には基本的に間違った部分が多いということを、ロシア出身の学者が米国の大手外交雑誌への寄稿で指摘した。日本でのウクライナ戦争の読み方にも少なからず誤りがあるという実態が浮かび上がったといえそうだ。
大きく外れた“専門家”たちの予測
日本のロシアやウクライナの専門家とされる人たちの論評のなかで明らかに読み間違えていたといえるのは、5月9日のロシアの対ドイツ戦勝念日に関してだった。
1945年5月、当時のソ連の軍隊がナチス・ドイツの政府と軍隊を完全に打ち破った。その勝利を記念して、ソ連の後身となったロシアも毎年この日に盛大な式典を挙行してきた。
ロシアがウクライナに軍隊を投入して2カ月半ほどの今年のこの戦勝記念日では、その直前まで、日本の専門家たちは大多数が、「プーチン大統領はこの日にウクライナへの特別軍事作戦を正式の戦争だと宣言する」「ロシア軍はこの戦勝記念日にウクライナでの勝利を宣伝するために大攻勢に出る」といった予測を述べていた。
だがこの種の予測はみな外れた。モスクワでの戦勝記念式典は恒例通りの形で行われた。ウクライナでの戦いに絡めたり記念するような特別な動きはなかったのである。
この種の日本を含めた西側のロシアウォッチ、とくにプーチン大統領に関する分析や論考に大きな間違いがあると指摘する論文が、米国の外交雑誌に6月1日に発表され、国際的にも注目を集めている。執筆者はロシアの女性政治学者、タチアナ・スタノバヤ氏である。
同氏は米国の民主党系研究機関「カーネギー国際平和財団」のモスクワ支部代表を務めてきたほか、フランスではロシア政治分析専門の研究機関を主宰している。対外的な論文発表も多く、ロシア人ながらプーチン政権に対して客観的な立場をとる学者として米欧でも信頼されてきた。
同氏は、「西側がなおプーチンについて錯誤していること」と題する論文を、米国の大手外交雑誌「フォーリン・ポリシー」に発表した。同論文はロシアの政治状況を長年、体験し、ウクライナ戦争が始まってからもロシア国内の動向を追ってきたという筆者の立場から、現在の西側陣営でのプーチン大統領考察には大きな錯誤があると指摘していた。
プーチンの支持層は揺らいでいない
スタノバヤ氏はこの西側の錯誤を5点ほどにまとめて発表している。そのうち日本の識者の論考にも関わってくる項目の要旨は以下の通りである。
・「プーチン大統領はロシア国内の反戦の動きを恐れている」という推測は間違いである。同大統領がいま恐れているのは反対にロシア国内の好戦の動きだといえる。ロシア国民の多数派の間で「ウクライナのネオナチを撃滅せよ」という声が強く、プーチン大統領に対してより強硬なタカ派的で積極果敢な攻撃を強めることを求めている。ロシア国内では以前から反米欧の過激なナショナリズムが強い。プーチン大統領はこの過激な好戦勢力の声に従ってウクライナでの軍事攻撃を拡大すると、ロシアにとってもきわめて危険なエスカレーションにつながると考え、好戦の扇動に乗らないように注意している。
・「プーチン大統領のロシア国内の支持勢力は側近を含めて離反しており、クーデターの可能性も高い」という推測も間違いである。ロシア国内の一部には確かにプーチン政権への反発の動きも伝えられるが、みな散発的、部分的な動きであり、同政権をこれまで支えてきた側近を含む主翼の支持層は揺らいでいない。むしろこれら支持層は現在のロシアの最高指導者にはプーチン氏しかいない、という確信を強めており、プーチン打倒はロシア全体にとっての自殺行為だとみなしている。
以上の2点は、確かに日本国内での論評の多くとは反対だといえる。日本のメディアでは、官民の“専門家”による「ロシア国内の反戦の高まり」「プーチン大統領へのクーデターの動き」「プーチン氏の余命は短い」といった論評が連日のように発信されている。
