yuuの夢物語

夢の数々をここに語り綴りたい

暑中お見舞い申し上げます

2007-07-25 19:11:01 | Yuuの日記

暑中お見舞い申し上げます。
倉敷は昨日33度、今日は34.2度・・・暑くなりました・・・。皆様のお住まいのところはどうでしょう・・・。北欧では40度を超えているそうです・・・。
今年は平年並み・・・さて気象庁の予報は当たるのか・・・。
皆様暑い日はなるべく涼しいところで・・・塩分と水分の補給を怠りなく・・・。熱中症には気を付けてください・・・。皆様お元気で・・・。
Yuuは夏なのに冬眠中です・・・。

皆様御元気で・・・ご自愛を・・・ありがとうございました・・・。

恵 香乙著 「奏でる時に」
あいつは加奈子を抱いた。この日から加奈子は自分で作った水槽の中で孤独な魚と化した。

山口小夜著 「ワンダフル ワールド」文庫本化決定します・・・。
1982年、まだ美しかった横浜―風変わりなおんぼろ塾で、あたしたちは出会った。ロケット花火で不良どもに戦いを挑み、路地裏を全力疾走で駆け抜ける!それぞれが悩みや秘密を抱えながらも、あの頃、世界は輝いていた。大人へと押しあげられてしまったすべての人へ捧げる、あなたも知っている“あの頃”の物語。

山口小夜著「青木学院物語」「ワンダフル ワールド」の文庫本・・・。

作者のブログです・・・出版したあとも精力的に書き進めています・・・一度覗いてみてはと・・・。
恵 香乙さん

山口小夜子さん

環境問題・環境保護を考えよう~このサイトについて~
別の角度から環境問題を・・・。
らくちんランプ
K.t1579の雑記帳さん
ちぎれ雲さん

夏休みを・・・。

2007-07-19 18:23:46 | Yuuの日記

今日は小中高では終業式が行われました・・・。夏休みです・・・。
私も子供達と同じように夏期休みを頂きます・・・。
宿題を沢山抱えておりますのでのんびりと出来るかどうか・・・。
目の調子、少し風邪気味・・・早く治さなくては・・・。
皆様クーラー病にはくれぐれもご注意を・・・。


皆様御元気で・・・ご自愛を・・・ありがとうございました・・・。

恵 香乙著 「奏でる時に」
あいつは加奈子を抱いた。この日から加奈子は自分で作った水槽の中で孤独な魚と化した。

山口小夜著 「ワンダフル ワールド」文庫本化決定します・・・。
1982年、まだ美しかった横浜―風変わりなおんぼろ塾で、あたしたちは出会った。ロケット花火で不良どもに戦いを挑み、路地裏を全力疾走で駆け抜ける!それぞれが悩みや秘密を抱えながらも、あの頃、世界は輝いていた。大人へと押しあげられてしまったすべての人へ捧げる、あなたも知っている“あの頃”の物語。

山口小夜著「青木学院物語」「ワンダフル ワールド」の文庫本・・・。

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医者の梯子・・・。

2007-07-18 20:59:20 | Yuuの日記

今日は耳鼻科と眼科と内科へ・・・鼻と喉の洗浄・・・。アレルギー性の眼病、目頭がちくちく痛む・・・。風邪の引き初めで血液検査と大きな注射・・・。疲れていると言うことか・・・。13キロ痩せたのに暑さはやはり体力を奪うか・・・。体力維持のために外食が最近増えているが・・・・。やはり若くないと言うことか・・・。
皆様も暑さに負けずに・・・御元気で・・・。
夏休みにはのんびりとさせていただきます・・・。


皆様御元気で・・・ご自愛を・・・ありがとうございました・・・。

恵 香乙著 「奏でる時に」
あいつは加奈子を抱いた。この日から加奈子は自分で作った水槽の中で孤独な魚と化した。

山口小夜著 「ワンダフル ワールド」文庫本化決定します・・・。
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山口小夜著「青木学院物語」「ワンダフル ワールド」の文庫本・・・。

