yuuの夢物語

夢の数々をここに語り綴りたい

今年の御礼と・・・。

2007-12-29 20:58:42 | Yuuの日記
月日は過客・・・。  


うろうろきょろきょろしていて60を超えて今に至っているが・・・。早いものだ・・・歳を取ると月日はだんだん早くなり一年はあっという間に過ぎていく・・・。元旦の計はと言うが今年は何をしたのか記憶にない無為の日々を過ごしたのか・・・確かあれもこれもと誓ったはずなのだが・・・何一つ出来なかったことに反省の念すらないのは・・・。「今拓く華と路と空」の後半・・・省三の自叙伝をいまの歳まで書くと意気込んでいたが挫折しました・・・。今を書くと言うことは存在する人達のことも書かなくてはならず・・・書き進めることを躊躇したのだが・・・。河原崎長十郎さん、フランキー堺さん・・・今は故人となられた先生方との交歓・・・。演劇人会議の演出家の皆様との温かい交流・・・。岩下志麻さん、篠田正浩監督の映画出演・・・あまり生々しくてとても書けませんでしたが・・・来年にはと・・・。
なにも出来なかったと言うことは果たして生きていると言えるのかと・・・。
来年は・・・生まれ変わったつもりでと今考えているが果たしてどうか・・・。
母への鎮魂歌「母の痣」、現代の福祉医療・・・終末医療を問う「冬の彷徨」を是非とも来年はと・・・。
今年訪れてくださいましたみなさのへお礼申し上げます・・・。
いろいろと有り難うございました・・・。
皆様にとって来る年が良い年であられますようにお祈りいたしましす・・・。

    



 
今日から冬休みをいいただきます・・・。
皆様御元気で・・・ご自愛を・・・ありがとうございました・・・

恵 香乙著 「奏でる時に」
あいつは加奈子を抱いた。この日から加奈子は自分で作った水槽の中で孤独な魚と化した。

山口小夜著 「ワンダフル ワールド」文庫本化決定します・・・。
1982年、まだ美しかった横浜―風変わりなおんぼろ塾で、あたしたちは出会った。ロケット花火で不良どもに戦いを挑み、路地裏を全力疾走で駆け抜ける!それぞれが悩みや秘密を抱えながらも、あの頃、世界は輝いていた。大人へと押しあげられてしまったすべての人へ捧げる、あなたも知っている“あの頃”の物語。

山口小夜著「青木学院物語」「ワンダフル ワールド」の文庫本・・・。

作者のブログです・・・出版したあとも精力的に書き進めています・・・一度覗いてみてはと・・・。
恵 香乙さん

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冬休み前に・・・。

2007-12-19 17:05:26 | Yuuの日記
冬休み前に・・・。  



星の明かりは・・・ (「見上げてごらん夜の星を」の劇中の童話)

                     

 むかし、むかし遠い国に、みなしごのラルという少年が住んでいました。

     ラルのお父さんとお母さんは隣の国との戦争で亡くなったのでした。

     ラルは羊飼いのお爺さんと暮らしていました。

     ラルはお父さん、お母さんがいなくても淋しいと思ったことがありませんでした。

     それは、優しいお爺さんがいたからでした。

     毎日毎日、ラルはお爺さんと羊を追って草の茂る野原に出掛けたのです。

     ある日、ラルが野原に出ると、そこには花がいっぱい咲いていました。

     羊達は喜んでその中を走り回り、食べはじめました。

     「花が可哀相だ」とラルは思いました。

     そのことをお爺さんに言いました。

     「ラルよ、花が美しく咲くのは、蜂や蝶々や鳥に食べられるためなんだよ。そして、羊に食べられふみにじられるために咲いているんだよ」

     とお爺さんは言いました。

     「美しい花はほんのひとときでほろびるものなんだよ。だけど、花はそれで終わることはないんだよ。毎年毎年この季節になれば、また、美しく花を咲かせるんだから、そのことは神様と約束をしているんだから・・・」