そうした日本側の観測を正面から否定するスタノバヤ氏の分析がどこまで正しいのか、もちろん即断はできない。だが、日本の識者たちよりも深く長くロシア内部に身を置いてきた人物の指摘は、軽視できないだろう。
「領土拡大」ではないプーチンの本当の狙い
スタノバヤ氏は前記の論文で、さらに以下の点も強調していた。
・「プーチン大統領はロシア軍がウクライナで敗北しつつあると認識している」という推測も間違いである。この推測は、ロシア側の軍事侵略の主目的はウクライナ領土のできるだけ多くを制圧することにあるとする錯誤から生まれているようだ。確かにロシア軍のウクライナ領土の制圧地域の広さだけをみれば、侵略は成功とはみえない。だが、プーチン大統領の狙いはこれまでのウクライナ国家の根幹を破壊して、北大西洋条約機構(NATO)への加盟を阻止し、軍事力を骨抜きにして、インフラを攻撃し続けることにある。広い領土を支配することではない。その意味では、現在の戦況でも、ロシアが負けているという認識はプーチン氏側にはまったくない。
以上の見解も、プーチン大統領がウクライナへの侵略で究極的に何を得ようとしているのか、という今回の紛争での大前提の設問につながっている。スタノバヤ氏のこのあたりの認識も日本の専門家たちの多くとはかなり異なるようである。
同氏のこの論文は発表とほぼ同時にイギリスやフランスのメディアに紹介され、話題を呼んだ。アジアでは韓国の大手新聞が同論文を掲載した。国際的な波紋だといえる。
今回のロシアの隣国への軍事攻撃は、国際規範からも人道主義の観点からも許せない暴虐行為だといえよう。その無法な行動への非難は当然である。だが、現地で何が起きているのか、当事者たちは何を目標とするのか、などという点についての客観的な認識は道義的な糾弾とはまた別に冷徹に進められるべきだろう。そんなことを思わされるのがこのスタノバヤ氏の指摘だった。
ロシアのウクライナ侵略に関する日本の専門家たちの分析や予測はどこまで正しいのだろうか。
日本の「識者」たちが入手するウクライナ戦争に関する情報は、米国やイギリスの政府機関や研究所、メディアの発信に依存する部分が多いようだ。だが、米英発の情報には基本的に間違った部分が多いということを、ロシア出身の学者が米国の大手外交雑誌への寄稿で指摘した。日本でのウクライナ戦争の読み方にも少なからず誤りがあるという実態が浮かび上がったといえそうだ。
大きく外れた“専門家”たちの予測
日本のロシアやウクライナの専門家とされる人たちの論評のなかで明らかに読み間違えていたといえるのは、5月9日のロシアの対ドイツ戦勝念日に関してだった。
1945年5月、当時のソ連の軍隊がナチス・ドイツの政府と軍隊を完全に打ち破った。その勝利を記念して、ソ連の後身となったロシアも毎年この日に盛大な式典を挙行してきた。
ロシアがウクライナに軍隊を投入して2カ月半ほどの今年のこの戦勝記念日では、その直前まで、日本の専門家たちは大多数が、「プーチン大統領はこの日にウクライナへの特別軍事作戦を正式の戦争だと宣言する」「ロシア軍はこの戦勝記念日にウクライナでの勝利を宣伝するために大攻勢に出る」といった予測を述べていた。
だがこの種の予測はみな外れた。モスクワでの戦勝記念式典は恒例通りの形で行われた。ウクライナでの戦いに絡めたり記念するような特別な動きはなかったのである。
この種の日本を含めた西側のロシアウォッチ、とくにプーチン大統領に関する分析や論考に大きな間違いがあると指摘する論文が、米国の外交雑誌に6月1日に発表され、国際的にも注目を集めている。執筆者はロシアの女性政治学者、タチアナ・スタノバヤ氏である。
