
2024年の貿易赤字は1兆2117億ドル、サービス収支、所得収支を加えた経常収支では1兆1336億ドルの赤字を記録した。いずれも過去最大の赤字額となったが、これを大きく超える額の資金が海外から証券投資、直接投資、その他の金融商品投資といった形で米国に流入している。
米ドルは、世界の貿易、金融取引において圧倒的シェアを持つ決済通貨として利用されており、世界全体の外貨準備の6割弱を占める基軸通貨。
ところが、トランプ大統領は相互関税政策や産業保護政策を通じてわざわざ貿易赤字をゼロにしようとしている。
トランプ相互関税政策、産業保護政策のデメリットは誰が見ても明らかだ。問題は、なぜこのような大きなリスクを冒してまでこんな政策を打ち出さなければならないのかといった点にあると、フリーランスの田代尚機氏。
1980年代以降、米国において規制緩和が進み、市場原理主義が広く社会に浸透した結果、資本のグローバルな移動が加速、製造業の海外流出、産業の空洞化が生じた。
同時に、都市型エリート層に富が集中し、中間層の実質賃金は十分に増えず、ラストベルト(米国の東部や中西部にまたがる「錆びた工業地帯」)の労働者が次々に職を失うことになった。
所得分配の失敗が根本的な問題であり、現在の市場原理主義やその帰結であるグローバル金融資本主義経済ではそれを解決できないといった深刻な懸念が社会全体に大きく広がったと、田代氏。
中国をできる限り米国の経済システムから遠ざけることができれば、多くの職を生み出す米国企業を守れるかもしれない。しかし、それは不可逆的に進む技術の進歩、経済システムの進化に逆行する。
新型コロナ禍から完全に脱却した後の2023年以降グローバル株式市場は、「チャットGPT-4」の登場や、AI開発競争の加速によるNVIDIA(エヌビディア)の業績急拡大などをきっかけに、AI関連をテーマとした大相場が展開された。
2025年に入り、中国ではチャットGPTに匹敵するかそれ以上の性能を持つとされるDeepSeekが登場、極めて安い価格で、しかもオープンソースでそれを提供。
中国国内ではAIの社会実装が急速に進むことになった。同時に、頭脳に当たるAIの急速な進歩により、人型ロボットが実用化の段階に入っていると、田代氏。
今後、中国、米国ではAI、ロボットの社会実装が急速に進むのは必至。
AI化、ロボット化による労働者の大幅な削減は避けられない。トランプ大統領の米国第一主義では所得分配の失敗を克服するのは難しいのではないだろうかとも田代氏。
高関税の輸入品が増える米国の消費者や企業が被害者となる、トランプ氏の関税戦術。
ベッセント財務長官が、中国以外の国々への適用を90日延期させましたが、トランプ大統領の支持率は、就任100日目の歴代大統領の中で、最低値となったことは諸兄がご承知の通りです。
トランプ氏支持率、過去70年の歴代大統領の中で最低 就任100日控え - CNN.co.jp
90日延期された増税の間に進められる日本を先頭とする、米国と各国との交渉の行方。関税増税で物価高騰を知る消費者の増加。
米国への信頼を裏切られ関係継続に揺れる国々に、チャンス到来と接近する国内景気不調回復に賭ける中国の習近平。
トランプ氏は、どう乗り切るつもりなのでしょう!
