yuuの夢物語

夢の数々をここに語り綴りたい

今日で5月も終わりか・・・。

2007-05-31 18:48:06 | Yuuの日記


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今日は晴れたり曇ったりの変な日だった・・・晴れるなら晴れる降るなら降るとはっきりして欲しい・・・。
今国会では年金の問題が・・・国民年金だけの人、厚生年金だけの人は問題はないが・・・仕事をしたり遊んだりしていた人が国民年金と厚生年金を同一番号にするときにもれたということか・・・。5000千万人もの人がうろうろとしたことになるのか・・・その中の半分は正確に統合されているらしいが・・・。950億円の支払いもれ・・・特別会計の250兆円の中からどうにでもなる・・・。国家予算の3倍の250兆の使い道はどうなっているのか・・・その方を国民は知りたがっているのだが・・・何が小さい政府美しい国作りだ・・・曖昧すぎるのでその言葉は国民の耳に届かないが・・・。つまり政府は250兆円の裏金を自由に使って国民には税金や介護費の増額、消費税のアップをちらつかせ、年金の削減、交付金による福祉の切り捨てをやっているのであるが・・・。こんな國の議員や官僚を信じられるのか・・・。
年金の問題がなぜ今頃・・・議員年金は議員の都合のいいようにしておいて・・・厚生と共済年金の一元化はうやむや・・・その方を国民は怒っているのがバカな議員は分かっていないらしい・・・。950億円の支払いもれ・・・。そんな金は議員年金、公務員共済、厚生年金の改革でどうにでもなるというもの・・・。与野党の参議院選挙目当てのパァホーマンスが見え見え・・・。金になる議員になりたい輩のあがきなのだが・・・。
こいつだけは議員になって欲しくないと言うマイナス票の投票制度の法案を作ってくれれば投票率は上がろうというものを・・・。今の制度では投票する気がしないが・・・。私一人かこんな考えは・・・。

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天使の赤褌
  6
 
大木田の家より少し上がったところにある、本家普請の大きな幾重もの本瓦葺の屋根と遠州を思わせる庭園の美事さが、代々の受け継がれた土地を売って勝ち取ったものである。その家が、山の持ち主の森山元作の家であった。今、元作は繁った山肌に鍬を入れ、鎌を入れているところであった。その話がまとまってから、大木田は植物図鑑と首っぴきの日が続いているのだった。薬草を植える時機、栽培、効能、の研究であった。
 大木田は縁側の陽溜りに腰を掛けてぼんやりと庭の隅に咲く矢車草に見入っていた。けなげと見る人間は傲慢なのだろうか。今の人間はそんな草花の存在にすら心を動かさなくなっているのが現状である。それは、慈しみの欠如か、感性の低さなのか、心に余裕が無くなっているのか、その事が幸不幸なのか分からないが、心の扉を開かせないと言うことは本当のようであった。それは、人間の身体の成長が著しく良くなったのに比べ、心の発育が遅れ、バランスの崩れを感じるのもその一つだ。身長を例に取って見ても、牛乳の摂取量より砂糖の消費量が大きく係わっていることは統計に表れている。蛋白質より葡萄糖が人間の成長に不可欠であると言うのが定説になりつつあると言うのが現状である。生態系のバランスは極端に突然にある一部分を攻撃するのだ。幾ら人間が自然に似た自然をどんなに巧く作っても自然の前には叶わないのと言うものだ。快適な自然環境が人間の桃源郷とするならば、自然を共とした生活が必要なのではあるまいか。
「先生!」
 若々しいピンク色の声が聞こえてきた。なだらかな坂道から庭が見え、縁側で考え事をしている大木田の姿が映ったらしく、由美が声を投げて寄越したのであった。大木田がその方を見ると白いホットパンツに真っ赤なトレーナを着けた由美がにっこり笑って手を振りながら近づいていた。肩まで垂れている髪を靡かせ、頭に純白のベレー帽がちょこんとのっかっていて十六歳の由美のあどけなさと茶目気を表しているものであった。
 大木田は立って、竹で作った簡単な木戸へと歩んだ。
「本当に来たんだね」
 大木田は愛想を崩して言った。
「はい。先生の言い付け通りに鮭を、それも一番大きい物を買ってきました」
 大木田は木戸を開けてゆっくりと縁へ向かう。足元にちらばる雑草をひょいひょいと避けながら歩く。それは一つの風景画のようだ。渋い濃紺の一重をラフに着こなしていた。「先生って、意外とユーモアが判るのですね」
「ええ!」
「私が言った言葉に合わせてくださいましたもの。薄い茶で紺の兵子帯ではなく・・・」「君だって・・・」
 二人の頬は緩んでいた。言葉の遊びがただ一回の出会いなのに打ち解けた雰囲気を作った。
「良い所ですね、気に入りました。それにしても、こんな広いお家にお一人で住んでらっして寂しくありませんか?」
 縁側にスーパーの包みを置いて、物珍しそうに視線を投げていた由美が言った。
「東京とあまり変わりはしないよ、あそこは砂漠って良く言うだろう。働く町で住む町ではないんだよ。あそこは化学薬品でこちらは漢方て言えばいいのかな・・・」
 くぐもった大木田の顔があった。
「ところで、先生に是非聞き入れて欲しいんです・・・」
 由美がころりと言葉を変えて、真剣に大木田を見詰めた。丸い目が更に丸くなった。
「なんだろうか・・・」
「私先生の弟子にして欲しいんです」
「弟子」
「はい・・・」
「純愛ごっこではなかったのかね」
「いいえ、弟子にしてくださるならなんでもします」
「何がしたいのかね。知りたいのかな」
「来年の春までに、台本を書かなくてはならないのです。私、今演劇部の部長なんですけれど、今年も予選落ちをして・・・。だから、せめて、来年は・・・」
「卒業だろう」
「はい。だから、いい台本を残して・・・。演劇はやはり本が一番なんです。演技ではなかったんです」
「それはそうさ。だから、私にその書き方を教えてくれと言うのだね」
「はい。・・・駄目でしょうか?」
「さあ、私もこれからの生活について色々と考えていることがあってね」
「読んでくださるだけでいいんです」
「読むくらいなら簡単だよ。だけど、私の要求に耐えられるかな」
「はい、弟子にしてくださるのなら絶対に耐えてみせます」

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皆様御元気で・・・ご自愛を・・・ありがとうございました・・・。

恵 香乙著 「奏でる時に」
あいつは加奈子を抱いた。この日から加奈子は自分で作った水槽の中で孤独な魚と化した。

山口小夜著 「ワンダフル ワールド」
1982年、まだ美しかった横浜―風変わりなおんぼろ塾で、あたしたちは出会った。ロケット花火で不良どもに戦いを挑み、路地裏を全力疾走で駆け抜ける!それぞれが悩みや秘密を抱えながらも、あの頃、世界は輝いていた。大人へと押しあげられてしまったすべての人へ捧げる、あなたも知っている“あの頃”の物語。

作者のブログです・・・出版したあとも精力的に書き進めています・・・一度覗いてみてはと・・・。
恵 香乙さん

山口小夜子さん

環境問題・環境保護を考えよう~このサイトについて~
別の角度から環境問題を・・・。
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今日は雨のち曇り晴れ・・・。

2007-05-30 16:19:23 | Yuuの日記


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今日は雨から曇り晴れへ・・・。気圧の関係で耳が響くのは・・・。

来月からガソリンが値上げ・・・昨日129円で満タンにしたが・・・軽四だからそんなに入らない・・・。ガソリンの伸びもいいし税金も安い・・・。近頃の軽四は大きな乗用車に比べると乗り心地は落ちるがそんなに遜色が無くなった・・・。買い物、医者通いにはこれで充分・・・。
ところでバイオ燃料のかお陰でなにもかも高くなりそうだが・・・。今ダイエットに注意して食しているからいいものを昨年だったら食べ放題で家計は火の車か・・・。

地球環境の変化で百日ぜき、はしかの流行・・・これは因果関係があるのか・・・。確かに猫の盛りが頻繁になったのは関係がありそうだ・・・。

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天使の赤褌
  5

 目線を下げると大きな造成地が広がっていて、歯の抜けたような空き地に秋桜が咲き誇っていた。先日大木田は庭の片隅に咲いていた鈴蘭草を取って書斎の花瓶に差したのだった。ここに来て、都会生活で忘れていた自然の営み、四季の変化を改めて感じたのだった。小川の細流に水の音を感じ、鳥のさえずりに生命の存在感を、陽の出に暖かさを、月に憂いをと言う風に馴染む事が出来るようになっていた。彼はここに来て急ぎの仕事が無い限り陽と共に起き陽が隠れると共に床に就く生活をしていた。嘗て人類が陽と共に生活したように、陽を信仰の対象にしたように、そして、火をあらゆる生物が恐れながら生活の中に溶かし込みその恩恵を祈りの対象にしたように、また、水を命の源としたように、花鳥風月を愛で心を潤したように、彼は自然と同化しようとしていた。そして、自然との対称こそが人間を成長させたことを知っていた。
「知識が人間の持って生まれた知恵を無駄にしている」
 と言うのが、彼の考えになっていた。それは、知識が先行して、知恵と言う本当の物を忘れていると言うことであった。知識が産み出すものが文明で、知恵が産み出す物が文化であると言う結論に達することが出来たのは、自然の匂いが心に諄々に染み込み感じさせてくれたのだった。知恵は経験が産み出し、経験が知恵を真実の物にしていくのだ。先達者の知恵を今こそ掘り起こすべきではないだろうか、その事をライフワークとして取り組もうと考えるのだった。
 その第一段として、背後の山肌を一町分程買い受けようとしたが、代価を聞いて諦めたのだった。そして、その土地を貸しては頂けないかと持ち掛けたところ、何に使うのかと言うので、薬草を植えるのだと言うと、十年間は貸してもいいがそのときに返すか買取って欲しいと言う答えが帰ってきたのだった。また、その人が言うには自分は前の団地を造成するときに沢山の土地を売ったから暇を持て余しているので、薬草園を手伝わせてはくれまいかと言うのだった。
「下刈りはわしが致しますから、それに、耕運機で耕しますから。あそこにはぎょうさんのはみ{蝮}がいるもんで慣れんと入れませんよね。今は余計に集まりましたけえ。こん山奥の開発を始めてから裏山にぼっこう逃げて来ゃがったですよ。そん時に捕まえて一升瓶に入れて焼酎漬けにしたのがありますけえ持ってきましょうかな。切り傷にはよう効くし、飲んだらあそこはぴんぴんになるしな」
 と言って、金歯の前歯を光らせていた。
「今その蝮が高い値で売れるそうですよ」
「金はもういりやせん。無いときには欲しいと思いましたけえどな、金では本当に欲しいものは買えんと言うことが分かりましたけえ。あの山も、削り取って造成して建て売りをするから売って欲しいと言うてきましたが、金やこしいりゃせんけえ断りやした。あんたはよそもんじゃあけえど、薬草を植えると言うのでな、売ってもええし貸してもええと思うんですんじゃ」

