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遊爺雑記帳

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「習主席排除」の全国経済大会開催 李首相が習主席から経済運営の主導権を奪い返しつつ、地方における支持を拡大している

2022-06-10 01:23:55 | 中国 全般
  中国政府での経済政策は、首相が運営していましたが、独裁志向が強い習近平国家主席は、経済運営の主導権を首相の李克強氏から奪っていました。
 経済問題に関する重要な意思決定はすべて中央財経委員会会議において行われ、委員会の会議も例外なく習主席によって招集されて習主席の主宰下で進行されることになっていた。
 しかし、その習政権下の経済運営の慣例を完全に破って、中央財経委員会ではなく、国務院の主催による「経済大局を安定化させる全国テレビ・電話会議」が開催されたのです。
 国務院総理(首相)の李克強氏以下、4人の副総理全員や、経済関連の中央官庁責任者らが参加。
 習主席をトップとする中央財経委員会の存在は無視され、習主席自身は参加せず、会議において「習主席の指示」が伝達されることもない。
 習主席は、全国の行政幹部がそろって参加する大会から「排除」され、蚊帳の外に置かれたのです。
 その意味は、李首相が習主席から経済運営の主導権を奪い返しつつ、地方における支持を拡大しているということだと、石平氏。
 
【石平のChina Watch】「経済」で主導権狙う李首相 - 産経ニュース 2022/6/9 石平

 先月25日、中国の中央政府である国務院は「経済大局を安定化させる全国テレビ・電話会議」を開催した。北京の主会場には国務院総理(首相)の李克強氏以下、4人の副総理全員や、経済関連の中央官庁責任者らが参加した。各地の分会場では、全国の省、自治区、市、県政府の責任者らが参加。推定参加人数は10万人にも上る文字通りの全国大会である。

 中国共産党政権誕生以来、「経済」をテーマとする全国大会がこれほど大規模に開催されたのは初めて。それはまた、10年目に入った習近平政権の下で招集された、初の経済関係の全国大会でもあった。

 この全国大会が大々的に開催された
背景には当然、全国経済状況の急速な悪化がある特に今年に入ってから中国経済の落ち込みは激しく、いよいよ総崩れするかのような様相を呈している。国務院による史上最大規模の全国大会開催は、深刻な経済状況に対する中央政府の未曽有の危機感の表れである。

 一方で
大会の開催は政治的にも非常に重要な意味を持つ。習近平政権下で、経済運営の司令塔となっているのは「中央財経委員会」という組織だ。以前の胡錦濤政権下でも中央財経委員会は存在していたが、その時代、委員会の主任(すなわちトップ)を兼任していたのは時の首相の温家宝氏であり、彼が経済運営の全権を握っていた。

 しかし習政権になると、独裁志向が強い習近平国家主席は同委員会の主任を自ら兼任して、経済運営の主導権を首相の李克強氏から奪った。そしてこれまで、経済問題に関する重要な意思決定はすべて中央財経委員会会議において行われ、委員会の会議も例外なく習主席によって招集されて習主席の主宰下で進行されることになっていた。

 前述の
国務院主催全国大会は、習政権下の経済運営の慣例を完全に破った。それは、中央財経委員会ではなく、国務院の主催となっており、習主席をトップとする中央財経委員会の存在は無視された。大会に習主席自身は参加せず、会議において「習主席の指示」が伝達されることもない。国家主席の彼は、全国の行政幹部がそろって参加する大会から「排除」され、蚊帳の外に置かれたのである。

 
習政権の下では、どの分野の会議であろうとも、「習主席不在」の全国大会が開催されたのは異例中の異例で、まさに前代未聞のことだ。その意味は、李首相が習主席から経済運営の主導権を奪い返しつつ、地方における支持を拡大していることである。

 全国10万人規模の幹部らが李首相招集の会議に参加した光景は、まさに
李首相自身の勢力拡大と地位上昇の象徴であって、少なくとも経済運営においては「李克強の天下」となった感がある