# 冒頭の画像は、関税増税を説明していたトランプ大統領。国債、ドル、株価のトリプル安の今は?

この花の名前は、ムラサキカタバミ
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遊爺さんの写真素材 - PIXTA
米ドルは、世界の貿易、金融取引において圧倒的シェアを持つ決済通貨として利用されており、世界全体の外貨準備の6割弱を占める基軸通貨。
ところが、トランプ大統領は相互関税政策や産業保護政策を通じてわざわざ貿易赤字をゼロにしようとしている。
トランプ相互関税政策、産業保護政策のデメリットは誰が見ても明らかだ。問題は、なぜこのような大きなリスクを冒してまでこんな政策を打ち出さなければならないのかといった点にあると、フリーランスの田代尚機氏。
米国のグローバル金融資本主義経済を破壊するトランプ政権 「米国第一主義」では“所得分配の失敗”の克服が困難な理由 マネーポストWEB 2025/ 5/ 7
もし日本が米国のように巨額の貿易赤字を数十年にわたり計上し続けたらどうなるだろうか。外貨準備が底を突き、貿易取引に著しく支障をきたすだろう。そうなる前に、為替レートの調整を通じて円安が進行し、貿易赤字の解消が進むはずだ。
一方、米国ではそれが可能だ。2024年の貿易赤字は1兆2117億ドル、サービス収支、所得収支を加えた経常収支では1兆1336億ドルの赤字を記録した。いずれも過去最大の赤字額となったが、これを大きく超える額の資金が海外から証券投資、直接投資、その他の金融商品投資といった形で米国に流入している。そして、おおよそ経常赤字額を差し引いた黒字相当額が米国から海外に還元(投資)されている。このようにして米国のグローバル金融資本主義経済は回っている。
米ドルは、世界の貿易、金融取引において圧倒的シェアを持つ決済通貨として利用されており、世界全体の外貨準備の6割弱を占める基軸通貨である。その高い信用力によって世界各国から多額の資金を引き寄せている。更にFRB(連邦準備制度理事会)にドル通貨の発行権限があり、海外からの資金流入が短期的に弱まるような危機が生じた場合には不足分の穴を埋めることができるといったセーフティーネットも備わっている。
ところが、トランプ大統領は相互関税政策や産業保護政策を通じてわざわざ貿易赤字をゼロにしようとしている。金融大国としての地位が確保されていれば問題ないと考えているのかもしれないが、他国への攻撃的な貿易政策は、米ドル資産の売却といった報復を受けるかもしれない。高い比率の追加関税はスタグフレーションを招きかねず、金融市場に変調をきたすようなことにでもなれば、海外からの資金流入が大きく減少したり、極端な場合には流出に転じたりする可能性もある。長期的には基軸通貨としてのドルの魅力、強さを棄損させかねず、そうなれば米国覇権の一端を支えるグローバル金融資本主義経済が大きなダメージを受けかねない。
トランプ相互関税政策、産業保護政策のデメリットは誰が見ても明らかだ。問題は、なぜこのような大きなリスクを冒してまでこんな政策を打ち出さなければならないのかといった点にある。
米国社会の根本的な問題は「所得分配の失敗」
1980年代以降、米国において規制緩和が進み、市場原理主義が広く社会に浸透した結果、資本のグローバルな移動が加速、製造業の海外流出、産業の空洞化が生じた。同時に、シリコンバレーのイノベーション企業やウォール街の金融機関などで働く都市型エリート層に富が集中し、中間層の実質賃金は十分に増えず、ラストベルト(米国の東部や中西部にまたがる「錆びた工業地帯」)の労働者が次々に職を失うことになった。つまり、所得分配の失敗が根本的な問題であり、現在の市場原理主義やその帰結であるグローバル金融資本主義経済ではそれを解決できないといった深刻な懸念が社会全体に大きく広がったからではなかろうか。
もし、トランプ政権が米国に製造業を取り戻すことができれば、労働者たちに比較的待遇の良い職をたくさん用意できるかもしれない。中国をできる限り米国の経済システムから遠ざけることができれば、多くの職を生み出す米国企業を守れるかもしれない。しかし、それは不可逆的に進む技術の進歩、経済システムの進化に逆行する。