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このブログを初めて2年は過ぎたが・・・。

2007-07-17 15:57:51 | Yuuの日記

今日、このブログの誕生日である・・・。思えば2年前このgooのブログを開設した・・・。
ヤフーのHPはパソコンを初めて数ヶ月で何もわからず手探りで誰に教わることもなく始めたのだが・・・。まだパソコンを初めて3年くらいしか経っていない・・・。みな独学で始めた・・・。今ではヤフーのHPを3つ開設しているが・・・HPとブログのおもしろさと便利さは違う・・・。ブログは直接画像も文章も貼り付けられないのが欠点か・・・。だが、遙かに訪問者の数は違う・・・。
このブログで沢山の優秀な書き手に出会う事が出来たことが何よりの財産か・・・。本当に良い勉強をさせて貰っている事に感謝しているが・・・。皆様との心優しい出会いを大切にしてこれからも続けていこうと・・・夏休み期間中のため時々の更新になりますがよろしくお付き合いくださいますようお願いいたします・・・。
これから暑くなります・・・お体には充分にお気を付けられますように・・・。



皆様御元気で・・・ご自愛を・・・ありがとうございました・・・。

恵 香乙著 「奏でる時に」
あいつは加奈子を抱いた。この日から加奈子は自分で作った水槽の中で孤独な魚と化した。

山口小夜著 「ワンダフル ワールド」文庫本化決定します・・・。
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雨の音に心洗われて・・・。

2007-07-16 17:15:48 | Yuuの日記

明日がこのブログの2歳の誕生日・・・もう2年になっています・・・。
パソコンでメジャーリーグのヤンキース戦を見ていて朝の6時になっていました・・・。
朝焼けの空は晴れていて綺麗だったのに、3時に起きたら雨が降っていた・・・。なんだか寝苦しい日だった・・・。気温は涼しく丁度過ごしいいので助かるが・・・。
テレビでは中越地震の報道が・・・なんと・・・絶句・・・。台風の次は地震か・・・。まるで今の日本のどうにもならない現状の象徴のように・・・。
ちぎれ雲さん
のブログにショック・・・この國の未来が見えるようで・・・。

皆様御元気で・・・ご自愛を・・・ありがとうございました・・・。

恵 香乙著 「奏でる時に」
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ちぎれ雲さん

後に残ったものは・・・。

2007-07-15 17:43:39 | Yuuの日記

台風一過・・・今日は穏やかな日だが・・・。朝の2時頃が最高に風が襲ってきた・・・丁度暴風圏に入っていた頃だったが・・・。雨はあまり降らずに・・・。県北は激しい雨に襲われたらしいが・・・。
いろいろ様々な被害を残して台風は去ったが・・・。
これも地球温暖化の一つか・・・。
せめて水害があったとしても渇水からは開放されたようだが・・・。
四国の早明浦ダムは100パーセントの貯水率になって節水を解除した・・・。東京もこれで水は安心か・・・。この台風では風と雨の・・・豪雨の台風であったが・・・。
豪雨と渇水・・・これからも地球温暖化の産物として繰り返されそうである・・・。
この7月18日でブログを開始して2年になるが・・・。夏と正月休みを貰ったが後は毎日更新してきたが・・・。小説も原稿用紙になおして2000枚は書いたか・・・。昔と比べれば少ないが・・・。その間公演台本を何作か・・・。健康であったことが何よりありがたかったが・・・。
皆様御元気で・・・ご自愛を・・・ありがとうございました・・・。

山口小夜著「青木学院物語」

風が汚れた日本の空気を吹き飛ばせ・・・。

2007-07-14 14:06:11 | Yuuの日記

風がだんだん強くなり出しました・・・。台風は鹿児島に上陸か・・・。倉敷は明日の未明が一番接近すると言うが・・・。
強風圏に入ったのか桃の実が風によって落ちています・・・トマトの木がしなって倒れそう、キュウリの木は弱いので・・・。
雲は空を走っています・・・。
さてどうなることか・・・。
赤道付近の海水が高くなって・・・台風の発生は頻繁になる・・・これも地球温暖化の影響なのです・・・。人工的に造った今の地球環境、これから地球の復讐が自然淘汰という現象で始まるのか・・・。
口先ばかりの応援演説を聴くより風の音の方が心和むか・・・

