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今日は晴れたり曇ったり寒い一日でも確かに春は来た花が嬉しそいだ・・・。
昨日辺りから眼の中に糸くずが飛ばなくなった・・・。光も走らなくなったが・・・。鬱陶しい気分が晴れて・・・。春が近づいたか・・・。
気分を変えるために32インチのソニー液晶テレビを買った・・・。机の前にシャープの液晶テレビを置いていたのだがそれを変えることにしたのだ・・・。いろいろと検討していたが、そこへ楽天ショップでソニーの大特価の知らせが・・・あけて見てびっくりした・・・。なんと近くの家電店で248000円が163520円で買えるというのだ・・・。ソニーの液晶はパソコンでよく知っているので写りはいい・・・買った・・・。明日来るらしい・・・。これから野球、サッカー・・スポーツ番組を楽しみたいと思っているが・・・。
麗老(16)
妙子はマタイニードレスが似合っていた。本家普請の家は風の通りが良く涼しかった。雄吉は田圃の水を見に行き水がなければポンプを回すと言う以外に外に出ることはなかった。庭に藤棚を作り、畑に花を咲かせるくらいだった。
家にいて妙子の立ち振る舞う姿を見ているだけで仕合わせだった。妙子も外に出ようは言わなかった。出るのは食品の買い出しくらいで、嬉しそうにお腹をせり出して歩いた。こども宿す女の自信が美しくしているのか妙子はその様に見えた。買い物の時でも妙子は雄吉にきちんとした服装をしろと喧しかった。外見を保つことが自信を生み出し一つ一つの仕草を優雅にすると言うのであった。見られているのだから見せることを演出しろと言うのであった。確かに普段着とは違って緊張感が生まれた。引きずる歩き方は出来なく足を上げなくてはならなかった。家の中にいるときでもLEEのジーパンをはかされた。食べ物にも気をつける様に、腹八分目を強制した。バランスが大切だと野菜料理を何種類か食卓にのせた。
「パパになるのだからね」
「何も言ってないよ」
「長持ちして貰わないと」
「長持ちね・・・・」
「平凡だけど、生まれた子を抱いてあなたと宮参り・・・ 」
「そんな夢があったの」
「お宮さんの前を通るたび思った」
妙子の瞳が滲んでいた。そんな妙子を見るのは初めてであった。
男の様な言葉を使い割り切ったようなことを言っているが女の優しさと感情は持っているのだと雄吉は思った。一つの命がそうさせたのかそれは分からなかったが・・・。
「来年の春にはできるよ」
「待ちどうしい」
「待ちどうしいね」
雄吉は先のことを考えないようにしていた。今を精一杯に生きる事にしていた。これから何がおきるか分からない、その定めを流れようと思っていた。
ガラス戸を通して差し込んだ陽射しが畳の上で日だまりを作り遊んでいた。夏の陽射しが和らぎ夕焼けの中を赤トンボが舞う秋が向かえに来ている頃だった。
人は還暦を過ぎてから死の準備をするのなら後の二十年を綺麗に生きようと考えるだろう。肉体の死があっても魂は存在し、その魂をつれて中有の旅へ出るのならば魂を綺麗にするのがその二十年か・・・。雄吉は死を考えないがこの後の生き方を何か今までと変わった生き方にしょうと考えるのだ。自堕落な生き方は辞めて体を清潔にし身繕いを正してと思うのだ。そのように生きるという指針があって他に何かが起こるとしたらそれを従順に受け止めなくてはならないと思った。仏門へはいることを考えたがそれだけの勇気はなかった。
托鉢の僧になけなしの金を差し出しお腹が空いたら食べてくださいと言うこと、遍路の人たちに宿を貸す人たち、その総ては魂を清浄にする行為なのであった。そんな生き方に憧れることもあった。若い頃はなぜという疑問があったが今にしてそれを理解出来るのであった。
庭や家の中の掃除から取り掛かった。それは死の準備でなく定めをながれるためだった。
雄吉は身の回りをこざっぱりさせた。何かが壊れ新しい自分が表れた様だった。自由を生きると言うことは難しいがそれを生きると決意した。自由に生きるためには自制心が必要であることを知った。雄吉はお日様と一緒に暮らすことを自分に課した。それが定めだという風に受けとめた。
この数日雄吉は憑かれように自己変革を行った。悟りを開くというのではなく煩悩の中で定めを生きようとしたのだ。綺麗に生き素直に歩こうとしたのだった。それは老いの知恵だったのかも知れない。好奇も探求も追求するのではなく流れの中で解決しようとするものだった。好奇心も探求心も若かった頃と比べ薄れていくのが魂の浄化であった。
日が落ちてその静寂の中に心の安らぎを知った。雨の音に命の鼓動を知った。風のざわめきに慈しみを知った。自然の中に人間の心があることを知ったのだった。綺麗に老いると言うことは自然のままに暮らすことだったのだ。雄吉は明日来る朝焼けに胸を張った。
ご愛読頂き有り難うございました。雄吉と妙子のそれからは別の稿でお目にかかることが出来ればと思います。
皆様のお幸せを祈りつつ・・・。
2006/04/21 草稿脱稿
もやが晴れ見渡す空は雲白く
何を告げるか時に指す陽は
2006/04/21時に曇り空が晴れ日が差し込んで風はまだ強く吹くが・・・。