yuuの夢物語

夢の数々をここに語り綴りたい

2006/03/16 雨の一日・・・。

2006-03-16 17:59:06 | Yuuの日記




雨が終日しとしとと降り注ぐ寒くはないが心が晴れぬ一日だ…。

お供泣く雨が降り続く…。こんな日は頭が重い…。喉はいがらっぽいし鼻は詰まるし/はしょぼしょぼするし…。
日本は韓国に敗れた…。気魄で負けていた…。岩村の負傷欠場が痛かった…。それが今江の凡ミスを引き出した…。勝たなくてはならぬということでイチロー以外は皆硬くなっていた…。新井のスイーグに表れていた…。王監督の采配にはパーリーグの選手起用が目立ち、果たして適材適所であったかと疑うものがあった…。まあこんなものだろう…。

九太郎が行く…8

52
雨が降っている日は主に近寄らないようにしている。
雨が降っている日にじゃれてひどい目にあった経験があった。まあ、俺が悪いのだが…。鉢巻をしてパソコンに向かっている主のパソコンに乗ったのだった。 頭を叩かれ首を掴んで投げられたのだった。雨が降らないときはそんなことをする主ではなかったのに…。
「雨が降る日はどうも頭が重くていらいらしてかなわん」
 という言葉を聴いていたのに邪魔をしたのだから自業自得というものなのか…。
 きょうの主もねじり鉢巻でパソコンに向かってなにやらキーボードをたたいている。こんな日はおとなしく転寝を決め込むに限るのだ。
 主は毛三十年も前に交通事故に会い、何年か後に鬱が出て、それ以来欝と道連れの生活をしているらしいのだ。雨の日の前日は頭が痛くなり雨の予報を的中させる事ができるらしい。
 俺は主の背中をじっと見つめて可愛そうにと思うのだ。そして遊んでくれない原因の雨を恨めしく眺めるのだ。
 俺は何もすることがなかったら、主のベッドの上にある書物の中から三太郎さんのことを書いたものを引っ張り出して読むことにしていた。
 