台風襲来か・・・。

2007-07-13 18:47:59 | Yuuの日記

連休は台風か・・・。

 進路に当たっている皆様、どうぞ充分気をつけてください・・・。
 地球温暖化の影響がそろそろ出てきたと言うところか・・・。台風発生の地域の海水の温度が高くなっていて、どうも今年は台風の発生が多いようであるが・・・。九州の各地は豪雨で川が氾濫、浸水して非難しているが・・・これからが本番・・・被害が少ないことを願うが・・・。

 今日耳鼻科の帰りに買い物に行ったが、買い物袋を持っていたのは私一人・・・。
まだまだ一人一人のエコの意識はないらしい・・・。今年は桃の木の根元に生ゴミを埋めているので桃のみが沢山出来ていて間引かなかったので小振りだが・・・。毎日落ちて車にひかれて潰されているが・・・潰されていないものを集めて川をむいでジャムにする・・・熟れるとカラスと雀がついばんでくれるので早めに取るのだが・・・。袋もかけずに自由にカラスと雀が食べられるように・・・これも生態系のバランスか・・・。
 ミニトマトが鈴なりにトマトも沢山実を付けている・・・キュウリは毎日1,2本のペースでなってくれていつも新鮮なものが食べられる事に感謝を・・・。だが、台風がどのようになるかで今後の収穫に影響が・・・。

皆様御元気で・・・ご自愛を・・・ありがとうございました・・・。

始まったが・・・。

2007-07-12 18:36:15 | Yuuの日記
夏休みをいただいていますが・・・。

 今日から参議院選が始まったが・・・。
 年金の問題がこの選挙の争点になるのか・・・国民年金を60歳まで納めても満額年金が月額66000円・・・これで人は生きていけるのか・・・共済、厚生年金を貰えない国民は忘れてはいけない、基礎年金は66000であることを・・・それに引き替え民主が言う厚生年金は220000円とするという・・・その税源はどこから・・・この格差も是正出来なくてなにをか況やである・・・。その年金それすら記入漏れで貰えないとは・・・。歴代の総理、厚生大臣、厚生事務官、社保庁長官、社保庁の役人らの怠慢であるのだ・・・。何も安倍に総ての責任があるわけではないのだが・・・。
歴代の厚生大臣の怠慢は許されないが・・・責任を取ろうとせずのうのうと菅とか小泉は責任も取らず恥を感じずもの申しているのだが・・・。本当は歴代の大臣、事務官、長官の怠慢に対して責任を取らすべきなのだ・・・。今の大臣が責任を取らされたら堪ったものではないのだが・・・。それに社保庁の後ろにいる労組・・・この人達のは民主の支持母体なのである・・・仕事をするなと言う様な労組の要求をのんだのも民主の圧力か・・・。年金の問題は政治家全員の緊張感のなさ、国民の事を考えずに自分の懐を肥やそうとしたゆえの出来事なのであることを忘れないで欲しい・・・。
 年金もれもさることながら、未納年金を政治家が口利きをして払ったことにしている問題は隠されたままであるが・・・これは大変多いいと聞くが・・・。
 政治家の倫理観のなさにはあきれるものである・・・そんな人の選挙にどうしてとも思うが
、国民の義務として選挙には行くが・・・。あほらしいことであるが・・・。
 自民も民主も公明も共産も社民も当てにはならない・・・この國は5流の政治家による5流の國になってしまったのか・・・。
 それを牽制出来ないマスコミもなんとだらしないことか・・・。
 150万人の兆億万長者がいる日本はアメリカに次ぐ第2位だと言うが・・・それに引き替え一銭も貯金のない人は200万人・・・ここまで格差が広がれば・・・。真面目に働くのもあほらしくなるが・・・。
 格差是正も、年金の一本化も出来ない政治家に何が言えると言うのか・・・。
 増税で弱い者いじめとしている政府、上手に生活保護を貰っているやくざ、天下りの梯子をしている官僚達の問題が争点になり・・・。
 そして、これから襲うであろう地球温暖化防止の対策を・・・自然は泣いてているのだが・・・。
 そんなこともわからない人に議員になって欲しくないものだが・・・。
 無論、数あわせのタレント候補に何も出来ない事は確かだが・・・。
 28日まで腹を立てながら見守ることにしょうか・・・