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本書で言う「頭がいい文章」とは、お金を生み出してくれる文章のことです。思わず買いたくなるコピー、読みたくなる企画書、返事をしたくなるメールをさりげなく書く技術を伝授します。

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今日は晴れていたが今は曇って・・・。

2007-05-29 16:21:09 | Yuuの日記


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今日は晴れていたが鬱陶しくなった・・・。梅雨の訪れが・・・。

一度あると連鎖するのか・・・松岡といい緑資源機構の元理事といい、ザードのボーカルといい自らが命を絶つ事件が続いている・・・。長生きをすることだけが人生では無いが、果たしこの世に生まれてきて命の燃焼をしたのだろうか・・・惜しまれて亡くなる人、当然の結果と言われる人・・・様々だが・・・。政治家がらみの自殺はつきもの・・・政治家が責任を取らないからなのだが・・・。先ず、長久手の人質を取り立てこもり警察官を殺傷したやくざなど最後には自分の命が惜しいと泣きを入れたとか・・・。その銃弾を浴びた警察官の葬儀に出席せず15歳でゴルフに優勝した少年をねぎらっていた阿倍はやはり首相の器ではなかったか・・・殉職した警察官の葬儀に出席すべきでは無かったか・・・。このあたりが阿倍の小物ぶりである・・・。
年金問題、松岡、緑資源機構の談合、阿倍の支持率はまた下がるか・・・。参議院は自民公明惨敗か・・・。

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 天使の赤褌 
  4

 「ルルルールルルー」
 と電話が鳴った。玄関、居間、寝室、書斎と一本の電話を分岐してそれぞれ受話器を置いていた。大木田は一番近い受話器を取れば良いようにしていた。ゴールデンウィークにこちらに来てみたいと言う、鮮一郎からの電話であろうと思った。この前の電話のときにそのようなことを言っていたのだ。だが、商売はどうするのかと聞くと、みんな東京から居なくなるよ、と言う事だった。そう言えば、そうかと変な具合で納得したのを覚えている。彼は、縁側にいたので、書斎の受話器を取った。
「はい。素朴庵です」大木田は住まいをそう名付けていた。
「先生ですか?」喫茶店で逢った少女の声が受話器からはじけた。
「先生ではないが、私は大木田禎蔵と言いますが」
「あの、あの、わたくしは、いやだぁ。橘由美と言います。この間「糸車」でお願いした件ですれど・・・」
「さあて、一体なんでしたですかね」
「純愛ごっこをしてくださると言う約束をしたのを忘れたのですか?」
「いや、忘れるほどのもうろくはしていないつもりだが・・・」
「だったら、これから先生のところに伺ってもいいですか?」
「ここが分かるのかね」
「はい。分かったからこうして電話をしているんですわ」
「なるほどね」
 大木田は、この橘と名乗る少女がどうしてここの電話番号を知ったのだろうかと思った。電話番号は二人の子供とある友人にしか伝えていないのだった。無論電話帳には記載されてはいないのだ。つまり、悪徳な公務員がよくやる手である。大木田はそんなときに、どうして正正堂々と名乗れないのかと義憤を感じたことがあった。電話番号を幾ら隠しても知る方法はあった。少し頭を使えば良いことなのだ。隠す人間の少し上を行けばそれ位すぐに調べられるのだ。そのことに気づかない馬鹿がよく隠す。そんなことをするから、子供が誘拐されたりするのだ。防備が却って変な確執を広げ、悪戯に事件を大きくすると言う事が分からないのだろうか。まあ、その程度の人間しかそんなことはしないのだが。 大木田が公表しなかったのにはそれなりの訳があった。
「不思議なんでしょう。電話番号が分かったことが」
 由美は少し茶目して言った。
「ああ、きみは探偵になる素質があるのかな」
「そこいらの田舎の子とは違うでしょう」
「ああ、少し違うようだね」
「私には、超能力があるの」
「ほほ、きみはエスパーだとでも言うのかね」
「いいえ、Vのビジターなのだわ」
「それでどのような方法でキャツチしたんだね」
「だから言っているでしょう。私にはあらゆる情報をキャツチする能力があるって」
「そう言ったね」
「だからなの。先生の顔を頭の中に浮かべると住所、氏名、年齢、電話番号がすらすらと書けるのですわ」
「それはまた厄介な病気だね」
「そう言うだろうと思った。今先生は、焦げ茶の一重に薄い青の兵子帯を締め、書斎でこの電話を受けているでしょう」
「その通りだが・・・。では、きみは今日学校をさぼり、紺と白のストライプのワンピースを着て「糸車」の前の公衆電話から掛けているだろう」
「当たり。だけど、学校はさぼったのではありません。今日は開校記念日なのですわ」
「おじさんも、今日は何にもしない日なんだ」
「狡い。そう言って私との純愛ごっこをしないつもりなんでしょう」
「出来ればね。今日は別の約束があるのでね」
「嘘です。誰かからの電話を待っているんでしょう」
「まあ、その通りだが・・・」
「その電話は、今日はありませんよ」
「どうして?」        
「分かるんですって。先生の事なら総て」
「ほほう、それは厄介なことになったね。おちおち風呂にもトイレにも入れないでは無いか」
「洗濯物が溜っているんでしょう。どうせろくな物をしか食べていないんでしょう。これから、私が行って食事を作ってあげましょうか?こう見えても、私はうまいんだから天才って言われているんだから。先生は何が好物ですか?」
「私の総てが分かるんだろう?」
「ああ、・・・。分かります、鰺の塩焼きとか、辛しめん鯛子とか、きんぴら午傍とか、酢蓮根とか、法蓮草のおしたしとか・・・」 
「それは、君の親父さんが好んで食べる物なんだろう」
「先生とうちのお父様とはそんなに年が近くはありせんわよ。父が三十九で母が三十七なんですもの」
「ほほ、それじぁ、まだ牛とか豚とか鶏とかが食卓を飾っていると言うわけだね」
「はい」
「ところで、『糸車』のマスターが言っていたけれど、どうしてあんな嘘をつくのだ」
「うう、どんなこと?」
「学校を中退して、年齢が十八だと言うことさ」
「だって、そうでも言わないと、茶店には入れないし、あれでもあそこのマスターちゃつかりしていて、私がいるために客が増えたんだから。だから、私のボックスを何時行ってもいいように明けていてくれるんだから」
「双方の利益が一致していたと言うわけかね」
「ええ、そうよ。それより、何か欲しいものはありませんか?」
「さあて・・・」
「さあて・・・、では分かりません。具体的な表現をしていただかないと」
「本当に、来て料理をしてくれるって言うのかい」
「ええ、本当の本当」
「では、その店で一番大きな鮭を買ってきてくれんないか」
「しゃけですか?」
「そう、魚の鮭だ」
「鮭と言うとさけのことですか」
「そうだ」
「はい、わかりました。買い物をしてすぐに行きます」
 喜喜とした声が受話器の中に残音として残っていた。
 大木田も何やら心が浮き立つのを感じた。

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今日も暑い・・・頭がボーとしていて・・・。

2007-05-28 16:56:09 | Yuuの日記


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今日もいい天気暑い・・・。洗濯物は良く乾いたが・・・。稿も暑いと何をするにも億劫である・・・。テレビで放映された演劇を一部分だけダウンロードして皆様に見ていただければと・・・。

死者に鞭打つわけでは無いが農水大臣が自殺・・・。この人のお陰で阿倍の支持率が下がり放しであっただけに・・・自殺をしなくてはならな事情があったのだろう・・・潔しと感じるが・・・それが責任の取り方かどうかは・・・。これも天下りの余波である・・・天下り禁止法案をいち早く作らなくてはならぬだろうと・・・。阿倍はなぜに灰色の農水大臣を守り続けたのか・・・責任は阿倍にもあるのだが・・・かばいすぎて殺したとも言えるが・・・。

注目の赤坂の議員宿舎にけちが付いた・・・国民の怒りと怨念が次の事件を予測するように思われるが・・・。国民の意思を無視して作った宿舎・・・夜な夜な松岡の亡霊が・・・。