新型コロナ禍から完全に脱却した後の2023年以降グローバル株式市場は、性能が飛躍的に高まり、実用レベルに達した大規模言語モデル「チャットGPT-4」の登場や、AI開発競争の加速によるNVIDIA(エヌビディア)の業績急拡大などをきっかけに、AI関連をテーマとした大相場が展開された。一部の市場関係者、投資家は今後10年以内に、シンギュラリティ通過が起こり、人類の能力をはるかに超えるレベルのAIが社会の隅々まで浸透し、社会を一変させると予想するようになった。
2025年に入り、中国ではチャットGPTに匹敵するかそれ以上の性能を持つとされるDeepSeekが登場、極めて安い価格で、しかもオープンソースでそれを提供したことをきっかけに、中国国内ではAIの社会実装が急速に進むことになった。同時に、頭脳に当たるAIの急速な進歩により、人型ロボットが実用化の段階に入っている。
今後、中国、米国ではAI、ロボットの社会実装が急速に進むのは必至である。自動車のような加工組み立て産業も、鉄鋼、アルミなどの素材産業も、AI化、ロボット化による労働者の大幅な削減は避けられない。トランプ大統領の米国第一主義では所得分配の失敗を克服するのは難しいのではないだろうか。
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■田代尚機(たしろ・なおき):1958年生まれ。大和総研で北京駐在アナリストとして活躍後、内藤証券中国部長に。現在は中国株ビジネスのコンサルティングなどを行うフリーランスとして活動。
もし日本が米国のように巨額の貿易赤字を数十年にわたり計上し続けたらどうなるだろうか。外貨準備が底を突き、貿易取引に著しく支障をきたすだろう。そうなる前に、為替レートの調整を通じて円安が進行し、貿易赤字の解消が進むはずだ。
一方、米国ではそれが可能だ。2024年の貿易赤字は1兆2117億ドル、サービス収支、所得収支を加えた経常収支では1兆1336億ドルの赤字を記録した。いずれも過去最大の赤字額となったが、これを大きく超える額の資金が海外から証券投資、直接投資、その他の金融商品投資といった形で米国に流入している。そして、おおよそ経常赤字額を差し引いた黒字相当額が米国から海外に還元(投資)されている。このようにして米国のグローバル金融資本主義経済は回っている。
米ドルは、世界の貿易、金融取引において圧倒的シェアを持つ決済通貨として利用されており、世界全体の外貨準備の6割弱を占める基軸通貨である。その高い信用力によって世界各国から多額の資金を引き寄せている。更にFRB(連邦準備制度理事会)にドル通貨の発行権限があり、海外からの資金流入が短期的に弱まるような危機が生じた場合には不足分の穴を埋めることができるといったセーフティーネットも備わっている。
ところが、トランプ大統領は相互関税政策や産業保護政策を通じてわざわざ貿易赤字をゼロにしようとしている。金融大国としての地位が確保されていれば問題ないと考えているのかもしれないが、他国への攻撃的な貿易政策は、米ドル資産の売却といった報復を受けるかもしれない。高い比率の追加関税はスタグフレーションを招きかねず、金融市場に変調をきたすようなことにでもなれば、海外からの資金流入が大きく減少したり、極端な場合には流出に転じたりする可能性もある。長期的には基軸通貨としてのドルの魅力、強さを棄損させかねず、そうなれば米国覇権の一端を支えるグローバル金融資本主義経済が大きなダメージを受けかねない。
トランプ相互関税政策、産業保護政策のデメリットは誰が見ても明らかだ。問題は、なぜこのような大きなリスクを冒してまでこんな政策を打ち出さなければならないのかといった点にある。
米国社会の根本的な問題は「所得分配の失敗」
1980年代以降、米国において規制緩和が進み、市場原理主義が広く社会に浸透した結果、資本のグローバルな移動が加速、製造業の海外流出、産業の空洞化が生じた。同時に、シリコンバレーのイノベーション企業やウォール街の金融機関などで働く都市型エリート層に富が集中し、中間層の実質賃金は十分に増えず、ラストベルト(米国の東部や中西部にまたがる「錆びた工業地帯」)の労働者が次々に職を失うことになった。つまり、所得分配の失敗が根本的な問題であり、現在の市場原理主義やその帰結であるグローバル金融資本主義経済ではそれを解決できないといった深刻な懸念が社会全体に大きく広がったからではなかろうか。
もし、トランプ政権が米国に製造業を取り戻すことができれば、労働者たちに比較的待遇の良い職をたくさん用意できるかもしれない。中国をできる限り米国の経済システムから遠ざけることができれば、多くの職を生み出す米国企業を守れるかもしれない。しかし、それは不可逆的に進む技術の進歩、経済システムの進化に逆行する。