遠いいこえ 14

2007-07-10 13:40:32 | 創作の小部屋
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遠いいこえ
14
 逢沢は育子の義母と同化した義憤が創作への原動力に変わっていくのを羨ましく思えた。そこには、作者の必然が波打っていたからだった。
「いい作品にきっとなるよ。期待している。私のことなど忘れて戦時下へタイムスリップして子供達の瞳の輝きを書き上げてほしいんだ」
「今、各国で沢山の子供達が食料危機や自然の淘汰の前で、また戦争で尊い命を落としているわ。どうしてその子等の命を救えないの、助け合おうとしないの。日本が敗戦して母さんと母親が何を一番にしたかは、進駐軍に子供達への学校給食に力を貸してほしいという嘆願だったと聞いたわ。その貧困を経験している日本がどうして一番になって手貸し手を差し伸べようとしないの」
 育子は腹立たしく言葉をそこら中に播き散らした。
「その通りじゃ。子供らは飢えに苦しみ、目だけをギョロギョロとさせ、痩せこけて、腹の辺りだけが異様に脹くらんどったものじゃ。それらを知っとるこの国の国民がせんで誰が出来るというのじゃ。今のこの国にはそれが出来る。嘗てアメリカ軍が施してくれた脱脂乳とコッペパン、それでどれだけの子供達が飢えから救われたか愚かなこの国の国民は忘れたのじゃろうか・・・」
 房江の声が障子の外でした。
「かあさん、何時からそこえ・・・」
 育子は声を弾ませて言った。
「雄吉さん、育子さん、私はボケようとしたがボケられなんだ。ボケられたらなんぼか楽じゃろうと考えたんじゃが・・・・。そんなことで私がして来たことが心の中から消えるものではないって事がわかったから・・・。育子さん、明日から忙しくなるぞ、私の腹にあることをこの手で掴み出してぶち播けるからな。耳も目も使い過ぎて多少くたびれとるが、頭ははっきりしとる。『あの瞳の輝き永遠に』とか言う物語を、この私の生きてきた道、よたよたしながら転んだり躓いたりして通った道を、育子さんと遡ろうかね」
「ええ、母さん。本当の生きた言葉で綴りたいわ」
「義母さん、どうぞ入ってください」
 逢沢の周囲に立ち籠めていた空気が何だか暖かくなったように思えた。その一方で、房江の抑制が外れたのだろうか、これからが本当の意味でのボケの始まりになるのだろうか、ふと逢沢の心の隅に生まれた不安は否めなかった。それをそーと隠すように頬を少し緩めた。


愛読下さいましてありがとうございました・・・この作品は「となり」の続編です・・・。
フリーページにありますから合わせて読んでいただけたらと・・・。
今日から夏休みを頂きます・・・。なにかあったら更新します・・・。
その間に書かなくてはならないものを書き進める予定・・・。
暑さに負けずに健やかにお過ごし下さい・・・ご自愛を・・・ありがとうございました・・・。

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皆様御元気で・・・ご自愛を・・・ありがとうございました・・・。