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天使の赤褌
 3

 男は、大木田禎蔵と言った。今、余り仕事はしていないが若い頃は中央でかなり名を馳せたと言うことだった。新聞社を経て評論家になり、戦後のデモクラシィについて、論戦を張り国民にその浸透を促したと言う。そして、小説、戯曲、と発表した。その総てがこぞって読まれた時期があった。その彼が地方に越したことには、二通りの逸話が残っている。ある疑獄事件を追い過ぎて身の危険を感じ都落ちをしたと言う事と、今で言う不倫の関係が発覚し一人で故郷に帰ってきたと言うものであった。逸話と言うものは何時の場合でも本人の人格を伝える充全ではないものだ。
「疲れた」と言う言葉が彼の表現としては最もベターであるのかも知れない。
 今は、この町の真ん中を蛇行して流れる、香美川の上流の農家を買い晴耕雨読の日々であった。時折、小文の原稿を頼まれたり、講演に出掛ける位しか動かない。だが、彼は、2キロほど離れた所に出来た団地の中にある「糸車」と言う喫茶店には毎日のようにコーヒーを呑みに下りていた。往復が散歩に格好の距離であったからだった。山一つ越せば、この県の地域開発の広大な高原が広がり、そこには、多目的ホール、体育館、テニスコート総合グランド、図書館、児童館、身障者リハビリーテーション、青年館、農業改良センター美術館、屋内プール、特産物品館、教育実習館、県民の森、オリエンテーリング、ゲートボール場、温泉サウナ、そして、飛行場等まで出来ていた。
 彼が来た頃は朝日を浴びた縁側から、澄んだ日には香美川を挟んで発展している町が見下ろせたものであった。町へ出るのも今では三車線の立派なバイパスが出来て、タクシーでものの二十分も走れば良くなった。庭先にまで家が立ち子供の泣き声や母親の叱る声が常に交錯していた。庭先と言っても前の家までは百メートルは離れていた。
 東京には別れた妻との間に出来た、鮮一郎と加奈子がいて、それぞれが別の家庭を営み、夏美は二人の子の間を渡り鳥のように住まいを換えているらしかった。夏美と別れたのは、不仲があったわけではなかった。ここに越してくるときに一緒に来なかっただけだった。東京生まれの夏美には田舎の生活が我慢できなかっただけだった。自然に疎遠になり両者合意の元に離婚が成立したのだった。その事で、子供達からは反対はなかった。それは、個人のプライバシィーの尊重を幼い頃から教えていた。  
「まあ、動けなくなったら連絡してよ。扶養してくれたぶん返すから」
 と鮮一郎は言い、
「長い間一緒にいたんだから、別々に生きてみれば。かあさんのことは鮮ちゃんと交互に面倒を見るから安心して。田舎の無い私達に田舎が出来たと思うことにするわ」
 と加奈子が言った。
 夏美には、教科書の印税が入るように贈与した。子供達は鮮一郎が天麩羅屋を開いていた。し、加奈子は新聞記者と一緒になっていた。
 ここに越してきてもう五年が過ぎようとしていた。
「出物があるんだが、どうだろう」とゴルフ仲間の不動産屋の石上に持ち掛けられて買ったのは、十三年前であった。
「年を取ると都会の生活が欝とうしいよ」           
 といつか言ったことを、石上が覚えていて、捜してくれたのだった。
「瀬戸内に面した温暖で山海野珍味が多いよ。」
 と言われたときに買っていて何時かそこで暮らそうと思ったのだった。
 南に面したなだらかな斜面に、二百坪の畑と八十坪の屋敷が付いていると言う事だったその当時三百万で手に入れたものだった。今では到底そんな端した金では手にいれる事など出来はしない。
 五年前のことを考えると身の毛がよだつ。スキャンダルに殺されると言うが、ノンフィクション物で財界のドンと代議士を追っていて、まんまと罠に嵌られたのだった。若い頃はそんなへまはやらなかったのだが、その事があってから体力より、気力、一番大事な集中力の衰えを知らされたのだった。

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【問題】あなたがあるお店の店長だとして、次の文章をメッセージが確実にお客様に伝わるように書き直してください。

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【内容情報】(「BOOK」データベースより)

思わず買いたくなるコピー、読みたくなる企画書、返事をしたくなるメールがさりげなく書ける。

【目次】(「BOOK」データベースより)

第1章 「頭がいいと思わせる文章」が書ければ、どれだけ得か?/第2章 文章が上手い人なんて100人に1人ぐらい/第3章 頭が良くみえる文章テクニック/第4章 お客様がお金を出したがる文章には必ず法則がある/第5章 ブログやメールマガジンで賢そうな文章を書く方法/第6章 相手が気持ちよく働いてくれる「メール文章術」/第7章 社長や上司から絶対に好かれる「社内キラー文章術」/第8章 作文を書かせれば、頭が良いか悪いかすぐに分かる/第9章 3ヶ月で「頭がいいと思わせる文章」を書く!

【著者情報】(「BOOK」データベースより)

竹内謙礼(タケウチケンレイ)
中小企業の販促戦略、人材教育等を行なう経営コンサルタント。有限会社いろは代表取締役。大学卒業後、雑誌編集者を経て観光牧場「成田ゆめ牧場」の企画広報に携わり通信販売や実店舗の運営、企画立案等を行なう。楽天市場に出店したネットショップはオープン3年目で年商1億円を達成。2年連続で楽天市場のショップ・オブ・ザ・イヤー「ベスト店長賞」を受賞。またオークション&ショッピングサイト「ビッダーズ」において準グランプリを受賞。現在はセミナーや講演会、企業の人材教育の他、「タケウチ商売繁盛研究会」の主宰として多くの中小企業経営者に対してのキャッチコピーや広告等の戦略指導を積極的に行う。第41回『千葉文学賞』(千葉日報社主催)、第12回『香・大賞』(松栄堂主催)、『わが子に贈るお話』(婦人生活社主催)のエッセイや文学賞の入賞経験もある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

今日も真夏日・・・季節は狂ったか・・・。

2007-05-27 21:08:41 | Yuuの日記


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今日も晴れて暑い日だったが・・・。朝までパソコンでヤンキース戦を見ていたら5時に・・・。眠ったが最近は早く起きる癖が・・・。
家人は姉のコンサートへ行っていて留守・・・書きかけの原稿を読み直して書こうかと思ったら睡魔が・・・。寝てしまっていた・・・。

中国の影響で北九州の小学校は中国からの影響か?光化学スモッグで運動会を中止するところが続出・・・。ある意味では北朝鮮のミサイルより怖いかも・・・。昔日本は気球爆弾をアメリカへ向けて揚げていたが・・・。今日本を殺すには中国が光化学スモッグを起こす研究をすればいちころか・・・。
著作権といい、国民のモラルの低下といい、薬品の杜撰な検査といい・・・どうも中国産のものは国産法を無視、食べられない・・・が、国産というものも原料が中国から来ていたら防ぎようがないが・・・。
これでは北京五輪なんか本当に出来るのか・・・。辞退する國が沢山出るのではと・・・。飲み水だけは持参することが望ましいと・・・。中国が負けると暴動が起きたりして・・・。中国も共産軍を総動員して防ぐことになるのか・・・。

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「天使の赤褌」

 2
 そう言えば、あの子は良く見掛けたな、と思った。今日のようにまじまじと見たのは初めてであった。どうしたと言うのだろうか。今日に限って、あの子のことが気になったのはと男は考えてみた。どこかで逢ったのかな、と考えたが、すぐには思い出せなかった。男は冷めてしまったコーヒーを口に持っていき最後の一口を飲み干した。
 ああ!と声を上げそうになった。確かに逢っていた。それも全く雰囲気の違うところでだ。その意識があの子に視線を向けさせる原因を作っていたのかも知れない。
 あれは、確か、この前と言っても二日前だが・・・。
「あの、あたいと純愛ごっこしない?」
 思い出したとき、少女が男の後ろに立って声をかけたのだった。アイショドウとアイラインを濃くし、ピンクの唇がなまめかしく動いていた。声には幼さがあり、言葉には少し甘えたところがあった。
「私に言っているのかい」
 男はその子の瞳を真っ直ぐに見て言った。その子は瞳を伏せずに男の目を見据えた。
「あたいとなら嫌ですか?」
 真っ赤なワンピースの胸の辺りの布地が緊張していた。
「さぁて、おじさんには、きみの本意が良く判らなくてね。そして、言っている意味がもう一つ分かりかねるんでね」
「純愛ごっこと言う意味?」
「まあね」
「それは、先生が言ったんじゃないの」
 少女の口から先生と言う言葉が出て男の記憶が完璧に蘇った。
 二日前、ミッション系の私学へ『これからの女の生き方』と言う講演を頼まれて行った時に、控え室にコーヒーを運んで来た女学生であった。紺のセーラー服に赤のスカーフが良く似合っていた。化粧気のない肌が透き通るほど白く、細い切れ長の瞳は深い深海を思わせるブルーであった。膝を隠した少し長めのスカートから形の良い脹ら脛が出ていた。あの学校は県下でも女子高としてはトップを行く良家の子女が通うと言う事で有名なところであった。
「きみはなんでこんな所にいるんだ」
 男は呆然として言った。
「学校が退屈になるとここに来るの。そして、こうしてぼんやりとしているんだわ」
 少女はどうしてそんな質問をするのかと言わんばかりに言って、
「あたいを何処かに連れてって」       
と付け加えた。
「何処って、おじさんをからかうものではないよ」
「からかうなんて、そんな事はしません。あたいはここに何日も座って観察をしていたんですけど、みんな嫌らしくて、『いくら』『良いことして遊ばない』とか、大人ってどうしてそんなことしか言えないのかしら」
「まあ、それは無理もないよ。そんな格好をしてそこに座っていれば、男はきみが誘ってくれるのを待っていると勘違いをしてもしょうがないよ。その服装じゃ尚のことだ」
「先生は、そんなに道徳的だったかしら。三島由紀夫じゃ無いけれど、不道徳の奨めを講演したんではありませんか。表面上は」
「まあ、どのように聞いたかは、きみの感性に任すより仕方がないが、あれは言ってみれば、パラドックスと言って・・・」
「分かっています。不貞を奨めることによって、純愛を説こうとしたんでしょう」
「分かっているではないか、だから・・・」
「だから、純愛ごっこをしましょうと言っているの」
「きみの言うその純愛ごっことは一体どんな事かね」
「先生の若い頃のように、と言えばいいのかな」
「その先生と言うのは辞めてくれないか」
「だって、先生なんでしょう」
 マスターは頬を緩めてうつ向いていた。肩の辺りが揺れていた。
「つまり、プラトニックラブてことかね」
「そんなに、ラブに憧れるって可笑しいですか?」
 少女は真面目に言った。
「だったら、その化粧は落として欲しいな。きみをそれではどこへも連れていけないよ。それに、ちゃんと学校へ行くこと、そうでないと、ごっこは出来ない」
「いいわ。その代わりに私を一人の女としてエスコートをしてくださらないと、本当に不良ごっこに走るから」
「レディーとして扱えと言うのだね」
「ええ、先生は私をマイフィャレディーに教育して下さらなくては駄目なんです。ここにいて、そんな人が来るのを待っていたんですもの。あらゆる誘惑の手から逃れて」「それは、それは光栄だと言わねばならないのかね」
「じゃ、ちょっと待っていて」
 と言って、少女は化粧室へと消えた。
「大変なことになりましたね」
 マスターが同情したように言った。
「まあ、あの子の家庭はこの地方では中流以上だし、ちょつと、レールを脱線してみたいって年頃だろう」
「あの年ごろの子はとかく難しいですからね」
「そんなこともないよ。週刊誌がああやって面白可笑しく書くもんだから、あの子等の年代の子はみんなそうなんだと思い、気分が焦るんだよ」
「あのように、心は一つでも化粧と衣裳でせめて違った生き方をしてみたいてところですかね」
「常に、人間と言うのは変身願望があるんだよ。自分だけこうなんじゃないとか、みんなとは違うんだとか、まあ、そう思わないとつまらんかも知れんがね」
「そんなものですかね」
「教育がなっていないんだよ。個性を殺して、平均的な人間を作っているんだから。知識ばかり詰め込んで実践の方法を教えないんだから。人の心まで天秤にかけて売ろうって世の中なんだから。先生のロボットなんだから。勉強のマシンなんだから。生き方に疑問を持たなくてはね、これでいいのかってね。判断力を持って初めて自主的に生きられるんだから。恋をしなくちゃあ、愛さなくちゃあ。今の若い子はみんな出来過ぎるんだよ。だから、感動をする心も育たないし、柔軟ではないんだな。同じ顔をしていて気味が悪くなるよ。のっぺらぼうとしていて、勉強の事しか頭にはないんだよ」
「そんなもんですかね」
「だから、勉強なんかどうでもいいって反逆するんだよ。本当に、勉強なんかいいんだ。幾ら頑丈な基礎をこしらえても、立派な家は建ちゃしないんだから。設計図は描けても、駄目なんだから。一人の人間では何もかも出来ゃしないんだから。何でもいい、自分に合ったものが一つ出来ればいいんだから。錯覚させる世の中では、覚めたときに辛いよ、苦しいよ。こんなもんだったのかって考えこんじゃうもの。そして、今まで何をしていたんだろうかって不安になるもの」
 男は、分かり切ったことを滑らかに喋っている事に驚いていた。こんなに言葉を口にしたのはかなりの時間があったと思った。講演で語ることとは違う。言葉を金にする行為とはまた違う、人間としての義憤が心情的に語らせていた。
 マスターは化粧室の方へ視線を走らせた。男も釣られてその視線を追った。
 ドアを背にしてそこに立っているのが先程の少女かと見紛う程であった。真っ赤なワンピースから黒と黄のストライブのワンピースに着替えていた。化粧を落とし、マニュキアも洗われていた。髪はストレートに肩に流していた。
「その方が綺麗だよ。とてもいいよ」
「だって、このままでは、誰も声を掛けてくれないわ」
「だろうね。高貴過ぎて近寄り難いもの」
「さあ、約束よ。私を何処かへ連れてって」
 少女はけなげに言った。気が付いたが、ストッキングも黒に換えていた。
 