     そう、お爺さんに言われて、ラルはそうなんだ毎年毎年花を咲かせるのはそのような神様との約束があるからなのかと思いました。

     ラルはお爺さんの話を思い出しながら、堅いベッドに横になり一日の疲れをとるのでした。

     「トントン、トントン」と戸をたたく音でラルは目をさましました。

     ラルは起き上がり戸をあけると、ひとりの少女が立っていました。

     「どなたですか、道を間違われたのですか」

     とラルはその少女に声をかけました。

     「いいえ、星を見にきたのです。この家は丘の上にあるでしょう、だから、星に手が届くのでないかと思って」少女はやわらかな声で言いました。

     「星を・・・」

     「はい・・・一緒にどうですか」

     「ぼくとですか・・・。こんなに夜遅くでは恐くありませんか」

     「いいえ、星があんなに輝いているのですもの。・・・あなたの、お父さまお母さまもあの星の一つ一つなのですよ」

     「ええ、あの星がお父さんお母さんなのですか」

     「ええ、そうよ」

     「お爺さんは、星は花の精だと言っていましたよ」

     「いいえ、あの星は、戦争でなくなった人の、平和へのともしびなのですわ」

     「平和への燈・・・」

     「そう、辛いとき、悲しいとき、淋しいとき、苦しいとき、じっと見守ってくれているのですわ」

     「それで、君はあの星をどうしようと・・・」

     「ええ、もっと高いところから星を見つめて祈るのですわ、淋しい事もあるけれど、このように元気でいますとみてもらうのですわ」

     「君のお父さんお母さんは・・・」

     「この前の戦争で・・・」

     「ぼくの、お父さんやお母さんも・・・」

     「さあ、ラルもっと上に登って星をさがしましょう」

     ラルはベッドより起き上がろうとしました。

     その時、

     「ラル、行ってはならん」

     お爺さんの大きな声がしました。

     「星は、辛いとき、悲しいとき、淋しいとき、苦しいとき、以外に見るものではないんだょ」

     とお爺さんは続けて言いました。

     「幸せなときには見てはいけないの」

     ラルはお爺さんに問いました。

     「そうじゃ」

     「だったら、この少女は・・・」

     と言って、戸口を見ると少女はいなくなっていました。                               

     「ラル、今日、花が可愛そうじゃと言ったろう、だから、ラルの優しさに花の精が人間となって、ラルに恩返しにきたのじゃろう」

     お爺さんの声は風の音のように消えました。

     次の日、戸口の外にはたくさんの花びらが落ちていました。

     ラルは星を眺めることもなくすくすくと育ちました だけど、少しだけ星を見上げることがありました。

    



 
今日から冬休みをいいただきます・・・。
皆様御元気で・・・ご自愛を・・・ありがとうございました・・・

恵 香乙著 「奏でる時に」
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母の痣・・・1

2007-12-18 22:11:43 | 創作の小部屋
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秋の空 (省三の物語)

 秋の空 (省三の物語)

 母の痣


 秋の彼岸だというのに瀬戸の海に霞がかかり島々はぽっかりぽっかりと浮かんでいるように見えていた。春の彼岸に妻の育子と瀬戸大橋を渡って両親の墓参りをしたときにも霞がたなびいていて島はぜんぜん見えなかったのだ。

 今年は梅雨が短く、夏は猛暑の日が続き九月に入っても残暑はきびしく続いていた。地球温暖化が言われ初めて年月は経つが一向に改善は見られず、地球の各地で異変が続いているという報道が成されていた。日本もその影響を受けて夏から直ぐ冬へ秋を飛ばして季節が変わるのではないかと囁かれていた。
息子達も大きくなり各自が車を買っているので大きな車でなくて良いというので小さな軽四に乗り替えたのだった。足に障害を持つ育子を乗せて走る分には十分であった。省三は地球温暖化を危惧しエコを叫んでいる以上大きな車を一人で乗り回すことに抵抗を感じていたのもその原因だった。乗り心地もそんなに悪くなく満足のいくもので気に入っていた。定年退職をして大きな車に乗り換える人の多い中省三はその逆を行ったのだった。省三は一時期新聞記者をしたがその後はものを書いた時期があり今では劇団を運営し劇作と演出をしてのんびりと暮らしているのだった。
 
 今、省三は思う。
 母の人生は幸せだったといえるのかと・・・。
 母を亡くしたのは省三が三十一歳の時で父を見送った二年後に後を追うように母も逝ったのだった。
 省三も母の逝った年齢に近づいていた。

