日中韓首脳会議拒否、高村元外相の面談拒絶、日本の国会議員の靖国参拝抗議、尖閣では監視船が日本漁船(保守系政治団体「頑張れ日本!全国行動委員会」のメンバー同乗)を追跡し、8隻の監視船が領海侵入をするなど、習近平の「反日強軍路線」は留まるところを知りません。
そんな流れの中国にあって、「今日の中国の発展は、日本や日本企業の支援と協力に助けられたところが大きい」と、胡錦濤前国家主席の側近とされる汪洋副首相が発言し物議をかもしているのだそうです。汪洋氏は習近平による大逆転が勃発する前は、党中央政治局常務委員の7人のメンバー入りが確実視されていた広東省のトップだったバリバリの改革派ですね。常務委員の椅子は外されましたが、副首相に登用されていました。
習近平の方針に、真正面から堂々と楯突く発言には、冷遇されおとなしくしているのかと思いきや、意気盛んな様子で驚きです。
胡錦濤氏 中央軍事委主席も引退し完全失脚 - 遊爺雑記帳
UPDATE1: 中国指導部人事、改革派の汪洋政治局員が副首相に=関係筋 | Reuters
同じ団派で常務委員の椅子から外されながらも、国家副主席に就いた李源潮氏も「不正常な状態は双方に不利益があり、共倒れだ」と汪氏と同じ方向の発言をしています。
中間派というかどちらかと言うと団派に近かったと認識していた劉雲山は習近平に一喝され改宗していて、習近平の先棒担ぎをしています。
エリートの二世繋がりで軍が頼りの習近平や、既得権益にどっぷり浸かっている旧守派の現政権主流派は、当然共青団の改革開放志向とは反目対立しています。
常務委員の椅子取り争い以来の政局闘争は、未だ続いているのですね。
となれば、習近平は軍に取り入るために、ますます軍の要求を聞き入れねばならなくなります。
ここまできたら、習近平も「強軍政治」(北朝鮮の先軍政治に似て来た?)を更に続けるでしょうから、当面は首脳会談は出来ないでしょう。
野田首相が、胡錦濤との面談直後という最悪のタイミングで尖閣国営化を急いで発表したことで、習近平に攻撃され逆転敗北した胡錦濤の共青団は日本に恨みをいだいているはずですが、小平、胡耀邦時代の恩は覚えているのですね。
ここで日中関係修復を言いだしたのは、中国経済に今後も対日貿易が重要であることを再認識すると同時に、日本のTPP交渉参加でアジア・太平洋地域での貿易のスタンダードを確立されてしまうことへの焦りがあるのでしょう。
中国の侵攻に対し、軍事的な抑止力の備えが必要であることは言うまでもないことてす。が、護りだけではなく、攻めが最大の防御になることもあり、攻めることが必要です。武力で攻めることは放棄している日本では、どうやって攻めるのか!
世界の世論や中国国内世論を動かして、中国の覇権主義の実態を改めさせるのが有効です。
遠い回り道となる話ですが、この方法がベストです。
今回の中国国内での路線対立では、相対論とすれば共青団派の日中関係修復派を応援することが日本の国益に繋がりそうです。引き続き、目が離せませんね。
# 冒頭の画像は、汪洋副首相
この花の蕾の名前は、イソギク
↓よろしかったら、お願いします。
そんな流れの中国にあって、「今日の中国の発展は、日本や日本企業の支援と協力に助けられたところが大きい」と、胡錦濤前国家主席の側近とされる汪洋副首相が発言し物議をかもしているのだそうです。汪洋氏は習近平による大逆転が勃発する前は、党中央政治局常務委員の7人のメンバー入りが確実視されていた広東省のトップだったバリバリの改革派ですね。常務委員の椅子は外されましたが、副首相に登用されていました。
習近平の方針に、真正面から堂々と楯突く発言には、冷遇されおとなしくしているのかと思いきや、意気盛んな様子で驚きです。
胡錦濤氏 中央軍事委主席も引退し完全失脚 - 遊爺雑記帳
UPDATE1: 中国指導部人事、改革派の汪洋政治局員が副首相に=関係筋 | Reuters
「中国の発展は日本の支援が大きい」 副首相の“親日的発言”に批判 (4/23 産経)
■背景に外交問題の主導権争い?
【北京=矢板明夫】日本政府による尖閣諸島(沖縄県石垣市)国有化をきっかけにした日中対立が半年以上続く中、中国共産党指導部内では日本に対し、強硬姿勢の継続と関係改善を求める2つの意見があることが浮き彫りになりつつある。最近、胡錦濤前国家主席の側近である汪洋副首相の“親日的発言”が中国のインターネットで批判されているが、習近平国家主席周辺が意図的に批判を容認している可能性が指摘されている。外交問題における党内の主導権争いが背景にあるとみられる。
汪氏は4月16日、北京を訪れた河野洋平元衆院議長と会談した際に「今日の中国の発展は、日本や日本企業の支援と協力に助けられたところが大きい」と日本への感謝を述べたうえで「経済大国である日中両国は、どんなことがあっても経済関係を深めるべきだ」と強調した。
「領土・主権問題はなによりも優先されるべきだ」と繰り返し強調してきた習近平指導部の方針と一線を画したこの発言は日本側を驚かせた。
中国メディアは汪氏の発言を黙殺したが、日本の新聞に掲載された記事が中国語に翻訳され、国内のネットに流出すると、各保守系サイトに汪氏を「売国奴」と罵倒する書き込みが殺到した。日中戦争中に親日政権を作った中国の政治家、汪兆銘と同じ姓であることから、「汪兆銘の息子は切腹しろ」といった書き込みもあった。
中国では現役指導者を批判する書き込みは直ちに削除されるのが一般的だが、こうした汪氏批判は書き込まれてから1週間近く経っても検索できるため、ネット規制を主導する保守派の劉雲山・政治局常務委員が汪氏のイメージ低下を図ろうとあえて放置した可能性が指摘されている。劉氏は習近平国家主席に近いとされる。
共産党筋によれば、最近になってから胡前主席が率いる派閥は日本との関係改善を強く主張しているという。同派閥の李源潮国家副主席は3月末に日中経済協会の訪中団と会談した際にも「不正常な状態は双方に不利益があり、共倒れだ」と汪氏と同じ趣旨の発言をした。
しかし、こうした意見に対し軍と保守派は反発している。汪氏が河野氏と会談した同じ日、中国国防省制(けんせい)する狙いがあるとみられる。
■背景に外交問題の主導権争い?