 彼女、橘由美と出会ったのはこのような経過があった。

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皆様御元気で・・・ご自愛を・・・ありがとうございました・・・。

恵 香乙著 「奏でる時に」
あいつは加奈子を抱いた。この日から加奈子は自分で作った水槽の中で孤独な魚と化した。

山口小夜著 「ワンダフル ワールド」
1982年、まだ美しかった横浜―風変わりなおんぼろ塾で、あたしたちは出会った。ロケット花火で不良どもに戦いを挑み、路地裏を全力疾走で駆け抜ける!それぞれが悩みや秘密を抱えながらも、あの頃、世界は輝いていた。大人へと押しあげられてしまったすべての人へ捧げる、あなたも知っている“あの頃”の物語。

作者のブログです・・・出版したあとも精力的に書き進めています・・・一度覗いてみてはと・・・。
恵 香乙さん

山口小夜子さん

環境問題・環境保護を考えよう~このサイトについて~
別の角度から環境問題を・・・。
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2年連続で楽天市場「ベスト店長賞」を受賞した著者が、確実に成果を出し、お金を稼ぐための文章術を教える。読ませる力が儲けを生む!

【問題】あなたがあるお店の店長だとして、次の文章をメッセージが確実にお客様に伝わるように書き直してください。

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答えは後ほど。これを「頭がいいなあ」という文章に変えられれば、お客様がより多く集められ、稼ぎを生み出せるのです。

本書で言う「頭がいい文章」とは、お金を生み出してくれる文章のことです。思わず買いたくなるコピー、読みたくなる企画書、返事をしたくなるメールをさりげなく書く技術を伝授します。

「お前、頭が悪いだろ」と職場の上司に罵倒されたところからはじまり、処世術として「頭をよく見せる文章術」を身につけ、いまや文章指導をも生業とする著者が、仕事で確実に結果を出す“稼ぐ書き方”を教えます。

冒頭の問題の解答例は『スタッフが笑顔でお待ちしております』です。短く、簡単に、分かりやすく、それが稼ぐ書き方への第一歩です!




【内容情報】(「BOOK」データベースより)

思わず買いたくなるコピー、読みたくなる企画書、返事をしたくなるメールがさりげなく書ける。

【目次】(「BOOK」データベースより)

第1章 「頭がいいと思わせる文章」が書ければ、どれだけ得か?/第2章 文章が上手い人なんて100人に1人ぐらい/第3章 頭が良くみえる文章テクニック/第4章 お客様がお金を出したがる文章には必ず法則がある/第5章 ブログやメールマガジンで賢そうな文章を書く方法/第6章 相手が気持ちよく働いてくれる「メール文章術」/第7章 社長や上司から絶対に好かれる「社内キラー文章術」/第8章 作文を書かせれば、頭が良いか悪いかすぐに分かる/第9章 3ヶ月で「頭がいいと思わせる文章」を書く!

【著者情報】(「BOOK」データベースより)

竹内謙礼(タケウチケンレイ)
中小企業の販促戦略、人材教育等を行なう経営コンサルタント。有限会社いろは代表取締役。大学卒業後、雑誌編集者を経て観光牧場「成田ゆめ牧場」の企画広報に携わり通信販売や実店舗の運営、企画立案等を行なう。楽天市場に出店したネットショップはオープン3年目で年商1億円を達成。2年連続で楽天市場のショップ・オブ・ザ・イヤー「ベスト店長賞」を受賞。またオークション&ショッピングサイト「ビッダーズ」において準グランプリを受賞。現在はセミナーや講演会、企業の人材教育の他、「タケウチ商売繁盛研究会」の主宰として多くの中小企業経営者に対してのキャッチコピーや広告等の戦略指導を積極的に行う。第41回『千葉文学賞』(千葉日報社主催)、第12回『香・大賞』(松栄堂主催)、『わが子に贈るお話』(婦人生活社主催)のエッセイや文学賞の入賞経験もある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

今日は暑くて暑くて何も出来ない・・・。

2007-05-26 16:07:17 | Yuuの日記


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昨日の雨が嘘のように真夏日が・・・暑い・・・何をするにも億劫だが・・・。
目が疲れるので目医者へ行って検査を・・・眼圧も良いようで・・・大切に使えと言うことか・・・。目がしょぼしょぼして自然に瞑ってしまうが・・・。
そんなわけで今日も「砂漠の燈台」は書けなかった・・・。ので、ただいま連載中の「天使の赤褌」を最初からアップをしますことお許しを・・・。

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    天使の赤褌
  1                   
 気だるい音楽が茶店の薄暗い照明の中に溶け込んでいた。テーブルの上にはハンドボールの球のような照明がシューガーの入った白磁の壺を冷たく照らしていた。グリンの硝子の灰皿には押し潰された煙草が数本うずくまっていた。そのどれにもピンクの口紅が吸い口に付着していた。髪を肩まで垂らした少女が、薬でも飲んだように全身を弛緩させて座っていた。真っ赤なワンピースの裾が彼女の組んだ足の分だけ開き、そこから赤いストッキングの太腿が妖しく見えていた。その足はまだ少女の幼さを残していた。が、顔の表情は巧みにその少女の面影を隠すように厚く化粧で覆われていた。爪にはピンクのマニキュアが丁寧に塗られていた。その手に科を作って、ときたまコーヒーカップを持ち口に運ぶ仕種は娼婦のように見え、左手の指に挟んだ煙草から立ち昇る煙にも、何処か崩れた雰囲気を醸し出していた。女はみんな娼婦だと言った言葉があったが・・・。
「どうです、あの娘に興味がありますか?」
 マスターが中年の男に声を掛けた。さっきから男はじっとその少女に視線を張り付けていたからだった。声を掛けられた男が黙ったままでいると、
「最近、あの手の女が増えましてね。最初は電話の前に座って黙ってコーヒーを飲んでいたんですが、お客さまの邪魔になるしあのボックスを貸したんですよ。本人は十八だと言っていますがね、まだ、十六で、高校を中退したらしいんですよ。今の学校はどうなっているんでしょうかね。最近は入ったけれどすぐに辞める子が多いんですってね。それはまあ色々有るらしいですけどね。私等には判りませんが。ああやって、一日中座っている時がありますよ。どう言えばいいんでしょうか、私など、中学を出てすぐにこの世界に足を入れて、殴られけとばされてコーヒーの淹れ方やら、挨拶の仕方やら、掃除のやり方やら、洗い方をとことん仕込まれましたが、今じゃ、そんなことを言うと、口うるさいってすぐに辞めていきますよ。それに、まあ、ボーイフレンドと言うのが五六人は詰め掛けてきて、結局、ボックスは占領されるし商売はあがったりです。そんな溜り場になっては、他のお客さんはもう寄り付きませんしね。だから、うちでは、家内と二人でやっているんですよ。その方が疲れません。大根足の女ですが、愛想は良いほうですから、なんとかかんとかやっていますよ」
 マスターは一頻り喋って、注文のコーヒーを馴れた手付きで淹れた。アベックの客が窓際のボックスに座っていた。
「まだ、あのように突っ張っている子の方がいいのかも知れませんよ。近ごろは楚楚した女の子ほど判りませんからね。この間も、『おじさん、遊ばない安くしとくわよ』と粉かけてきましたよ。見ると髪を三つ組に垂らした純情そうな感じの娘でしてね、多少その気にもなりましたが、私もこの道でおまんまを食っている男ですからね。一目見れば心の底まで見えますからね。そんなに金が欲しいんですかね。自分を汚すことなんか何とも思ってはいないんですかね。どんな家庭の子なんですかね。・・・あの娘はれっきとした家の子でしてね。あんな恰好はしていても純なものですよ。意外と堅いですよ。ああやって声の掛かるのを待っていますが、一度もついて行った事がありませんよ。私の知るかぎりは。ああやって、何かを待って言うのが、あの子の青春なのでしょうかね。何を待って言うでもなく待っている。今時、流行ませんがね。これはって、思うと猛然とアタックをしていますよ。それが今日的とでも言うんでしょうかね。この頃の女の子はなんせ積極的になりましたから」
 マスターの言葉は途絶え様になかった。時折視線をボックスの女の子にチラチラと投げていた。手はダスターでグラスを拭いていた。鼻の下に髭を蓄えていたが、それが半分白くなっていた。少し大きめの瞳は垂れていて穏やかな輝きがあった。唇は上下が厚く人の善さそうな感じがした。
 男は、この店の常連と言うほどではなかった。散歩に出てこの店の前を通り、コーヒーの香りに誘われて入ったのが一か月ほど前であった。それから、散歩に出るとここに寄っていた。コーヒーはこの辺りでは旨いほうであった。少し香ばしい匂いが口に残るのがここの特徴であることに気付いたのは二日目であった。入るといつもカウンターに向かった。そして、静かにコーヒーを楽しんだ。こうしてマスターに声を掛けられたのも今日が初めてであった。男は決まった職業を持ってはいなかった。と言うより、家で頼まれた原稿を書いたり、これも頼まれて講演に出掛けるくらいの仕事しかしていなかった。自由業と言うのが男の職目であった。