恵 香乙著 「奏でる時に」
あいつは加奈子を抱いた。この日から加奈子は自分で作った水槽の中で孤独な魚と化した。

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遠いいこえ 13

2007-07-10 00:04:10 | 創作の小部屋
imgcef60151zikdzj.gif山口小夜子さんの作品が文庫本になりました・・・。

遠いいこえ
13

 饒舌であった房江がだんだんと寡黙になっていくのだった。終日部屋から出ようとせずに、カーテンを開けてルート2を見入っていたり、庭の秋桜を食入るように見つめていたりしていた。
「お隣の安井さんのように草花とか、刺繍にとか、絵とかに関心を示してくれればいいんですけれどね」
 育子はお隣の老夫婦の生き方に共感していたから、羨ましげに言った。
「義母さんは、今までに土いじりをした事があるのだろうか」
「学校で生徒たちと稲を植えてどのように成長するかの観察をしたはずだわ。それ位しかないと思う。母さんにそんな余裕はなかったはずだし」
「五年前だったかな、安木のお爺ちゃんが倒れられたときに・・・。退院しても殆ど動けなかったお爺さんを辛抱強く看病し、専門家顔負けのリハビリーをして、今ではご自分で殆どのことが出来るまでに回復させている、おばぁちゃんの愛情の深さかなって思うんだょ」
「本当だわ。五年間二つの身体を一つの身体のようにして・・・お隣のお爺ちゃんおばぁちゃんが元気でおられたら、母さんも・・・」
「夫婦ってほんとうに素晴らしいと思うよ。おまえさんが言うように・・・。年月が別々の肉体と精神を一個の肉体と精神に変えていくのだって事、そして、一つの物に同化しょうと働きかけていく、融合反応を起こしながら、徐々に一体化していくんだね。お隣さんの姿を見ていたらそう感じてしまった。義務感とか権利とかという制約が全く感じられずに、自分が今何をなすべきかを、しなくてはならないかを自然の内に行なっているて感じだったね。心が和み潤うね」 
「ええ、母さんどうにかならないかしら。何かいい方法がないものかしら」
「今度、義母さんを連れて県北のきみが行ったという学校へ行ってみようか。民話の採取も兼ねてだがね」 
「いいかもしれないわ。まだ少し紅葉には早いけれど、あの近くにはいい湯が沢山あるし・・・」
「あるかないかわからないけれど、義母さんが初めて奉職したという学校も見たいし、そこに、原因があるとしたら現場に立ってみようじゃないか」
「私は、母さんのことを書いているけれど、現場に立って確かめたことがないのょ。昭和十八年にかあさんを引き戻して・・・」
「あの時言えなかったことをどんどん語って貰うんだ。心と身体にしみ込んだ思いの丈を存分に吐き出してもらおう。そして、これから義母さんが生きていくために何が必要なのかを引き出せるように考えてみようじゃないか」
「私、漸く書けるような気がしてきたの。母さんの青春と子供達との交友、戦時下においての教育とその背景がどのように影響を及ぼしたかという童話。母さんは子供の瞳はいつも輝いていなくてはいけないてよく言っていたわ。だから、「あの瞳の輝き永遠に」という題にするわ」
「これで漸く義母さんの後を継げそうだね」
「ええ、この作品は母さんと共著、母さんを引きずっても連れていくわ。当時の状態のなかに再び掘り込んで、自分がなした行為を反省させながながら心に怒りを呼び覚ましてあげるわ」


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遠いいこえ 12

2007-07-09 12:13:26 | 創作の小部屋
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遠いいこえ
12

 房江は後部シートにもたれて大きな寝息を発てていた。
 電話はO駅の駅長からだった。
「逢沢さんのお宅でしょうか。私はO駅の駅長の木村と申しますが、加藤房江さんはお宅のお母さんでしょうか」
 ゆっくりとした丁寧な言葉使いであった。
「はい。左様でございます。もしかして母がそちらに・・・」
 育子は途中から気づいたのか声がうわずった。
「迷子と言うのもなんなんですが、迷われまして構内をうろつかれて、いいえ、歩いておられまして、階段に躓かれまして。怪我のほうはただ脛を擦りむいたと言う程度でして。今、私の部屋で休んで頂いておるのでございますが、このままずぅとお預かりしておくと言うのも何でございますから」
 受話器を持って育子はいらいらしていた。
「ご迷惑をお掛けしております。そちらにすぐに伺いますのでどうか宜しくお願いいたします」
 育子は受話器を置き深々と頭を垂れた。が、
「JRも親切になったものだわ。だけどもっと迅速に言葉を発車出来ないものかしら」
 と言って逢沢に同意を求めてきたのだった。
 駆け付けると房江は駅長室のソファに横になり眠っていた。
「今日のところは何も聞かないでそーとして置いてあげてください。よくあることですよ。生まれ育った所へ帰りたいと言う願望があって、こうして駅までは辿り着くのですけれど、どのように行っていいのか分からなくなってしまって。故郷を捨てて子供達と一緒に町に出てきたのはいいのですけれど、年を取って参りますとなじんだ生まれ故郷の空気が恋しくなりまして、ついふらふらと自分でも分からなくなって足がその方向へ向くらしいのですね。つまり子供の家出のようなものかも知れません。癖が付くのです。こうして駅長をやらせて頂いておりますと、何十人と言う御老人とお友達関係になりましてね。総て、このおばあちゃんのようにして最初は巡り合うのですけれど、何度も、いいえ何十回と言う巡り合いを重ねている御老人もおられましてね。なにか、なにかが、間違っているんでしょうか。昔はこれほどでもありませんでしたが・・・」
 駅長の穏やかな言葉が逢沢の胸を打った。