【北京=矢板明夫】日本政府による尖閣諸島(沖縄県石垣市)国有化をきっかけにした日中対立が半年以上続く中、中国共産党指導部内では日本に対し、強硬姿勢の継続と関係改善を求める2つの意見があることが浮き彫りになりつつある。最近、胡錦濤前国家主席の側近である汪洋副首相の“親日的発言”が中国のインターネットで批判されているが、習近平国家主席周辺が意図的に批判を容認している可能性が指摘されている。外交問題における党内の主導権争いが背景にあるとみられる。
汪氏は4月16日、北京を訪れた河野洋平元衆院議長と会談した際に「今日の中国の発展は、日本や日本企業の支援と協力に助けられたところが大きい」と日本への感謝を述べたうえで「経済大国である日中両国は、どんなことがあっても経済関係を深めるべきだ」と強調した。
「領土・主権問題はなによりも優先されるべきだ」と繰り返し強調してきた習近平指導部の方針と一線を画したこの発言は日本側を驚かせた。
中国メディアは汪氏の発言を黙殺したが、日本の新聞に掲載された記事が中国語に翻訳され、国内のネットに流出すると、各保守系サイトに汪氏を「売国奴」と罵倒する書き込みが殺到した。日中戦争中に親日政権を作った中国の政治家、汪兆銘と同じ姓であることから、「汪兆銘の息子は切腹しろ」といった書き込みもあった。
中国では現役指導者を批判する書き込みは直ちに削除されるのが一般的だが、こうした汪氏批判は書き込まれてから1週間近く経っても検索できるため、ネット規制を主導する保守派の劉雲山・政治局常務委員が汪氏のイメージ低下を図ろうとあえて放置した可能性が指摘されている。劉氏は習近平国家主席に近いとされる。
共産党筋によれば、最近になってから胡前主席が率いる派閥は日本との関係改善を強く主張しているという。同派閥の李源潮国家副主席は3月末に日中経済協会の訪中団と会談した際にも「不正常な状態は双方に不利益があり、共倒れだ」と汪氏と同じ趣旨の発言をした。
しかし、こうした意見に対し軍と保守派は反発している。汪氏が河野氏と会談した同じ日、中国国防省制(けんせい)する狙いがあるとみられる。
同じ団派で常務委員の椅子から外されながらも、国家副主席に就いた李源潮氏も「不正常な状態は双方に不利益があり、共倒れだ」と汪氏と同じ方向の発言をしています。
中間派というかどちらかと言うと団派に近かったと認識していた劉雲山は習近平に一喝され改宗していて、習近平の先棒担ぎをしています。
エリートの二世繋がりで軍が頼りの習近平や、既得権益にどっぷり浸かっている旧守派の現政権主流派は、当然共青団の改革開放志向とは反目対立しています。
常務委員の椅子取り争い以来の政局闘争は、未だ続いているのですね。
となれば、習近平は軍に取り入るために、ますます軍の要求を聞き入れねばならなくなります。
ここまできたら、習近平も「強軍政治」(北朝鮮の先軍政治に似て来た?)を更に続けるでしょうから、当面は首脳会談は出来ないでしょう。
野田首相が、胡錦濤との面談直後という最悪のタイミングで尖閣国営化を急いで発表したことで、習近平に攻撃され逆転敗北した胡錦濤の共青団は日本に恨みをいだいているはずですが、小平、胡耀邦時代の恩は覚えているのですね。
ここで日中関係修復を言いだしたのは、中国経済に今後も対日貿易が重要であることを再認識すると同時に、日本のTPP交渉参加でアジア・太平洋地域での貿易のスタンダードを確立されてしまうことへの焦りがあるのでしょう。
中国の侵攻に対し、軍事的な抑止力の備えが必要であることは言うまでもないことてす。が、護りだけではなく、攻めが最大の防御になることもあり、攻めることが必要です。武力で攻めることは放棄している日本では、どうやって攻めるのか!
世界の世論や中国国内世論を動かして、中国の覇権主義の実態を改めさせるのが有効です。
遠い回り道となる話ですが、この方法がベストです。
今回の中国国内での路線対立では、相対論とすれば共青団派の日中関係修復派を応援することが日本の国益に繋がりそうです。引き続き、目が離せませんね。
# 冒頭の画像は、汪洋副首相
この花の蕾の名前は、イソギク
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