5-6回続きますが・・・これをアップしている間に「砂漠の燈台」執筆しますので・・・。

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【著者情報】(「BOOK」データベースより)

竹内謙礼(タケウチケンレイ)
中小企業の販促戦略、人材教育等を行なう経営コンサルタント。有限会社いろは代表取締役。大学卒業後、雑誌編集者を経て観光牧場「成田ゆめ牧場」の企画広報に携わり通信販売や実店舗の運営、企画立案等を行なう。楽天市場に出店したネットショップはオープン3年目で年商1億円を達成。2年連続で楽天市場のショップ・オブ・ザ・イヤー「ベスト店長賞」を受賞。またオークション&ショッピングサイト「ビッダーズ」において準グランプリを受賞。現在はセミナーや講演会、企業の人材教育の他、「タケウチ商売繁盛研究会」の主宰として多くの中小企業経営者に対してのキャッチコピーや広告等の戦略指導を積極的に行う。第41回『千葉文学賞』(千葉日報社主催)、第12回『香・大賞』(松栄堂主催)、『わが子に贈るお話』(婦人生活社主催)のエッセイや文学賞の入賞経験もある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

今日は一日中雨・・・。

2007-05-25 17:16:14 | Yuuの日記


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(大ホール用の舞台図です・・・。)

今日は一日中雨・・・。頭が重くて原稿が書けず・・・。
今日は「砂漠の燈台」は都合で書けませんでした・・・。今晩でも書くつもりですので・・・。
私の住む公害の町水島を恵 香乙さんが「戯れ」として書いてくれています良かったら恵さんの所へ・・・。
今日は演劇の舞台図と照明図、演出用の台本を載せてみました・・・。作家は3日で辞められるが演劇と代議士は3日やったら辞められなくなります・・・。特に役者は一度スポットライトを浴びると男女の歓喜よりいいらしい・・・。映画のロケも楽しいが・・・やはり演劇は煙草より酷い中毒になるようです・・・。舞台という魔物にとりつかれている役者、歌手、バンド、ダンス・・・恍惚の表情を見ればおわかりになることでしょうが・・・。

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(照明図です・・・。)
今はコンピューターで簡単に明かりを作りますが明かり一つで役者を殺すこともできます・・・照明係は殺人者です・・・。

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(演出用の台本です・・・もっと書き込みがはいりますが・・・舞台監督用は真っ黒になるくらい書き込みがありますが・・・。)
演出台本には1ページ1ページに、舞台図に音と明かり、台詞番号で舞台の役者の位置が書き込まれている・・・。台詞の直しなどき書き込めなくなるほど・・・。

皆様御元気で・・・ご自愛を・・・ありがとうございました・・・

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竹内謙礼(タケウチケンレイ)
中小企業の販促戦略、人材教育等を行なう経営コンサルタント。有限会社いろは代表取締役。大学卒業後、雑誌編集者を経て観光牧場「成田ゆめ牧場」の企画広報に携わり通信販売や実店舗の運営、企画立案等を行なう。楽天市場に出店したネットショップはオープン3年目で年商1億円を達成。2年連続で楽天市場のショップ・オブ・ザ・イヤー「ベスト店長賞」を受賞。またオークション&ショッピングサイト「ビッダーズ」において準グランプリを受賞。現在はセミナーや講演会、企業の人材教育の他、「タケウチ商売繁盛研究会」の主宰として多くの中小企業経営者に対してのキャッチコピーや広告等の戦略指導を積極的に行う。第41回『千葉文学賞』(千葉日報社主催)、第12回『香・大賞』(松栄堂主催)、『わが子に贈るお話』(婦人生活社主催)のエッセイや文学賞の入賞経験もある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

今日も暑くて暑くて・・・。

2007-05-24 16:10:56 | Yuuの日記


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今日も暑い日だ・・・。本当に水は大丈夫か・・・。
香川県は取水制限に入ったが・・・。こんなに早い制限は初めてらしいが・・・。香川県だけでなく今年は全国的に水飢饉になりそうである・・・。
今、倉敷では1立方150円くらいだがこれがだんだん高くなりそうだ・・・まあ2リットル88円で飲んでいるよりは遙かに安いが・・・口にする水は水道水でなくボトル水を買って飲んでいるのだが・・・。それにしても水道水より下水道の料金の方が高い・・・。川の水は綺麗になったが魚の姿が見られないのが・・・。まだ倉敷は下水率が60パーセントくらいで川に排水を垂れ流しているはずだが・・・。

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砂漠の燈台

 4

 鹿児島県と宮崎県の県境のその町は、自然がいっぱいと言うところでした。私は、父の失敗をむしろ喜んだものでした。だけど、あなたとの距離が出来たことがより辛い慕情を募らせたのです。
「きっと私は、もう一度岡山の地を踏む。その時の為に恥ずかしくない様に勉強をしておこう。良く頑張ったと思って貰えるように汚れのない精神で生きていこう。貧しくても心まで貧しくしないようにしょう。私はあの人の妻になるんだから」
 そう思って生きていく道程はそんなに落ち込みもしない、毎日でした。
 借屋の私の六畳の部屋から、高千穂連峰が朝靄の中にくっきりと見え、日本の創生期を頭の中に描くのが楽しみでもありました。あなたが歴史を得意とすると聞いて、私も一生懸命に好きになろうと頑張った甲斐があって、高千穂の伝説を思い出し描いたものでした。何もない所でしたが、寧ろその方が救われるのでした。のんびりとした高校生活を送ることが出来ました。貧しい本当に何もない生活でしたが、岡山の立派な家に漂っていた喧騒をな空気に比べ父も母も落ち着いた心の在り方を見せてくれましたから。
 一度だけ、あなたに良く似ていた同級生と鹿児島へ旅行に行ったことがありました。だけど、幾ら似ていると言ってもあなたではあり得ないわけですから、付き合えば付き合うほど心が空しくなり、あなたを恋しい気持ちが一層に募りました。
 私がどじで塾に行っていて自転車を盗まれたときも、古いものならあるからと言って届けてくれたのに、有難うも言えなかった私をさぞ礼儀知らずの可愛げのないやつだと思われたことでしょう。が嬉しくて嬉しくてあなたに会えたと言う嬉しさに心が傾き過ぎていて言葉が出ませんでした。あのころ、あなたのお嫁さんになろう、あなたにそっくりの子供を沢山産んで、公園や野山を笑いながら泣きながらはしゃぎながら走ったり転んだりしたらどれほど楽しいことだろうなんて、ベッドの中で考えていて一晩中寝付けなかったことが多かったのです。おませな私だったのでしょうか、それとも乙女の感傷だったのでしょうか?こちらに来ても良くそんな妄想に囚われては腫れぼったい目をして授業を受けては先生に叱られたものでした。だけどそれは楽しいのでした。夢が現実の物となって行くようで・・・。何もない長閑かな田舎であったからかも知れません。沢山の夢を私の胸に芽生えさせてくれたのですの。消息のないままの三年間、あなたに毎日毎日手紙を書いておりました。心の在り様を四季の移り変わりに託し、あなたに出した数えられないほどの便り届いたでしょうか。一つ気掛かりはあなたに素敵な恋人が出来ているのではないかと言う不安でした。でも、私には自信がありました。あなたを私に振り向かせる自信が。この汚れない心と身体でした。あなたを想う事にかけては誰にも負けないと言う自負心でした。あなたがどんな人に成長していて、誰にも負けない愛で包んであげられる大きな愛が私にはありましたもの。阿蘇の雄大さ、高千穂の霊幻さを兼ね併せて持っていましたの。
 高校を卒業して、岡山に就職をしようかと考えましたが、何だか怖く学校の進めで東京に職を求めました。妹がいることはあなたもご存じだったでしょう。学費を送ってやらなくてはならなかった関係で、少しでも条件の良いところを選んだのです。
 その年の夏、私はあなたの前に四年ぶりに表れたのです。何と言う蛮勇でしょう。あの時唯ただ会いたくていても足ってもいられなくて新幹線を岡山で降りたのでした。

皆様御元気で・・・ご自愛を・・・ありがとうございました・・・。

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勉強をさせていただいているブログ・・・。お世話になっています・・・。
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【著者情報】(「BOOK」データベースより)

竹内謙礼(タケウチケンレイ)
中小企業の販促戦略、人材教育等を行なう経営コンサルタント。有限会社いろは代表取締役。大学卒業後、雑誌編集者を経て観光牧場「成田ゆめ牧場」の企画広報に携わり通信販売や実店舗の運営、企画立案等を行なう。楽天市場に出店したネットショップはオープン3年目で年商1億円を達成。2年連続で楽天市場のショップ・オブ・ザ・イヤー「ベスト店長賞」を受賞。またオークション&ショッピングサイト「ビッダーズ」において準グランプリを受賞。現在はセミナーや講演会、企業の人材教育の他、「タケウチ商売繁盛研究会」の主宰として多くの中小企業経営者に対してのキャッチコピーや広告等の戦略指導を積極的に行う。第41回『千葉文学賞』(千葉日報社主催)、第12回『香・大賞』(松栄堂主催)、『わが子に贈るお話』(婦人生活社主催)のエッセイや文学賞の入賞経験もある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