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遠いいこえ 11

2007-07-09 00:05:07 | 創作の小部屋
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遠いいこえ
11

 帰ってから、退職教職員連絡協議会に入って反戦反核憲法護権の運動、環境問題、教育の改革へと生きている証として動き回っていたのよ。たけど、あんな気性だから妥協が出来なくて意見の対立が・・・。それからのことは、あなたも知っているわよね。自室に閉じ籠もり考えてばかりいた。苛立ち焦っていた。周囲の何もかもに腹を立てしゃべりまくっていた・・・。思うように進展しない運動に・・・。何時の間にか身の置き場がなくなってしまったのね。政治の駆け引きに我慢がならなかったのね、きっと。それから、心を閉ざし、貝殻のように唇を結んだの。・・・あなたの言っていることは本当のことよ。民話だって、誰に語るのでもなく自分自身に言い聞かせるために語ったんだと思うの。かあさんも心の中で繰り返し繰り返し自分が犯した過ちを・・・」
 いつしか育子は頬に幾つもの流れを作っていた。
「その運動を辞めさせてはいけなかったんだよ。なにがあっても今おまえさんが言ったように語り部として、聞いてくれようがくれまいが思いを言葉に変えて叫ぶことだったんだょ。たとえ会を辞めたにせよ、一人でもいい、辻に立ってでもいい、生きている証として語ることだったのだょ。義母さんには、義母さんには体験に基づいた行動が取れる、それを語れる唯一の言ってみれば生き証人なんだから」
「かあさんを見ていると・・・だって、いつまでいつまでも過去の足枷に縛られているようで・・・」
「わかるよ。だけど・・・」
「可愛そうだった。もうこれ以上苦しんで欲しくなかった。穏やかな老後を迎えさせてあげたかった。かあさんの苦しみを私が受け継いであげたかったのよ」
 育子は泣いていた。声が膝に落ちて畳に広がっていた。
「それは、おまえさんだけでなく生きているみんなが考えなくてはならない事なんだ。そのためにも・・・」
「かあさんに、語り部として・・・」
「いや、そうは言っていない。考える切っ掛けを作る立場にあって欲しいと言うことなんだ」
 逢沢と育子は房江の失踪のことを忘れたかのように議論に熱中していた。
 風が出たのか庭の木立が揺れ微かに泣いていた。開け放たれた硝子窓にルート2を行く車のヘッドライトの明かりが大きな星の流れのように映っていた。その明りの中に落葉がまるで花びらのように舞っていた。
 湿っぽい空気の中に乾いたベルの音が鳴り響いた。
 育子は我に返って玄関へ急いだ。


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遠いいこえ 10

2007-07-08 12:05:30 | 創作の小部屋
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遠いいこえ
10