 大会で李首相は「重要講話」を行い、経済立て直しの具体策を示す一方で、習主席肝いりの「ゼロコロナ政策」に対する言及は一切なかった。
李首相は「ゼロコロナ政策」の乱暴さと愚かさに象徴される「習近平路線」と一線を画し、経済を立て直すための現実路線を打ち出し、推し進めようとしているのだ。

 全国大会の後、一部の地方政府と共産党委員会が「会議の精神を学び、貫徹する会議」を招集していることからみれば、
「李克強路線」への支持が全国で広がり始めているようにみえる

 経済をどう立て直すかの政策課題をめぐって
中国共産党指導部内で路線の違いと対立が生じ、それが権力闘争と連動して路線闘争の様相を呈してきているのだ。

 今のところ李首相の地位上昇とともに「李克強路線」の支持が拡大しているようだが、それが
今秋の党大会における「習近平続投」にどう影響するのか。引き続き注目すべきであろう。

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【プロフィル】石平
 せき・へい 1962年、中国四川省生まれ。北京大学哲学部卒。88年来日し、神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了。民間研究機関を経て、評論活動に入る。『謀略家たちの中国』など著書多数。平成19年、日本国籍を取得。
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 中国共産党政権誕生以来、「経済」をテーマとする全国大会がこれほど大規模に開催されたのは初めて。それはまた、10年目に入った習近平政権の下で招集された、初の経済関係の全国大会でもあったと石平氏。
 背景には当然、全国経済状況の急速な悪化がある。特に今年に入ってから中国経済の落ち込みは激しく、いよいよ総崩れするかのような様相を呈している。国務院による史上最大規模の全国大会開催は、深刻な経済状況に対する中央政府の未曽有の危機感の表れであると。

 国務院主催全国大会は、習政権下の経済運営の慣例を完全に破った。
 習主席をトップとする中央財経委員会の存在は無視され、習主席自身は参加せず、会議において「習主席の指示」が伝達されることもない。
 習主席は、全国の行政幹部がそろって参加する大会から「排除」され、蚊帳の外に置かれたと石平氏。
 李首相が習主席から経済運営の主導権を奪い返しつつ、地方における支持を拡大していることの意味を顕す。全国10万人規模の幹部らが李首相招集の会議に参加した光景は、まさに李首相自身の勢力拡大と地位上昇の象徴であって、少なくとも経済運営においては「李克強の天下」となった感があると。

 李首相は「ゼロコロナ政策」の乱暴さと愚かさに象徴される「習近平路線」と一線を画し、経済を立て直すための現実路線を打ち出し、推し進めようとしているのだと石平氏。

 「李克強路線」への支持が全国で広がり始めているようにみえる。
 経済をどう立て直すかの政策課題をめぐって中国共産党指導部内で路線の違いと対立が生じ、それが権力闘争と連動して路線闘争の様相を呈してきていると。

 李首相の地位上昇とともに「李克強路線」の支持が拡大しているようだが、それが今秋の党大会における「習近平続投」にどう影響するのか。引き続き注目すべきだと石平氏。

 毛沢東の専制政治が、天安門事件を招き、共産党独裁政治の危機を招いたことから、集団指導と指導層の定年制を敷き、日本の戦後の目覚ましい復興を松下幸之助氏からも学び、独自の経済発展を成し遂げ、日本を抜き去り、今日の米国に迫る経済規模に発展させた鄧小平の中国経済。

 その集団指導体制を崩し、毛沢東の専制政治時代に戻し、自らへの定年の縛りを解き、首相の経済権限も奪い君臨を目指してきた習近平。
 秋の党大会での、その成就に向け邁進していますが、ゼロコロナによる強引な政策で、一時は抜け出した兆しが見えていた経済がここへきて破綻傾向。
 石平さんが指摘いただいている通りで、秋の党大会の行方が、プーチンのウクライナ侵攻への世界の反発と習近平の台湾侵攻への影響と共に、注目されますね。

 プーチン大統領が逃げた!? ロシア国民が〝生直撃〟する恒例イベント延期の異例事態 「ウクライナ侵攻停滞」「体調不良」の憶測も - zakzak:夕刊フジ公式サイト



 # 冒頭の画像は、今年3月の全人代閉幕後、北京市内の大画面に映し出された李克強首相の記者会見




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