今日は真夏日・・・どうなっているのか・・・。

2007-05-23 17:58:14 | Yuuの日記


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今日も朝方は涼しかったが昼から暑く・・・今からクーラーを欲しがる自分がいますが・・・。エコエコと・・・。
風邪をひきそうなのか喉の調子が・・・痰が絡むが・・・。
なるようにしかならない・・・が、流れに身を任すのでなく流れに流れてと考えているが・・・。
これから花と野菜達に水をやってと・・・。

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砂漠の燈台

 3

 いつかどこかで出逢うことで今までの生き方が変わってしまうと言う運命の糸が張りめぐらかされていることに、人生の不思議を感じました。あのとき・・・、屈辱と絶望の日々があったからこそ今があると考えますと・・・。愛する人の子供を産み育んではじける笑いの中の夕げが女にとって本当の幸せなのかも知れない、また、修めた才能で社会に貢献し多くの人から喜んで貰える充実感、次元の違いはありますが、このどちらが女と言う者にとって幸せなのか。考えを巡らすとき、個人と社会と言う枠を越え、個人の中の女としてのものと、社会の中の人間としての生き方の違いが幸せと言う概念をゆるがすのです。これで良かったのかしらとふと、今の私に問い掛けているのです。
 あのとき・・・あなたが・・・いいえ、良かったのです・・・。
 次の年の四月には、私は山藤会長の創設された大学の国際文化比較学部へ通うことになったのでした。
 中央線沿いの八王子に学舎はありました。キャンパスと言う方が今様の表現でしょうか。多摩御陵の近く、自然をそのまま残した中に時代の推移を感じさせる建物が調和のある一つの主張を試みているようでした。陽は木立ちをかいくぐりスポットライトのように落ち葉を重ねた大地を照らしておりました。地水は清水を湧かせ、幾つもの細流となり辺りの樹木を潤すという循環を経た後に小川に溶け込んで行くと言う風でした。    
「自然の中に学び、自然の中に戯れ、自然の中にありて存在せよ」と言うのが、山藤創設者の創立の意でした。
 だから、草木は生えほうだい、人の手など一切入っていない自然が取り巻いておりました。それはまた生物のなりわいを如実に著す場でもありました。自然と言うありようは自然の中にあって自然の美が生まれると言う、このことは自然を我がものにして弄んだ人間には分かっていない事でしょう。日陰の木々は育ちが悪く、だけどその木々は明かりが少なくても成長できると言う特質を持ち、陽を求めて伸びる枝葉は風に脆いと言う厳しさがあるようでした。
「草木もまた生物なり。人間くらいだ自然になんの恩返しもしていないのは」山藤会長の口癖です。
 あなたのお父様が常々人間の傲慢さを口にされていたことを思い出したものでした。
 国際社会において何が一番大切かと言うことを私は学んだのです。文化と言っても、それぞれの国には様々な習慣と生活の違いがあります。それは気候風土と大きく関係していて、何千年と言う年月がそれらを醸成して来たと言う事実を学ぶことによって理解しなくてはその国を語れないのだと言うことを知りました。人間としての理性と悟性は無論持って接していく姿勢が大切だと言うことも知りました。
 あなたと巡り合って、幼い頃思っていた夢が叶う嬉しさに酔っていたあの頃、五年後にこんな考えが出来る私になっていようとは思いもよらなかったことです。あの頃、右も左も分からぬ私が恋と言う夢の中で考えたユートピァは、あなたの我儘を私への愛だと錯覚することで成り立ったものでした。本当の愛と言うのは、お互いが尊敬すると言う心にならなくては生まれないって思えるようになりました。あなたとのことは、初恋だったのでしょうか?お互いが遍く言葉を機関銃のように撃ち合った関係は一体なんだったのでしょうか?
 十九の私が四年経って二十三の春無事に卒業することが出来ました。卒業の祝いにと渋谷にマンションを買って下さったのです。在学中に運転免許を取り、山藤会長の運転手兼秘書という生活が始まりました。山藤会長は幾つも会社を持っておられ一ケ月に一度は顔を出すと言う生活をしておられたのです。
「栞さん、あなたはこれから何になりたいと考えですか?」山藤会長が後部の座席で穏やかに言われました。
「わたしは・・・福祉の事が・・・」私はそのとき何を言ったか良く覚えていないのです。
「これから必要なことには違いないでしょう。だけど、人間と言うものは一人で生まれて一人で死んでいくものです。それが自然の淘汰の原則でしょう。老い然らばえて生きることの恥辱は自尊心を傷つけ、その傷が生きることの勇気を失なわさせるとしたら、果たして福祉の充実が年寄りにとって喜ばしいことなのだろうか?」山藤会長は言葉を膝に落とすように言われました。
「それは・・・」私はなにも答えることが出来ませんでした。
「あなたは若い、それは素晴らしい事ですょ。これからあなたの前にどのような世界が開けてくるか分からないのですから。あまり遠くを見てはいけません。なにもあなたのような若い人が年寄りのことを考えることはないのですょ。年寄りのことは年寄りに任せておけば良いのです。年寄りは若さがない替わりに生きて培った知恵があります。その知恵を働かさないようだったらどのような手を差し延べたとしても救いがありませんょ。それを人間の連帯的な責任と考える必要はないのです。年寄りの甘え、こうして欲しいああして欲しい、と言う我儘を聞いていたら何時まで経っても自分で老後を生きようとしなくなりますからね」
「それでは」山藤会長のように何不自由なく暮らせる人なら老後の生活設計は出来るでしょうが、そうでない人は一体どうしろと言うのだろうか?私は考えようとしました。
「年寄りにとって、名誉とか財産があっても屁のつっぱりにもならないって事は、若いあなたには分からないでしょう。それはないよりあった方が何かと便利なことは確かですょ。便利なと言うことで幸せを計ることは出来ませんょ。煩わしいだけと言うこともあります。便利さと煩わしさを差し引くとしたら・・・。私も一人の年寄りと何らの違いもなくなるのですょ」
 私が考えを言葉に置き換えて言おうとしたら、山藤会長は私の心を読まれてそう言われたのでした。私は何も言葉がなくただ頬を歪めて前方を眺めるだけでした。
 バックミラーに映る山藤会長の貌は、傾いた陽が上下を分かっていました。顎から喉仏にかけて弛んだ皺が私に何かを語っている様に思われました。
「私が考えといることは、この地球の全体のことなんですょ。緑で美しい惑星のユートピァがだんだん文明と言う、ただ人間を怠惰にするアメバーがはびこり、本能を退化させ精神を狂わせ、酔狂の中で自然との協調関係を無視しつつ生きている人間のことが心配なんですょ。もう遅いかも知れない、だけど手を拱いてみているほどの勇気は私にはありません。私は、私の財力で買えるだけの自然を買った。そして、許すかぎり許されるかぎりこれからも買い求めていく積もりです。これ以上、開発によって自然が壊されるのが我慢ならないのです。自然に人間が手を入れる傲岸は許されません。自然の止めどない恵みを懐に生きてきたのが人間です。そして、自然に感謝して生きたのが人間だったのです。祭り一つとっても、今の人間はその意味すら知らなくて神輿を担ぎ山車を牽いています。ただそれが毎年の恒例になっているからに過ぎません。神にしても仏にしても、参る拝むと言う行為は、純粋に感謝をすると言うものだったのです。感謝即ち誓願だったのですょ。だが、今は誓願のみの人間の催しになってしまっているのです。そんなものじゃあないんです、そんなつまらん人間ではなかったのです。嘗て、この地に足を踏み入れた人達には、太陽を、雨を、風を、樹木を、土地を敬うと言う習慣を持っていたのです。中国の朝鮮の文化をこの土地に蒔いたのです。仏教が入って来るまではこの国は神を祭っていましたが、伝来して神仏混合の信仰に変わってきました。仏教は元来死者に伴った仕来たりが多くあります。死を説きながら生きることの大切さを教えているのが仏陀の悟りです。それには、今世と来世を作ることで今生の生き方、心の有様を語ったのです。
 だが、今はそんな生き方死後の世界がどうであろうと関係ない人間が余りにも多過ぎます。神は最早や死んでいてなんの効力も発揮しません。傲慢な人間を戒める何物もいない状態なのです、これは本当に悲しまなければならない現象なんです。敬うべき何かが今の世に必要なんです。恐れるべき事実が必要なんです」
「それが、地球の汚染だと言われますのですか?」
「そうです。ここで初めて人間の真価が問われるのです。このまま突き進んで滅びるか、悔い改め自然を、その摂理を受け入れて共に共存していくか。便利さを取るか、不自由さを取るか・・・。あなたは何を青臭いことを考えているのかと言うかも知れませんがね、私のようにこうして年を取ると、どう成っても知るものかと言う心と、次の世代にこのままの地球を残す事への罪悪感が生まれ二つの心が争うのですょ。私は企業を大きくするために見えないところで考えに反することをしていたかも知れません。だから余計に心が痛むのかも知れません」
「会長は、この私に何をお望みなのですか?」
「土地を一人じめにするとか、住宅地の遊休地を開放しろとか、家を持たぬ人間達が騒いでいるようだが、それは資本主義に反することだ。欲しければ自分のものにすれば良い、買えば良いのだ。民主主義と言うのは平等を原則にはしていないのだ。何も土地付きの家に住むことが目的だけではあるまい。土地付きの家が本当に欲しいのなら、地方に引っ越し購えばいいのだ。何も人が保有する土地にけちを付けることはないのだ。東京には居たい、土地付きの家が欲しい、それはないものねだりの子供と同じだ。犠牲という我慢があってこそ欲しい物が手に入ると言うことを知らぬやからが、地球をこんなに汚れた星にしたのだ」山藤会長は顔を紅潮させて口早に言いました。それはまるで怒っているようでした。
 私は・・・あなたにはもうお気付きのことと思います。日本はおろか各国の自然を訪ねて、その自然を買い求める仕事に付いたのです。
 岡山から夜逃げ同様に父と母の故郷へ引っ越したのは、私が中学三年の二月でした。高校受験を控えて私の心は動揺しておりました。英語と数学は近くの塾へ通い少しは偏差値を上げておりましたが、希望高へは少したらないのが気になっているときでもありました。それよりも何よりも、あなたがいる岡山を離れることの淋しさは私の小さな胸をゆるがせるものでした。逢っても何も言えなかった幼い心の中にあなたの面影は大きく位置を占めていたのでした。それが本当に分かったのは、高校に入学してほっと一息ついたときでした。学生服の生徒を見ると、あなたも同じ格好をしているんだと言う思いで、ついつい見ていることにしばしば戸惑ったものでした。