「それより、義母さんの部屋に何か手掛かりになるようなものがあるのではないのか」
 逢沢は電話で話した言葉を繰り返した。
「それは・・・一応捜したんですけれど・・・」
「気丈な人だから、何も目的がなくてと言うことは考えられないのだ」
「すっかりぼけてしまって・・・」
「何を言うのだ。言って良いことと悪い事があるんだぞ。義母さんは決してボケてはいないんだ。こちらのぼけたと思う気持ちが義母さんをボケさせてしまうってことがあるんだから」
「有り難いわ、そんなに言ってくれて・・・」
「義母さんが、住んでいた家を引き払うとき教え子への戒めを解こうとしていたが、まだ拘っているのは確かだ。義母さんは一生懸命にその自責から逃れようとしているのも確かだ。が、その戒めを解いたら何もなくなって今度は本当うにボケてしまうことになるかもしれないんだよ。それが心配なんだ」
 逢沢は心療内科の友人がボケになるパタンを語ってくれたことを思い出して言った。安心と平穏、拘りと自責がボケの治療には必要だと言うことを聞いていた。つまり適当に喜怒哀楽を繰り返すことがボケを防ぐと言うことなのだ。だけど、使命に対する責任が明確に生きる上にある以上まずボケることはあり得ないと言う事だった。それは、未来に希望のない人には難しいことであろう。
 友人はある高名な精神医の言葉として語ったのだった。
ー老人性痴呆疾患つまりボケを中心とする精神症状が始まる前段階として『抑制が外れる』ことがある。つまり心理的ブレーキが外れて、我慢の力が低下して抑えつけていたものがどっと噴き出して思っていた通りしゃべり、思っていた通りの行動するようになる。 抑制が外れたときになにをさすべきか、取り巻く家庭の人達は一早く症状に気づかなくてはならないと言うのだったー
「義母さんは、教職を退いても戦争反対、憲法擁護の立場を貫き、教え子を戦場に送ったと言う体験をもとに日教のOBとして活躍してこられたんだ。それが言ってみれば義母さんの心の支えでもあったのだ。その支えがなくなったら心の中は空っぽになり、生きる意味が、目的がなくなって何も考えなくなってしまうんだ。それが怖いのだ。義母さんはタイムスリップをして昭和十八年の冬の終わりに帰り、長太君に合い『行くな』と言いたいのだ。そして、そのことで辛かった苦るしかった過去を葬りたいと考えているのだろう。が・・・」
「判ったわ。・・・一度だけかあさんと県北の学校へ行ったことがあるわ。そこはかあさんが女子師範を卒業して最初に赴任した学校だったのよ。あれは、私が教育学部を卒業して県職に受かり教師として出発が決まったときの春だったのよ。その時、かあさんは定年を三年繰り上げて、私と交替のように退いた年だったわ。墓参りがしたいと言うかあさんを軽四の助手席に乗せて川ぞいを北に向かったの。幾つも山を越え、雪解け水が岩に砕けて白く砕ける細流を眺めながら、その流れに冬芽をはじかせた木々の枝葉が覆いかぶさるように垂れているのを見ながら、山と小川の細い径を進んだわ。小さな集落が幾つもあって山裾の辺りに校舎を見付けた時には、なんだか胸が熱くなっていたの。かあさんは目をつむって何かに耐えているようだったわ。山の頂きには残雪が白く光っていたの。校庭は雑草が生え方題、校舎はセピア色に変わっていて荒れ朽ち、かあさんは二宮尊徳の像のそばにある大きな楠を見上げていたわ。手の入っていない楠は枝が折れ傷ついていても新芽を吹き上げようとしていたの。かあさんが教え子達とその木を囲んで写真に収まっているのを見たことがあったわ。長い髪を編んで背に垂らし、白いブラウスの胸の辺りが窮屈そうに張り、真っ黒な顔をした子供達がまちまちな服を着て写っていたの。可笑しかった、かあさんまるで聖職を絵に描いたような顔をしていたんだもの。玄関戸は板でふさがれていたけれど、校庭に面した一つの教室を硝子の割れ目からじっと見つめていたわ。かあさん、なにかに一所懸命耐えているようだった。そこから、少し山に入った共同墓地にかあさんの教え子が眠っている墓があったの。かあさんはその前に額づいて立ち上がろうとはしなかった。話かけていた。色々なことを様々なことを話していたんでしょう。それは長い間だったわ。


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皆様御元気で・・・ご自愛を・・・ありがとうございました・・・。