 兄の久夫婦が参りに来たのか墓は綺麗に掃除されていて花が飾られてあり線香の燃えかすが白く崩れていた。
「お義姉さんに綺麗にして貰って・・・」と言いながら育子は省三がバケツに汲んで来た水にタオルを浸して墓を拭いていた。
「親父、一服しょうか・・・」と省三は言って煙草に火を付けて供えた。
「今年は彼岸花が咲いてないわね」とあたりを見ながら育子が言った。
「コスモスは春から夏、秋まで咲いているよ、その代わりに・・・」
「気候が狂ってきているのね」
「あの頃は良かったと言える年齢になったんだよ」
「今の時代、あなたの年齢はまだまだ年寄りではありませんよ」
「母さんが亡くなった年齢にもうすぐ手が届くよ・・・」
「もう三十六年も前の話、今では寿命も延びて・・・」
「なに言ってんだと、親父は笑っているかも知れない」
「きっと、お義母さんも笑っているわ」
「仲良くしているだろうか」
「お義父さんは得意の英語で煙に巻いているかも知れないわね」
 両親はたわいない息子夫婦のやり取りをどのように聞いているだろうかと省三は思った。元気で円満な姿を見せることが何よりの供養だと、仕合わせな営みを見て貰うことが一番の親孝行なのだと省三は思うのだ。

    

この続きは来春よりアップしていきたいと思っております・・・書ければですが・・・。何が何でも書きますが・・・。
何かがありましたら書かせていただきますが・・・。
皆様のブログは毎日開き読ませていただきます・・・。
皆様御元気で・・・ご自愛を・・・ありがとうございました・・・

恵 香乙著 「奏でる時に」
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冬休みの準備を・・・。

2007-12-18 03:40:30 | Yuuの日記

家人は今日午前中パッチワークの仲間のところでいろいろと教えて貰うらしい・・・昼食もでるという・・・。前日から喜々としているが・・・。人の中に入っていろいろと話し学ぶと言うことは素晴らしいと感じているのだ・・・。喜びを感じて生きていることは見ているこちらもほのぼのとするものだが・・・。
良い仲間と出会い至福の時間を過ごしているのだろうと・・・。
午後から正月用の買い物へと・・・低温冷蔵庫に入れていれば金時人参もほうれん草も大根も聖護院大根も牛蒡も保つだろうと思って早めに買い出しに行くのだが・・・ほうれん草は植えているのだがあまり大きくなってなくて・・・。魚だけはそうはいかない、鰤は一尾買って、牡蠣に海鼠にエビにいか・・・蟹は冷凍をしているので・・・。肉は牛肉、豚肉、鶏と・・・その総ては三が日の雑煮に使うものなのだが・・・。私の家ではおせちはつくらないことにしているが・・・簡単に数の子と竹輪とかまぼこと煮豆に昆布巻き・・・つくって売っているものを買うくらいか・・・。私の食べたいものを中心に買うと言うことなのだが・・・。餅は家人の仲間が持って来てくれた物が冷凍庫にたくさんあって今年は買わなくて良いかと・・・。
私の家の雑煮は元旦は鰤のだしで、二日目は牛肉のだしで、三日目は鶏のだしと決まっていて・・・総て醤油で味付け・・・。これは我が家の風習なのであるが・・・これは我が家に代々伝わっているものなので私の代で替えることは出来ない・・・家人はそのことを知ったときに驚いたらしいが今ではそれが当たり前のようにつくっているのだ・・・。
正月の話は少し早いかも知れないけれど・・・。20日より冬休みを頂く関係で書くことにしましたが・・・。休みを頂いて書くぞ書くぞと言って何時も書けなかった事を反省してこの休みには新作を是非とも書くつもりであります・・・。

    


皆様御元気で・・・ご自愛を・・・ありがとうございました・・・

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今日は・・・。

2007-12-16 22:52:15 | Yuuの日記

日曜日・・・現団員が集まってスタジオの大掃除をしていた・・・。年に一度の大掃除である・・・。
劇団員が結婚記念の花束をくれた・・・。15年の前に来たときはみんな若かったが今ではいい年になっている・・・社会的にも重要なポストに・・・。昔の様に演劇バカを続けているわけにはいかないか・・・。
来年は一人芝居の公演が3作続くことになっているが・・・。15年間で45公演・・・良くもその数をこなしたものだ・・・その中には芸文館大ホールの公演が13作ある・・・後は芸文館の小ホールのアイシアターでの公演とアトリエ公演・・・。総て私の新作公演で次男が演出し私が総合演出をしたものであるが・・・。これも総て見に来てくださったお客様のお陰と・・・。今は台本を書いている間にブログ用の小説を書いて時間を費やして遊んでいるが・・・。