新型コロナ禍から完全に脱却した後の2023年以降グローバル株式市場は、性能が飛躍的に高まり、実用レベルに達した大規模言語モデル「チャットGPT-4」の登場や、AI開発競争の加速によるNVIDIA(エヌビディア)の業績急拡大などをきっかけに、AI関連をテーマとした大相場が展開された。一部の市場関係者、投資家は今後10年以内に、シンギュラリティ通過が起こり、人類の能力をはるかに超えるレベルのAIが社会の隅々まで浸透し、社会を一変させると予想するようになった。
2025年に入り、中国ではチャットGPTに匹敵するかそれ以上の性能を持つとされるDeepSeekが登場、極めて安い価格で、しかもオープンソースでそれを提供したことをきっかけに、中国国内ではAIの社会実装が急速に進むことになった。同時に、頭脳に当たるAIの急速な進歩により、人型ロボットが実用化の段階に入っている。
今後、中国、米国ではAI、ロボットの社会実装が急速に進むのは必至である。自動車のような加工組み立て産業も、鉄鋼、アルミなどの素材産業も、AI化、ロボット化による労働者の大幅な削減は避けられない。トランプ大統領の米国第一主義では所得分配の失敗を克服するのは難しいのではないだろうか。
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■田代尚機(たしろ・なおき):1958年生まれ。大和総研で北京駐在アナリストとして活躍後、内藤証券中国部長に。現在は中国株ビジネスのコンサルティングなどを行うフリーランスとして活動。
1980年代以降、米国において規制緩和が進み、市場原理主義が広く社会に浸透した結果、資本のグローバルな移動が加速、製造業の海外流出、産業の空洞化が生じた。
同時に、都市型エリート層に富が集中し、中間層の実質賃金は十分に増えず、ラストベルト(米国の東部や中西部にまたがる「錆びた工業地帯」)の労働者が次々に職を失うことになった。
所得分配の失敗が根本的な問題であり、現在の市場原理主義やその帰結であるグローバル金融資本主義経済ではそれを解決できないといった深刻な懸念が社会全体に大きく広がったと、田代氏。
中国をできる限り米国の経済システムから遠ざけることができれば、多くの職を生み出す米国企業を守れるかもしれない。しかし、それは不可逆的に進む技術の進歩、経済システムの進化に逆行する。
新型コロナ禍から完全に脱却した後の2023年以降グローバル株式市場は、「チャットGPT-4」の登場や、AI開発競争の加速によるNVIDIA(エヌビディア)の業績急拡大などをきっかけに、AI関連をテーマとした大相場が展開された。
2025年に入り、中国ではチャットGPTに匹敵するかそれ以上の性能を持つとされるDeepSeekが登場、極めて安い価格で、しかもオープンソースでそれを提供。
中国国内ではAIの社会実装が急速に進むことになった。同時に、頭脳に当たるAIの急速な進歩により、人型ロボットが実用化の段階に入っていると、田代氏。
今後、中国、米国ではAI、ロボットの社会実装が急速に進むのは必至。
AI化、ロボット化による労働者の大幅な削減は避けられない。トランプ大統領の米国第一主義では所得分配の失敗を克服するのは難しいのではないだろうかとも田代氏。
高関税の輸入品が増える米国の消費者や企業が被害者となる、トランプ氏の関税戦術。
ベッセント財務長官が、中国以外の国々への適用を90日延期させましたが、トランプ大統領の支持率は、就任100日目の歴代大統領の中で、最低値となったことは諸兄がご承知の通りです。
トランプ氏支持率、過去70年の歴代大統領の中で最低 就任100日控え - CNN.co.jp
90日延期された増税の間に進められる日本を先頭とする、米国と各国との交渉の行方。関税増税で物価高騰を知る消費者の増加。
米国への信頼を裏切られ関係継続に揺れる国々に、チャンス到来と接近する国内景気不調回復に賭ける中国の習近平。
トランプ氏は、どう乗り切るつもりなのでしょう!
# 冒頭の画像は、関税増税を説明していたトランプ大統領。国債、ドル、株価のトリプル安の今は?

この花の名前は、ムラサキカタバミ
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