恵 香乙著 「奏でる時に」
あいつは加奈子を抱いた。この日から加奈子は自分で作った水槽の中で孤独な魚と化した。

山口小夜著 「ワンダフル ワールド」文庫本化決定します・・・。
1982年、まだ美しかった横浜―風変わりなおんぼろ塾で、あたしたちは出会った。ロケット花火で不良どもに戦いを挑み、路地裏を全力疾走で駆け抜ける!それぞれが悩みや秘密を抱えながらも、あの頃、世界は輝いていた。大人へと押しあげられてしまったすべての人へ捧げる、あなたも知っている“あの頃”の物語。

作者のブログです・・・出版したあとも精力的に書き進めています・・・一度覗いてみてはと・・・。
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遠いいこえ 9

2007-07-08 00:10:30 | 創作の小部屋
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遠いいこえ
9

「育子さん、私の下着はどこにしまいましたかのう」
 と房江は、持ってきた箪笥をひっくり返しながら大きな声で言った。育子は丁度物語の一番大切な所を書いていたのだ。
「下着なら、二番目の柚き出しの中にあるでしょう」
 育子が少々ヒステリックに叫んだ
「ああ、ありましたありました」
 と言う房江の声が逢沢のところ迄響いて来た。
 逢沢は書斎で民話の分類をしていた。窓の外を何かがすーうと通り過ぎたのを見たように思ったのだが、この数日根を詰めて少々疲れていたのではっきりと確認できなかった。外は木立が風に煽られて泣いていた。
 その日、房江はまるで神隠しにあったように姿を消したのだった。
 下着は、新品を出して付けたらしい。包装していた紙が散乱する部屋の中から見っかった。着物もよそ行きを着て出ていた。高台に住む住人の中には房江を見掛けた人はいなかった。
 逢沢と育子は、房江がいなくなったことを知っても、今は道路になっている元住んでいたところに行ったくらいにしか考えなかった。それは房江の何時ものパターンであったからであった。切りがついたら迎えに行けばいい、そう逢沢も育子も忙しいと言うことを口実にして、直ちに行動に移る事を躊躇したのだった。一段落して逢沢が駆けつけてみるとそこには房江はいなかった。その辺りの人に尋ねてみても房江を見掛けた人はいなかった。戦前から一年前まで住んでいたのだからここは房江に取ってホームグランドのようなものだったが、北風に乗って飛び発った落ち葉のように消息がなくなったのだった。辺りはすっかり夜の帖をおろし、空には存在を誇示するライトアップが放たれ、路線をヘッドライトの帯が交錯しながら流れていた。
 逢沢は呆然と立ちつくしていた。善後策を考える余裕がなかった。頭の中は全くの白紙のようになっていた。その白紙の上に点が落ちて動き始め線となり形を作り始めた。それは段々と形を作り一つの抽象画を描いた。その絵が左右に震動し止まると、それは房江の顔になっていた。角ばった顎の線がまさに房江のものだった。
「いないんだ。どこを捜しても見つからないのだ。なにか、義母さんの部屋に手掛かりになるような物が残っていないか捜してくれないか」 
 逢沢は近くの公衆電話のボックスから育江に連絡を入れた。
「何を慌てているの。いない所にじっといても仕方がないでしょう。こちらに帰って来て頂戴。相談しましょう」
 育子の落ち着いた声が受話器の中から沸いてきた。それは、妙に乾いた声だった。
「おまえさんは・・・」
「言いたい事はわかるは。それは後で聞きますからとにかく帰ってください」
 ボックスの硝子が曇って辺りの風景を遮りヘッドライトの明かりだけが僅かに突き抜けてきた。
「あなたが帰ってくるまでにかあさんの知り合いの方達に連絡をして聞いてみたんだけど、心当たりがないって言っていたわ」
 育子は心なしか落ち着いた声で言った。逢沢は自分が一人で空回りをしているような感覚を持った。


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あいつは加奈子を抱いた。この日から加奈子は自分で作った水槽の中で孤独な魚と化した。

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1982年、まだ美しかった横浜―風変わりなおんぼろ塾で、あたしたちは出会った。ロケット花火で不良どもに戦いを挑み、路地裏を全力疾走で駆け抜ける!それぞれが悩みや秘密を抱えながらも、あの頃、世界は輝いていた。大人へと押しあげられてしまったすべての人へ捧げる、あなたも知っている“あの頃”の物語。

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