今日、家人と39年前に行った新婚旅行のホテルへ・・・食事をしに行ったが・・・食事だけでは駄目と言うことで・・・近場の瀬戸内海が一望できるホテルへ・・・瀬戸大橋の夜景がとても綺麗で・・・39年前の静寂の瀬戸の海を想起したが・・・年月日の重なりが総ての風景を変えたのか・・・。今日、39年の始まりの・・・そして、これからを・・・。

これから新しい気持ちで・・・来年から「母の痣」を書き始めようと考えているが・・・。
テーマは幾らでもあるが果たして今時代に合っているかどうか・・・だが普遍のテーマを書き続けていこうと思っているが・・・。
    


皆様御元気で・・・ご自愛を・・・ありがとうございました・・・

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記念日・・・。

2007-12-15 02:01:44 | Yuuの日記

今日は家人と結婚して39回目の記念日。つまり結婚して38年を過ごしたと言うことになるが・・・。
早いものである・・・この前のような感じがしているが・・・。
うろうろきょろきょろして時は過ぎたのか・・・。
家人はこの38年間仕合わせであったのかと・・・知り合って直ぐに交通事故で3年間入院していた・・・その期間を入れれば42年間になるが・・・42年間と言えば私の人生の三分の二を家人と過ごしたことになる・・・。後遺症の障害を持っていた家人は何か失敗したり出来ないことがあるとその所為にしたが・・・障害を背負っていたのだ・・・私はその障害を胸にだけと諭したのだが・・・人はなにがしかの障害を背負って生きているがそれを胸に抱いて生きている人は何事にも障害の所為にはしないと・・・。それから家人は努力をするようになった・・・少しずつだが・・・。男の子2人に恵まれた・・・今は別世帯を持って・・・良く産んでくれたと感謝している・・・なにもしてやれなかったけれど私に付き合って一緒に生きてくれているのだ・・・。
物書きになって新聞の連載を始めて鬱にかかり挫折・・・その間家人は寄り添ってくれた・・・20年間も・・・。劇団を起こし劇作家と演出家を始めると劇団員の面倒を見てくれているが・・・。鬱は劇団を起こし公演を重ねるたびにだんだん良くなっているが・・・。今も不安症に襲われるとはがあるが・・・。
家人は私の喜びを自分の喜びと思ってくれているのだろうか・・・。今、家人はグランドゴルフの仲間達と楽しく過ごすことが生き甲斐のようであるが・・・良いことなのであるそれで・・・。なにも夜遅くまで私の徒労に付き合うことはないのだから・・・。
家人が今日ホールインワンを3回もしたのよと喜々として言う言葉を聞いて私も心が軽くなり喜んでいるこの頃である・・・。
家人は今精一杯に何かに夢中になる喜びを知ったようである・・・なにも私の喜びを共有することはないのだから・・・。
今日は少し遠出をして何か美味しいものでも食べて共有する時間を持ちたいと考えているが・・・。

    


皆様御元気で・・・ご自愛を・・・ありがとうございました・・・

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恋塚 横笛・・・12 完

2007-12-14 13:27:05 | 創作の小部屋
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恋塚 横笛
12
    陽気にうとうとと転寝の中へ・・・。

    そんな日々の中・・・。
    ある夜、盗賊が・・・。
    何もかも奪われて・・・。
    生きる望みもなくなりました。
   時頼様の心を見もせず、確かめもせず・・・。
    生きる道を変えたこの私をお許しくださいませ。
    もう、会えませぬ、生きては居られませぬ。
    時頼様に綺麗な体で・・・。
    お会いしとう御座いました。 

           桜の花びらの中で・・・。
    
     「時頼様」
     「ときよりさま・・・」

 


           斉藤時頼と横笛の恋をもっと正確に詳しく知りたい方は「滝口入道」高山樗牛著をお読みいただければと思います。斉藤時頼は仏門に入り滝口入道としてその名を馳せ、滝口寺はつとに有名であります。
           私は高山先生の御作を読まずに全くの創作として書かせていただきました。