同氏は米国の民主党系研究機関「カーネギー国際平和財団」のモスクワ支部代表を務めてきたほか、フランスではロシア政治分析専門の研究機関を主宰している。対外的な論文発表も多く、ロシア人ながらプーチン政権に対して客観的な立場をとる学者として米欧でも信頼されてきた。
同氏は、「西側がなおプーチンについて錯誤していること」と題する論文を、米国の大手外交雑誌「フォーリン・ポリシー」に発表した。同論文はロシアの政治状況を長年、体験し、ウクライナ戦争が始まってからもロシア国内の動向を追ってきたという筆者の立場から、現在の西側陣営でのプーチン大統領考察には大きな錯誤があると指摘していた。
プーチンの支持層は揺らいでいない
スタノバヤ氏はこの西側の錯誤を5点ほどにまとめて発表している。そのうち日本の識者の論考にも関わってくる項目の要旨は以下の通りである。
・「プーチン大統領はロシア国内の反戦の動きを恐れている」という推測は間違いである。同大統領がいま恐れているのは反対にロシア国内の好戦の動きだといえる。ロシア国民の多数派の間で「ウクライナのネオナチを撃滅せよ」という声が強く、プーチン大統領に対してより強硬なタカ派的で積極果敢な攻撃を強めることを求めている。ロシア国内では以前から反米欧の過激なナショナリズムが強い。プーチン大統領はこの過激な好戦勢力の声に従ってウクライナでの軍事攻撃を拡大すると、ロシアにとってもきわめて危険なエスカレーションにつながると考え、好戦の扇動に乗らないように注意している。
・「プーチン大統領のロシア国内の支持勢力は側近を含めて離反しており、クーデターの可能性も高い」という推測も間違いである。ロシア国内の一部には確かにプーチン政権への反発の動きも伝えられるが、みな散発的、部分的な動きであり、同政権をこれまで支えてきた側近を含む主翼の支持層は揺らいでいない。むしろこれら支持層は現在のロシアの最高指導者にはプーチン氏しかいない、という確信を強めており、プーチン打倒はロシア全体にとっての自殺行為だとみなしている。
以上の2点は、確かに日本国内での論評の多くとは反対だといえる。日本のメディアでは、官民の“専門家”による「ロシア国内の反戦の高まり」「プーチン大統領へのクーデターの動き」「プーチン氏の余命は短い」といった論評が連日のように発信されている。
そうした日本側の観測を正面から否定するスタノバヤ氏の分析がどこまで正しいのか、もちろん即断はできない。だが、日本の識者たちよりも深く長くロシア内部に身を置いてきた人物の指摘は、軽視できないだろう。
「領土拡大」ではないプーチンの本当の狙い
スタノバヤ氏は前記の論文で、さらに以下の点も強調していた。
・「プーチン大統領はロシア軍がウクライナで敗北しつつあると認識している」という推測も間違いである。この推測は、ロシア側の軍事侵略の主目的はウクライナ領土のできるだけ多くを制圧することにあるとする錯誤から生まれているようだ。確かにロシア軍のウクライナ領土の制圧地域の広さだけをみれば、侵略は成功とはみえない。だが、プーチン大統領の狙いはこれまでのウクライナ国家の根幹を破壊して、北大西洋条約機構(NATO)への加盟を阻止し、軍事力を骨抜きにして、インフラを攻撃し続けることにある。広い領土を支配することではない。その意味では、現在の戦況でも、ロシアが負けているという認識はプーチン氏側にはまったくない。
以上の見解も、プーチン大統領がウクライナへの侵略で究極的に何を得ようとしているのか、という今回の紛争での大前提の設問につながっている。スタノバヤ氏のこのあたりの認識も日本の専門家たちの多くとはかなり異なるようである。
同氏のこの論文は発表とほぼ同時にイギリスやフランスのメディアに紹介され、話題を呼んだ。アジアでは韓国の大手新聞が同論文を掲載した。国際的な波紋だといえる。