俺は名前を三太郎という。
 父の名も母の名も、産まれた在所も解らない。
 どうか誤解しないで頂きたい。俺は雄猫である。猫にこのような名前を付けた主人を紹介しなくても、大方の検討がつこうと言うものだ。更に付け加えるならば、今、飼っている柴の雄犬の名前を五右衛門と言う。俺の前に飼われていた雌の三毛猫を茶子兵衛と言ったそうだ。
 言っておくが、俺は何も好んでこの家に来たのではない。母親の乳房にぶら下っているところを、無情な前の飼い主によって引き矧がされ、スーパーへ持って行かれたのだった。何でもそのスーパーは、子猫とか小犬を一匹千円とか二千円とかで預かり、飼い主を見付けてくれるという、いらない犬猫センターの様な事をしていた。そのスーパーには英国動物保護団体の愛犬家協会から感謝状が来てもいいのではないだろうか。まあ、とにかく命を大切にしょうと言う事は良い事で上等な話だった。店の入り口には金網の檻が置かれ、その中で飼い主が現われるのを待つ。まるで昭和三十三年三月三十一日売春禁止法が施行される前の、遊廓の格子戸の中で客を惹いた女郎と同じではないか。だが、捨てられることを思えば、なにがしかの金を添えて、誰か奇特な人に引き取られ可愛がって貰えと言う母親のような温情なのだと感謝しなくてはならないのだろうか。無情と言う表現を使ったことを誤りだと訂正しなくてはならないだろうか。
 俺は前を行く人達に、
「拾い得、貰い得、飼得、鼠はみんなやっつけます。アンカの代わりになります。お年寄りの退屈紛れになります。お子さんの玩具にもなります」
 と猫なで声で遣手婆のように喋りまくり、売り込むのだった。が、悲しいかな人間には猫語は通用しなかった。
 人間の子供という奴は、どうしてか動物好きが多い。目も呉れない奴もいるが、大方は「可愛い」と言って近寄ってくる。
 俺はなるべく子供には媚を売らないことにしている。子供の我儘を聞き飼うような親を信用してはいないからだ。実に子供は飽きっぽい。そして、気分気紛で残酷だ。
「飼ってもいいでしょう」
 一応は子供は親に声をかけるが、
「駄目です」
 と言うのが実に百パーセントである。その度に俺はホットする。
「この前は、世話をするからと言うから貰って上げたのに、一週間もしない内にダンボールの中に入れて川へ投げ込んだでしょう」
 と大きな声で諭している母親。こんな家庭を見ると人間の家庭教育は一体どうなっているんだと、頭を傾げたくなる。俺は背筋が寒くなって、知らん顔して、死んだ振りを決めこむ事にしている。
 だから、おれは檻の中を覗き込む大人しか相手にしない。
「あの、そこの汚れた醜い猫を頂けへんやろか」
 と少しハスキーな声が頭の上に落ちてきた。俺はやおら頭を上げた。白いエプロンをした、まるでスピッツようなおばさんだった。突然に首を掴まれたとき、汚れた醜いというのは俺のことかと思った。何だか世間が暗くなった。おばさんに抱えられた時、犬の匂いが俺の鼻孔を擽った。それも、なんと五種類の匂いだった。エプロンのポケットの中に入れられた時、俺はもうなるようになれと開き直っていた。動物好きな人間に悪人はいないという、人間の諺をその時ほど信じようと思ったことはなかった。だが人間はさて置き、五匹の犬の中でどのように生きればいいのか思案に暮れた。人間に愛想をし、五匹の犬には遠慮をしながら生きていかなくてはならない、俺は俺の運命を呪った。
「買物から帰りがけに、そこに団地があるやろ。出入口の大きな木に登ってからに泣いていたのや。うちが手を出したら下りてきょってからに・・・」
 とスビッツのような顔を狐顔にしておばさんは嘘を付いたのだった。どうしてか俺には解らなかったが。
「どこかの飼猫ではないの」
 と鈴を鳴らしたような声がした。
「木に登って何を見ていたんだろう。過去か未来か・・・それともUHOか」
 とガラガラ声が降ってきた。俺はその声の方に目線を投げた。そこには、マントヒヒがいた。俺は髪を立て背を丸くして戦闘態勢に入った。
「なかなか良い面構えをしているではないか。元気そうでいい。こやつはシャムが少し掛かっているな」
 マントヒヒが俺の頭を撫でようとしたので、俺はその指先を軽く噛んでやった。
「お父さん、もう生き物は懲り懲りですからね。私、茶子兵衛を亡くしたときに、今飼っている五右衛門が亡くなったら金輪際動物は飼わないと誓ったんですからね」
「私は犬も猫も好きではないのだ。茶子兵衛の時も唯偶然だった。書斎で書き物をしていたら、車の停まる音がし、発車するエンジンのけたたましく泣く声がして、静寂が訪れた。その時か弱い子猫の泣く声が聞こえてきたのだった。前の道は夜と言えども車の通りは激しい。轢かれでもしたら大変だ。その死骸を片付け土に穴を掘り埋めてやるのは何時の場合でも私と決まっている。ならば事前のその事を防がなくてはならないという防御の本能が働いた。理性の呼び掛けがあった。まるで夢遊病者のように子猫の前に立っていた。子猫の奴、私の足元によたよたと近寄り足の指を噛みよった。私の足がステーキに見える程空腹なのかと思い、夕食の残りのすき焼きを少しやった。三毛猫で実に可愛い奴であった」
 その声の主は、よく見るとマントヒヒではなく、頭の毛はなんと密林のようだったし、顔の顎と頬は束子のように見える人間だった。俺は足先をざらざらした舌でしゃぶってやった。先輩の茶子兵衛に対する優しい思いが堪らなく俺の心を熱くしたからだった。
 「武ちゃん、この猫を此処に連れてくるという事は、何かを暗示しているのかね」
 と髭の中にある団栗のような目をしばつかせながら髭の中の口が言った。
「ほんの残り物で良いのでんがな、苦にならへんやろ。何かの縁や、あんなに懐いてからに。健気に一生懸命に生きようとしているやないの。人間もこの猫も命の重さは違わへんし飼ってやりいな」
 とスビッツのおばさんはまるで神か仏のような事を言った。
「猫も犬も大嫌いなんでしょう」
 と鈴が鳴った。
 俺はその方を向いて精一杯に哀れを誘う泣き声で同情を誘った。
「茶子兵衛かと思ったが・・・」
 と言って、少年を少し大きくした、と言う事は、まだ幼さを残した青年が現われた。ズボンから犬の匂いをプンプンとさせていた。この青年は動物好きに違いない。俺は親愛の情を込めて擦り寄ってみせた。
「茶子兵衛も此処え来た時にはこれくらいだった」
「道真、茶子兵衛の話は止めて」
 と鈴の音が叫んだ。思い出して悲しんでいるのだろうか。
「まあ、どうにかなるだろう。餌は道真の残りをやればいいし・・・その心算で武ちゃんは拾って来たんだろうから」
「人間の雄には好かれんでも、犬や猫にばかり袖や裾を引かれるちゅうのもどうかと思うのやけど・・・」
 と武ちゃんと呼ばれるスピッツのおばさんがしみじみと言った。
「好かれるということはいい事だよ。例えそれが動物だとしても・・・。余裕のない人間を動物は好きにはならんだろうからな。選ばれたことに感謝しなくてはならんぞ」
「そんなものですやろかね」
 スビッツが澄ました様に言った。
 と言うような訳があってこの家の一員になったのだった。家の中には、先輩の茶子兵衛の匂いが染み込んでいた。雌猫の匂いが俺の下半身を震わせた。

三太郎さんの書き出しはこのように書かれてあった。

これは読んでおいたほうが…。
天才の息子天才の息子
すごいっ!ミステリーはこんなふうにして書くすごいっ!ミステリーはこんなふうにして書く
“すごい!”といわれる作家の魅力を徹底分析。創作のための技とアイディアをざくざくつかみとってください!人気ミステリー作家18人の創作の極意満載。
【目次】
綾辻行人/大沢在昌/折原一/北村薫/京極夏彦/桐野夏生/小池真理子/篠田節子/島田荘司/真保裕一〔ほか〕
書きたい!書けない!書きたい!書けない!
スランプ脱出の決め手!世界で証明された右脳活用による驚異のシナリオ創作術。
【目次】
第1章 ライティングと潜在意識/第2章 魔法の種を植えよう/第3章 ひらめきのロジック/第4章 人物観察のプロになろう/第5章 リアリティのあるキャラクターの作り方/第6章 魅力的で立体的な主人公を作る/第7章 腹話術師になろう/第8章 マインドマッピングの奇跡/第9章 ストーリー構成のファースト・ステップ/第10章 3幕構成の再考/第11章 心の中の女神―直感、ビジュアライゼーション、夢

 しとしとと雨が降りますこんな日は
               パソコン向かい日記書くなり

 2006/03/16雨です昨日の天気は嘘のよう明日ははれてほしいもの…。