    
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恋塚 横笛・・・11

2007-12-14 03:20:47 | 創作の小部屋
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恋塚 横笛
11
    霞の中の逢瀬・・・。心でそう思う事も御仏はお許しくださいますでしょうか。
    仏の使いが何と不貞を・・・。心を男に奪われて・・・。それは私とて苦しみの中に身を置き悩んだので御座いますが、私がここ、天野の里へ参ったのも時頼様の少しでもお傍へという思いで御座いましたので、思いを振り払い、御仏の怒りを覚悟で生きておるのでございます。
    朝餉を済まし、時頼様から戴いた文を読むのが楽しみなのでございます。
    ここに来たときから、私は尼ではなく女になっているのでございます。
    その文に心躍らせて頬を赤らめ、体を熱くしているので御座います。
    読んで覚えた文を水に戻し、償いのために御仏の人形を創っているのでございます。埒もない女の浅知恵笑ってくださいませ。  
    桜はどうしてお日様に顔を向けないで・・・。私とて、顔向けできません。
    風の悪戯で桜の花びらは弄ばれて一枚一枚と舞って降りかかってまいります。僅かの庭には花びらが・・・。それを踏むのがかわいそうで・・・。じっと部屋で見ているので御座います。

    

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恋塚 横笛・・・10

2007-12-13 14:42:48 | 創作の小部屋
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恋塚 横笛
           2
10
    春霞が天野の里に満ち溢れております。この世の全てのものを包み込んでいるようでございます。胸に沁みこんで来る白い空気を一杯に吸い込みました。
    この霞はあの時頼様の高野へも繋がっている。そう思うとなぜか心が安らぐので御座います。
    「横笛」と言って霞の中にぼんやりと一人の僧が現われじっと私を見つめていてくださるのです。
    「時頼様」小さく声を落とします。
    この心の張り裂けんばかりの高鳴りは・・・。
    このときに女であることを感じるので御座います。墨衣を全て取り除いて飛び込んで行きたい、そんな衝動に駆られるのでございます。膝座間付き両の手を胸の前に合わせるので御座います。
    朝の霞の中でのこのひと時がこの天野の里へ来て持つことの出来た幸せなので御座います。
    妄想・・・。いいえ現実なのです。
    今ではしっかりと時頼様のお顔を覚えておりますもの。お声も・・・。凛々しいお姿も・・・。
    私の中ではっきりと捉えることが出来るのでございます。
    空の色が変わっていくと霞は潮が引くように消えていきました。
    一人庭に伏す私の姿が、まるで露が明かりに奪われるように、思いも消えてなくなってしまうので御座います。
    深い緑の空がだんだんと薄い緑に変わり黄色に移り青に目覚める、そんな自然の生業を恨めしく眺めながら、簡単な仏壇に向かって朝のお勤めをいたすので御座います。
    時頼様の恙無きご無事をただ祈るので御座います。
    それが終わりますと、朝餉の用意をいたし、漬物と粥を戴くのでございます。

    

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恋塚 横笛・・・9

2007-12-13 01:10:41 | 創作の小部屋
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恋塚 横笛
 9
    叔母を頼って「法華寺」で髪を下ろしました。
    「黒い衣を着けるのは色に迷わぬことですよ。女子の黒髪を下ろすのは女子の命を捨てることなのですよ。
    今まで多くの女子が髪を下ろしました、が、女の命まで捨てることが出来なかった女子は多かったのですよ。女の性とは何と強欲なものなのでしょうね。
    御仏に縋るのですよ、ただ御仏に・・・」
    叔母の尼はそのように言って戒めてくださいました。
    尼としての毎日、日の巡り、そんな日々の中でもお会いしたことのない時頼様の面影は離れることはなかったのでございました。
    煩悩・・・。絶ちがたい想い・・・。御仏への祈り・・・。その相克の中で我が身の想いと性に苦しんだのでございます。
    御仏に縋れば縋るほど、時頼様への想いは深く重くなっていったのでございます。
    なんと言う悪戯でございましょうか・・・。
    時頼様のお傍へ、よりお傍へ・・・。そんな想いが終日駆け巡り日に日に高まって行ったのでございます。
    我が身をもてあますほど身を焦がしたのでございます。    

    寒椿が音を立てて落ち、梅の花が蕾を付ける頃・・・。
    僅かな荷物を背負い、京を落ちたのでございます。
    何もかも捨てて・・・。
   伏見から宇治を過ぎて奈良へ・・・。そして、天野の里へ・・・。
    背荷物の中には、時頼様の文がいっぱい入っておりました。この文はお傍に行ってから読もうと決めていたのでございます。

    