今回のロシアの隣国への軍事攻撃は、国際規範からも人道主義の観点からも許せない暴虐行為だといえよう。その無法な行動への非難は当然である。だが、現地で何が起きているのか、当事者たちは何を目標とするのか、などという点についての客観的な認識は道義的な糾弾とはまた別に冷徹に進められるべきだろう。そんなことを思わされるのがこのスタノバヤ氏の指摘だった。
日本のロシアやウクライナの専門家とされる人たちの論評のなかで明らかに読み間違えていたといえるのは、5月9日のロシアの対ドイツ戦勝念日に関してだったと。
直前まで、日本の専門家たちは大多数が、「プーチン大統領はこの日にウクライナへの特別軍事作戦を正式の戦争だと宣言する」「ロシア軍はこの戦勝記念日にウクライナでの勝利を宣伝するために大攻勢に出る」といった予測を述べていた。
だがこの種の予測はみな外れ、特別な動きはなかったと、タチアナ・スタノバヤ氏。
現在の西側陣営でのプーチン大統領考察には大きな錯誤があると指摘、西側の錯誤を5点ほどにまとめて発表されています。
そのうち日本の識者の論考にも関わってくる項目の要旨は以下の3つだと。
1.「プーチン大統領はロシア国内の反戦の動きを恐れている」という推測は間違い。
いま恐れているのは反対にロシア国内の好戦の動きだ。プーチン大統領は、好戦の扇動に乗らないように注意していると。
2.「プーチン大統領のロシア国内の支持勢力は側近を含めて離反しており、クーデターの可能性も高い」という推測も間違い。
確かにプーチン政権への反発の動きも伝えられるが、みな散発的、部分的な動き。側近を含む主翼の支持層は揺らいでいない。むしろこれら支持層は、プーチン打倒はロシア全体にとっての自殺行為だとみなしている。
以上の2点は、確かに日本国内での論評の多くとは反対だといえる。
日本側の観測を正面から否定するスタノバヤ氏の分析がどこまで正しいのか、もちろん即断はできない。だが、日本の識者たちよりも深く長くロシア内部に身を置いてきた人物の指摘は、軽視できないだろうと古森氏。
3.「プーチン大統領はロシア軍がウクライナで敗北しつつあると認識している」という推測も間違いである。
この推測は、ロシア側の軍事侵略の主目的はウクライナ領土のできるだけ多くを制圧することにあるとする錯誤から生まれている。
だが、プーチン大統領の狙いはこれまでのウクライナ国家の根幹を破壊して、北大西洋条約機構(NATO)への加盟を阻止し、軍事力を骨抜きにして、インフラを攻撃し続けること。広い領土を支配することではない。
その意味では、現在の戦況でも、ロシアが負けているという認識はプーチン氏側にはまったくない。
プーチン大統領がウクライナへの侵略で究極的に何を得ようとしているのか。スタノバヤ氏のこのあたりの認識も日本の専門家たちの多くとはかなり異なるようであると古森氏。
今回のロシアの隣国への軍事攻撃は、国際規範からも人道主義の観点からも許せない暴虐行為。その無法な行動への非難は当然だと古森氏。
だが、現地で何が起きているのか、当事者たちは何を目標とするのか、などという点についての客観的な認識は道義的な糾弾とはまた別に冷徹に進められるべきだろう。そんなことを思わされるのがこのスタノバヤ氏の指摘だと。
ロシア国内からの声として、どちら側寄りとかではなく、なかなか聴けない貴重な声ですね。
5月の戦勝記念日の西側や日本の識者の予測外れをちょっぴり援護すると、プーチン氏自身は当初予測の様な演説をしたかったが、ウクライナ軍の健闘で戦況が予定通りに進まず、やむを得ず内容を変更したと考えるるのが自然かと思いますが。。
# 冒頭の画像は、対独戦勝77周年の軍事パレードで演説したプーチン大統領

この花の名前は、ニオイバンマツリ
↓よろしかったら、お願いします。

遊爺さんの写真素材 - PIXTA