皆様御元気で・・・ご自愛を・・・ありがとうございました・・・。

今日は文字数が多くてほんの紹介を省きます・・・どうぞ作者の所へ・・・。
作者のブログです・・・出版したあとも精力的に書き進めています・・・一度覗いてみてはと・・・。
恵 香乙さん

山口小夜子さん


今日は真夏だ・・・。

2007-05-22 15:04:27 | Yuuの日記


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今日も暑いまるで夏のようだ・・・。散歩に行くのも億劫だが・・・。庭の檸檬の花とアロエの花と南天の花・・・そのほかは名前の分からないを撮る・・・。
農家は苗代の準備で忙しそうだが・・・。果たして農業用水は大丈夫か・・・裏を流れる川の水は全然増えないが田地への水貼りは・・・。この様な天気が続くと花や野菜達への水やりは欠かせないが・・・。

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砂漠の燈台



 初めての年の冬、広い道路を街路樹の葉が風に巻かれて舞い上がる景色はなんだか心が冷え込むような思いがしたものでした。コンクリートジャングルのライトアップが黄泉の國へ誘う灯りのように見えたのもホームシック故だったのでしょうか。人の体臭になれ、混雑の息苦しさに馴染み、喧騒の巷を足早に行き来することの出来る私になったのが不思議なくらいです。すっかりこの街の人になったような顔をして暮らしています。
 ゴールデンウィークの一週間は・・・。いいえ、口に出すと愚痴になりますし、未練げで悲しくなりますからやめときます。そんな弱い私ではありませんことよ。五年の年月が、無口な少女のこころを美事と言えるほど変えてくれましたもの。都会の著しい変化がそこに住む人間の心まで変えてくれるのですわ。窓からの見慣れた風景が半年もしないうちにガラス張りのノッポビルによって様変わりをしてしまうのですから、こころをそこに置いてなんてとても出来ないことなのです。この町にはそんな感傷が入り混む余地など在りませんから。金属の摩擦のような心のふれあう音が、冷たい人間関係を想像させますが、歳月を経ますとその音が実は熱い心のふれあった後のものとして聞くことが出来るようになるのです。すれ違うだけで肌が暖かくなるようなそんな気がして来るのです。人間の心って本当に不思議だと思います。それが前進なのか後退なのかは良くまだ分かりませんが、だけど、今は分からないほうが良いと思うし分かったら何も出来ないような気がしますし・・・。
 新幹線の車窓の風景が連山の峰に白いものを被った風景に代わったとき、私に取っては運命的な事件が起きたのです。
「助けてください。誰か胸にぶらさがる・・・」その声は弱々しいなにかに縋りたいと言う響きがありました。周囲には沢山の乗客がいましたが帰郷の疲れか殆どの人がうたかたの夢の中のようでした。私も考え事をしていなかったら眠りの中に落ち込んでいたでしょうが、悔しさと情けなさが心を支配していましたから昂ぶる気持ちを、風景の流れを見ることで何とかぎりぎりのところでコントロールが出来ていましたからその言葉の意味は理解できたのです。
「ロケットの薬を出して飲ませてと言うことですね」
「・・・」御老人は苦しみの中で訴えていたのです。
 私は御老人の首からぶらさがるロケットを素早くちぎり薬錠を胸を押さえて耐えている御老人の舌下に入れました。
 事実は本当に小説よりお面白いものです。奇なものです。
 その年の十二月の末に会社を辞めました。あなたと私のことは・・・。結婚して岡山にと言う風にこれは公然の事実のようになっておりましたから。もう抜き差し出来ない状態だったのですもの。そこにいますと色々と思い出しますから。惨めになりたく在りませんでしたから。可哀相にと言う視線に晒されたくありませんでしたから。
「困ったことがあったら何時でも相談に来てください」御老人の言葉に甘えて訪ねたのです。
 そこは、東京の旧都心と言った感じで、坂道があり両側に石垣で土止めをした上に古い洋館建てが並んだ所でした。庭の植え込みは樹令を経ていて、蒼空を突いておりました。上野近辺しか知らない私はこんなところが残っているのかと不思議に思ったものでした。まるで映画のワンシーンを見ているようで目を見張りました。
「どうです、ここにいて少しのんびりしませんか?疲れ過ぎては何も出来ません。あなたが望むのなら大学へ行けば良い。二十だったらもう遅いと言う歳ではありますまい。・・・なあに心配することはありません。これはビジネスですから。卒業したら私の秘書になってくれれば良いのです。それがビジネスです」
 御老人は、私の告白を総て聞いて下さりそう言ったのでした。和服がとても似合っておりました。新幹線の中で見た時よりなんだか小さく感じられたのは気の精であったのでしょうか?
「少しお痩せになりましたか?」
「医者と言う奴はお節介なものでな、私のただ一つの楽しみまで、禁止しょった。自然淘汰という原則が人間には通用しないらしい。今、私に死なれたら何万人と言う社員とその家族が路頭に迷うことになるらしい。この身体は私のものであって私のものではないって事になるらしい」
 御老人の名前は山藤公一郎と言うのですけれど御存知でしょうか?

皆様御元気で・・・ご自愛を・・・ありがとうございました・・・。

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恵 香乙著 「奏でる時に」
あいつは加奈子を抱いた。この日から加奈子は自分で作った水槽の中で孤独な魚と化した。

山口小夜著 「ワンダフル ワールド」
1982年、まだ美しかった横浜―風変わりなおんぼろ塾で、あたしたちは出会った。ロケット花火で不良どもに戦いを挑み、路地裏を全力疾走で駆け抜ける!それぞれが悩みや秘密を抱えながらも、あの頃、世界は輝いていた。大人へと押しあげられてしまったすべての人へ捧げる、あなたも知っている“あの頃”の物語。

作者のブログです・・・出版したあとも精力的に書き進めています・・・一度覗いてみてはと・・・。
恵 香乙さん

山口小夜子さん

環境問題・環境保護を考えよう~このサイトについて~
別の角度から環境問題を・・・。

今日は暑い・・・夏日か・・・。

2007-05-21 16:47:05 | Yuuの日記


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長らくほって置いた「砂漠の燈台」を書くことにしました・・・。今まで書いたものをここにアップして続きを書き始めます・・・。3回4回くらい読まれた方はご辛抱を・・・。

砂漠の燈台

                          
              1

 あの日から、そう、あの時から変わったのです。帰りの新幹線の中でスクリーンのように窓に映し出される風景の流れをじっと眺めながら、

「人生、こうでなくては面白くないではないか?」と思ったの。では、面白いって事はどうなのかって問われれば、あのときは応えられなかったでしょうが、今でははっきりとこうなんだって言えるのです。そんなに歳月が通り過ぎたって事はないのに。女って強いって思う。そして、また哀しいって思うのです。

 もう五年、私も二十四になりました。あなたのことは、綺麗に心のフイルターで濾過されて美しい思い出となって私の記憶の中に棲んでいるのです。躓いたとき、落ち込んだ時、その記憶は蘇り私を叱り励ましてくれました。

「人生、こうでなくては面白くないではないか?」って。

 こうして、五年振りに手紙を出しているのは、あなたのお父様にお会いしたからなのです。たぶん、お父様はあなたに私と会ったと言う事はおっしゃられていないことでしょう。

 私が新宿から地下鉄銀座線に乗って有楽町へ上がって行きますとお父様が有楽町マリオンの方からこちらへゆったりとした足取りで来られている時でした。数寄屋橋公園では相も変わらず婦人会とかライオンズクラブの人達が華やかなユニホームに身を包み、ボランティアのチャリティ募金を誘っておりました。その声は人混みの衣服に吸収され、また、ビルとビルの合間を驅け抜ける風に流されていました。お父様は無碍に通り過ぎることのお出来になる方ではございません。何がしかの寄付をしたのでしょう、赤い風船を空に泳がせながらはにかんでいたのです。私はハッとしてそこに立ち竦んでしまいました。そして、存在を隠すようにうつ向いたのでした。「栞さん!しおりさんでしょう」

 少しかすれた声が頭の上から降ってきました。そのとき、初めて気づいたのですけれど、あなたの声ではないかと耳を疑うほどでした。それ程良く似ていました。いいえ、そっくりだったと言うほうが素直な表現でしょう。五年前よりは細くなっていらっして、グレーのスーツがとても似合っていて、自然に任せたヘアーにはすっかり白い物が多くなっていらっして、瞳からこぼれる光は柔らかい和やかな物でした。
「はい」私は見上げてすぐ視線を足元のタイルに戻して頷いたのでした。
「何か私に言う言葉はありませんか?」少し湿った言葉がヒールの先で砕けました。
「いいえ、何もありませんわ」
「そうですか、言って頂いたほうが・・・楽に・・・。わがままでしたね、それは。お元気そうで・・・垢抜けしていて・・・確り大地を・・・」申し訳なさそうにおっしゃって、それから呟いたのでした。
「はい、おじ様にはこう言うと生意気だ、知った被りをしてと叱られるかも知れませんが、素直に「はい」と言えるのです」
 恨み事の一つも言って上げたほうがお父様は気が楽になるのだってことはわかっていたのですけれど、先程も申しましたようにあなたとの事は濾過されていて純粋な物へと昇華していましたから、汚したくなかったから、恨みつらみは言うと心を汚すことになりますからね。
「有難う。すっかりレディになられているのですね。私は、今日こちらで友人の出版記念パーティがあるのに招待されましてね、時間があればいいのですが。あなたの貌を、溌剌とした姿を見ることが出来ただけで今までの心の塊が溶けていくようです。ここにチェツクインしておりますが、果たして帰れるかどうか・・・」
 連絡先を書いた紙を差し出されたのですが、すぐに何を思ったか引っ込められて、
「そうです、そうです。私としたことが何を・・・何を血迷っているのでしょう。溢れてくる思いに負けて・・・そっとあなたが通り過ぎるのを見送っていれば良いものを・・・あなたの周囲に暖かい風が漂っているのが分かっていながら・・・」
「いいえ、私はこうして逢えて、栞は元気に生きていると分かっていただければ」
「一期一会、お互いに元気ならまたどこかの街角で・・・」
「ええ」
 やはりあの時、あなたのことが心の何処かにまだあったのでしょうか、あなたの事を切り出されたらどうしょうかと躊躇する心がありました。お父様はその事には一切触れられず、まるで御自分の心を責めているようでした。右肩がお歳のせいか落ちているようでした。私はその後ろ姿が消えるまで見送ったのです。
 ここから、代々木公園の緑がとても綺麗に見えます。この街に緑が目立ち始めたのは・・・。