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恋塚 横笛・・・8

2007-12-12 13:13:53 | 創作の小部屋
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恋塚 横笛
 8
私の春は・・・。
    手桶に水を張り、手首を浸し、刃物で切ったのでございます。
    意識はだんだんと遠のいてゆきます。
    朦朧とした思いの中で、一人の公達が通り過ぎていきます。
    「時頼様」「ときよりさま」と幾ら叫でもその方は振り返ってもくれません。どんどんと行ってしまわれます。
    「よこぶえ」と言って欲しい・・・。そして、許してやると言って欲しい・・・。
    「横笛なんということを・・・。それほどまでに・・・。」
    私は助けられ横たわる傍で、恐れ多いことに建礼門院様のお声を聞いたのでございます。
    十二単の鮮やかな組み合わせが目に入ってまいりました。そのお姿は観音様のように見えたのでございます。
    「横笛、お前が行ったことが罪と思うならば、仏の道に入り償うといい・・・。想い人とおなじ仏の道へ・・・。」 
    お優しいお声が暗がりに一条の明かりのように下りてきたのでございます
    

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皆様御元気で・・・ご自愛を・・・ありがとうございました・・・

恵 香乙著 「奏でる時に」
あいつは加奈子を抱いた。この日から加奈子は自分で作った水槽の中で孤独な魚と化した。

山口小夜著 「ワンダフル ワールド」文庫本化決定します・・・。
1982年、まだ美しかった横浜―風変わりなおんぼろ塾で、あたしたちは出会った。ロケット花火で不良どもに戦いを挑み、路地裏を全力疾走で駆け抜ける!それぞれが悩みや秘密を抱えながらも、あの頃、世界は輝いていた。大人へと押しあげられてしまったすべての人へ捧げる、あなたも知っている“あの頃”の物語。

山口小夜著「青木学院物語」「ワンダフル ワールド」の文庫本・・・。

作者のブログです・・・出版したあとも精力的に書き進めています・・・一度覗いてみてはと・・・。
恵 香乙さん

山口小夜子さん

環境問題・環境保護を考えよう~このサイトについて~
別の角度から環境問題を・・・。
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恋塚 横笛・・・7

2007-12-11 14:21:04 | 創作の小部屋
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恋塚 横笛

帰りましても気もそぞろ何も手につかずに、ボーとして暮らしておりました。
「病気になりますよ」
と、局様が声をかけてくださいます。
すっかり京の山々は赤く燃えておりました。命を終える前、枯れる前
    に緑を落とし色を変え、風の悪戯に身を任せ舞って終えるのでございます。
    一塵の風が京の町に吹き、枝の葉を落として、風花の舞う季節になるのでございます。  
    季節のめぐりも私には感じられませんでした。
    私の心の中には想いが満ち溢れ十五の体が震えていたのでございます。
    それは不実への懺悔であり、時頼様の人生を変えてしまったという私のおろかな行いへの後悔でございました。
    終日部屋に閉じこもり何もせず、ただ時頼様の文をいっぱいに並べて見入っていたのでございます。
    「横笛、何でも滝口様は京を離れて高野山へ入られるそうな」
    「京にいては横笛のことを思い出して御仏の修行に身が入らぬということのようですよ」
    「そなたも何と罪なお人じゃな・・・」
    様々な言葉が耳に入ってまいります。
    「横笛、そなたはどうするのです。このままではそなたは悪者になりますよ。一人の殿方を弄んだと巷ではもっぱらの噂・・・。さて、さて、どうすればいいでしょう。・・・何か好い手立てはないものでしょうかね」
    その一つ一つの言葉に身を切られる思いでございました。
    私さえこの世にいなければ・・・。
    そのように思う日々が続きましてございます。
    食べ物ものどを通らず、水さえ受け付けられず・・・。
    身を斬るような京の冷たさの中でわなわなと震え、まるで牢獄に繋がれた人のように絶望に苛まれたのでございます。
この寒さの中じっと身を縮めて春を待つ冬芽がなぜかうらやましゅうございました。春になれば枝葉を広げ背いっぱいの伸びが出来ることへの羨望でございました。冷たければ冷たいほど美しい花を咲かす、それが冬芽というものなのでございます。

    

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恋塚 横笛・・・6

2007-12-10 16:31:25 | 創作の小部屋
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恋塚 横笛

訪ね訪ねて漸く往生寺門の前に辿り着いたのは東山の頂がぼんやりと空けていく頃でございました。
門を叩き案内を乞うのですが、なかなか門は開かれず・・・。
「斉藤時頼様にお取次ぎくださいませ。私は建礼門様に使えしております横笛と申すものでございます」
 しばらくして、
 「滝口殿はその様な者は知らぬと申しておられる。このような朝の訪れも近い頃、早う帰られ・・・」
 門の中からそのようなご返事が・・・。
 「一度お目にかかり、私の不人情をお詫びしたくて参りました、どう
ぞおとりなしを・・・。」
 それからは何の返事もなく、静寂が漂っておりました。
どれほどの時をその場に置いていたでしょうか・・・。
これも、不実の行いをした罪の報い、総てが私に非があるのだと言い聞かせても、心の中はまるで風の吹く思いでございました。
胸が苦しくなり、こみ上げてくる嗚咽にただただ任せていたのでございます。
お会いしたい、一目でも・・・。
これが人を恋うるということなのでございましょうか。
この苦しみが・・・。この苦しみと同じ苦しみを時頼様に味合わせた
のでございます。
そう思っていてもたっても居られずに門に向かって・・・。
門に縋りつきながら泣き叫んでいたのでございます。

狂気、まさに狂ったように・・・。門前に泣き崩れて・・・明けていく空の明かりが私を包み込んでくるまで・・・。
同輩が捜しに来てくれるまで・・・。

    

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恋塚 横笛・・・5

2007-12-09 21:26:49 | 創作の小部屋
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恋塚 横笛

時頼さま・・・。
心の中で叫んでおりました。
詫びたい、真の心を見せてくださいましたのに、遊びだと、悪戯だと無視した私をただ許していただきたくて・・・。             
  お会したい・・・。そう思った時に初めて一度もお目にかかったこと
のないことに気づいたのでございます。
戴いた文を開けずお心も読み砕いていないことに愕然と身を砕いたのでございます。
呆然と夜の空を見上げました。双眸から止め処となく涙が流れ頬を濡らし単衣の色を変えておりました。
眼に映る潤んだ夜の気配はすっかりと暗闇に閉ざされ、ところどころに僅かな灯が零れているだけでございました。
星の瞬きは垂れ込めた雲にさえぎられているのでしょうか・・・。
単衣の肌には大氣がひんやりとしみこんできていたのです。火照った体にはそれは気持ちのいい感じではございました。が・・・。
気が付いたときには、意識もはっきりとこれからの道のりを考えることが出来る理性が蘇っておりました。
それにしても・・・。
文のよる心の様も、お顔も知らぬお方にこれほどまでに心を動かせる
事を、天命のように感じたのでございます。

    

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恋塚 横笛・・・4

2007-12-08 17:49:32 | 創作の小部屋
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恋塚 横笛

    斉藤時頼様が・・・。
    この殿方が私の人生を変えるのでございます。
    桜の季節から紅葉のしぐれ・・・。
    都は底冷えのする冬の兆しが感じられるような日々が訪れようとしていたのでございます。
    そんな時・・・。
    斉藤時頼様には・・・。 
    突然の出家・・・。
    都ではもっぱらその噂で持ちきりでございました。
    その噂も私の耳に届きました。
    「好いた人と添えぬならば・・・」
    「身分が違いすぎる」
    私はどうすれば、それほどの思いを投げかけていてくださいましたのかと・・・。文は一通として開けておりません。だけど、私と添い遂げられぬならば出家する。いいえ、往生院にて出家しておられるのでございます。
    こんな身分の低い私のために・・・。
    お父上と私の板ばさみになられて、お心の優しいお方なのでしょう。お父上に逆らうことも出来ず、思いも断ち切れず・・・。
    それほどの想いを抱いてくれて思いのたけを書いたお人を、悪戯な文として扱ったのでございます。
    どうすれば・・・。
    十五の女の心はちぢに乱れ黒髪をかきむしったのでございます。体は
わなわなと震え、庭に飛び出して膝を抱き泣き伏したのでございます。
どれほどの時が流れたのでしょうか・・・。
風花が舞っていたのでございます。
私はすっくと立ち上がり歩き出していました。
裏木戸を開け、都大路をふらふらとしながら往生寺へ向けて・・・。
その往生寺がどこにあることも知らずに、ただ会いたいと言う思いで歩を進めていたのでございます。
私のために世を捨てられて・・・。私のようなもののために・・・。
人の情け、心、の分からぬ女のために・・・。
泣きながらどこともなしに逢魔が時の中へ、京洛を彷徨っていたのでございます。

    

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