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皆様御元気で・・・ご自愛を・・・ありがとうございました・・・。

恵 香乙著 「奏でる時に」
あいつは加奈子を抱いた。この日から加奈子は自分で作った水槽の中で孤独な魚と化した。

山口小夜著 「ワンダフル ワールド」
1982年、まだ美しかった横浜―風変わりなおんぼろ塾で、あたしたちは出会った。ロケット花火で不良どもに戦いを挑み、路地裏を全力疾走で駆け抜ける!それぞれが悩みや秘密を抱えながらも、あの頃、世界は輝いていた。大人へと押しあげられてしまったすべての人へ捧げる、あなたも知っている“あの頃”の物語。

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今日は晴れたり雨が降ったり・・・。

2007-05-19 17:06:53 | Yuuの日記


今日はのんびりとさせ頂きます・・・。
ご自愛を・・・。
「太鼓橋」を読んで下さいました方からの感想を頂きましたが・・・ありがとうございました・・・。
 昨年は1000枚近い作品を書きましたので今年は短編でと・・・。短いものを沢山書いてみたいと考えておりますが・・・。
 舞台の上演は2時間から3時間が殆どなのでお客さんにおしりが痛くなると叱られることがお多くて・・・。放映するテレビ局も大変であったらしい・・・。
 さて来年は3時間の公演をと・・・。
 今生活サイクルが狂っていて・・・昼寝が必要な生活を・・・。

 皆様御元気で・・・ありがとうございました・・・。

恵 香乙著 「奏でる時に」
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山口小夜著 「ワンダフル ワールド」
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今日は雨のち曇りの日・・・。

2007-05-18 16:34:29 | Yuuの日記


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今日は朝雨が降りその後は曇り空・・・。

今日も鬱陶しい・・・車は中国からの粉塵らしきものがびっしりと・・・。これからは中国の公害をまともに受けるのか・・・。
海水がCO2を吸収して温暖化をゆるめてくれていると言うが・・・。
環境問題・環境保護を考えよう~このサイトについて~で今勉強中・・・。環境問題を真摯と考えておられる人達が沢山おられることに勇気を貰っているが・・・。
ちぎれ雲さんのブログに大変関心を持って読ませていただいています・・・。
今回で「太鼓橋」は一応終わりとしますが、次作が決まるまで毎日の更新は出来なくなると思います・・・出来る限り更新しますが・・・。

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倉子城物語 太鼓橋
 8

「嘉平さんは器用なお人だったね」
 お鹿は嘉平が倉敷でいろいろな仕事をしながら床屋を開いたことを言った。
「知らぬ土地に来て西も東もわかりゃあしない・・・川人足から船頭、魚屋、大工となんでもやったよ」
「そんなお人が床屋をね・・・」
「おたねが大店で下働きをしていたときに習っていたらしい・・・」
「おたねさんがね・・・それは・・・」
「疑っているのかい」
「うちが本町の空き家の世話をして・・・」
「店を持ったのは十五年前・・・」
「真面目に働いて繁盛し村人からも信用され・・・今じゃ町火消しの頭領までに出世した・・・」
「みんなお鹿さんのおかげだよ」
「嘉平さんの人柄だわよ・・・似合いの仲の良い夫婦床屋と・・・」
「これから時代も変わるよ・・・江戸幕府は屋台骨がぐらぐらし始めている・・・薩長が勢いを付けてきて・・・」
「また戦いかい」
「代官も高杉晋作が作った芸周口の岩城山の南奇兵隊への見回りに出かける日が多くなっているよ」
「そう言うと嘉平さんも時々倉敷を留守にするらしいね・・・」
「何が言いてんでえ」
「止めとくよ・・・野暮なこった」
「あっしゃ、ただの床屋の嘉平・・・」
「おたねさんをそのままにしていてはいけないよ・・・なにもかも水に流して本当の夫婦になって子供を作りここに根を張らなくては・・・」
「お鹿さんにはかなわねえよ・・・雨が上がった様だ・・・そろそろ、邪魔をしたな」

 その頃おたねは汐入川にかかる太鼓橋の上から川面に映る姿を眺めていた。
おたねは一度嘉平にどうして抱いてくれないのかと聞いたことがあった。
「人殺しの子を産ます訳にはいかないよ」
「だってそれは私を助けるために・・・」
「どんな訳があろうと人を殺めちゃいけねえものさ・・・それに、いいやこれだけは幾らおたねにも言えねえことだ」
 嘉平は苦しそうに言った。
 それからおたねは世間には夫婦を装い親娘、兄妹の様な暮らしを続けてきたのだった。

 太鼓橋で川面に映る姿を眺めている所へ嘉平が帰ってきた。
「濡れなかった」
 おたねは聞いた。
「おたね、今まで悪かった・・・なにもかも捨てて・・・その上に心に有る秘密も捨てて今日から本当の夫婦になろう」
 嘉平は少しくぐもった声で言った。

 嘉平にどのような秘密があるのかそんなことはどうでもいいおたねは体を熱くしていた。

 嘉平とおたねがその後どうなったか・・・。

 今倉敷川沿いにある大原美術館の側にある太鼓橋は男女の出会い橋としてこの町では言い伝えられている。倉敷川には二羽の白鳥が仲良く泳いでいる姿が見られる。

読んでいただきありがとうございました・・・2007/5/18 草稿脱稿 

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皆様御元気で・・・ご自愛を・・・ありがとうございました・・・。

恵 香乙著 「奏でる時に」
あいつは加奈子を抱いた。この日から加奈子は自分で作った水槽の中で孤独な魚と化した。

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今日は雨と風が強かったが・・・。

2007-05-17 16:15:33 | Yuuの日記


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今日は激しい雨と風に・・・今は晴れているが・・・。風のために瀬戸大橋は閉鎖されたが・・・。
昨日と今日雨が降ったので野菜達に水をやらなくていいが・・・。
最近近所にスパーがオープン・・・。買い物は楽になり価格競争で安く買えるが・・・。かつて栄えた水島の町は人通りも消え閑散として・・・シャッターを閉めている店が多くなっているが・・・。商店街はきえつつある・・・。


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倉子城物語 太鼓橋

  
「名前はなんという」
 嘉平はぶるぶると震えている娘に問うた。
「うちは・・・おたね」
 おたねはちいさく言って嘉平をじっと見詰めた。
 天誅組は押し込み全員を殺し金品をせしめ、見られおたねに逃げられそれを追って出た男が殺されていたとなると疑われるのはおたねだと嘉平は言った。顔を見られているとなると捜すだろうと思った。
「付いてくるかい」
「はい」
 嘉平とおたねは短いやり取りをして歩き始めた。
 嘉平は店に連れて行って家のまかないを任せることにした。
 おたねは少しずつ落ち着いて行った。
 嘉平は相変わらず表具師として商いをしていた。が、何者かに狙われている様に感じていた。
 ある夜、嘉平は二人組の浪人に襲われた。
「捜したぜ」
 浪人の一人が静かに言った。
「なんのことかわかりませんが・・・」
「娘を囲っているだろう」
「あんた達かい、天誅組を名乗り押し込み強盗をしているのは・・・」
「おまえは町人ではないな」
「町人でなかったらどうしなさる」
「斬る」
 言うか早いか二人の浪人は太刀を抜き上段に構えた。
「おっかねえ・・・」
「儂らはある筋の者の命を受けて動いている・・・世直しの為の正義のためだ」
「そんな正義があってたまるか・・・罪のねえ人間を虫けらのように殺して・・・」
「喧しい」
 二人は一斉に太刀を振り下ろした。嘉平は体をかわし一人の浪人の背に回って匕首でのど元を刺していた。
「やるな」
 もう一人の浪人は少し怖じけたが声高に言って太刀を横に払った。嘉平の体は空を飛んでいた。浪人は崩れ落ちていた。
 嘉平は何事も無かったように古着を包んだ風呂敷を背に負い歩きだしていた。
 ここにいてはおたねに被害が・・・嘉平は思った。
「こうなりゃなにもかも捨てて江戸を立たなくてはならねえ」と嘉平はつぶやいた。
「江戸にいては命がなくなる」
「うちの為に・・・」
「そうじゃねえよ・・・今日は野暮用があるからちょつと出てくるが早く休みな」
 嘉平はそう言って出て行って帰ってこなかった。
 店を職人に任せておたねと旅に出たのはそれからそんなに日が経っていなかった。
 東海道を下り山陽道を下って天領倉敷に着いたのは梅雨にはいた頃だった。
 この地方独特の夜になると風がぱぁたっとやんで蒸し暑くなる「夕凪」には嘉平もおたねも閉口するのだが・・・。


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皆様御元気で・・・ご自愛を・・・ありがとうございました・・・。

恵 香乙著 「奏でる時に」
あいつは加奈子を抱いた。この日から加奈子は自分で作った水槽の中で孤独な魚と化した。

山口小夜著 「ワンダフル ワールド」
1982年、まだ美しかった横浜―風変わりなおんぼろ塾で、あたしたちは出会った。ロケット花火で不良どもに戦いを挑み、路地裏を全力疾走で駆け抜ける!それぞれが悩みや秘密を抱えながらも、あの頃、世界は輝いていた。大人へと押しあげられてしまったすべての人へ捧げる、あなたも知っている“あの頃”の物語。

作者のブログです・・・出版したあとも精力的に書き進めています・・・一度覗いてみてはと・・・。
恵 香乙さん

山口小夜子さん