kisetsunokazeni

ときには空を見上げて深呼吸。無駄と思える時間も必要な時がある。

盲目の距離感

2015-09-21 00:08:10 | 
目が見えないと

歩くときは憶病になる

一歩の歩幅が小さくなり

でこぼこや穴でつまづかないか

確認しながらゆっくり歩く

それは全く正しい

ゆえに

おとうと犬のお散歩は

なかなか進まない

背を低くし

小股で

数歩歩いては止まる

大体電柱のにおいを頼りに歩くのだが

本人がここら辺に電柱があると思った辺りは

およそ4~5m手前

そこでぴったり止まると

動かない

電柱が近いと

たたいて音で知らせるのだが

残念ながら

5m先の電柱には手が届かない



「電柱はもうちょっと先だから」と

説明するんだけど

彼はなかなか聞き入れず

その都度引っ張り合いになる

小型犬で多少やせ気味だが

力は結構強い

こっちも必死で引っ張ってなんとか歩かせると

ようやく次の電柱に到着

これが

お散歩終了まで続く


おとうと犬には

私はウソはつかない

そんなことわかってるくせに

全然いうことを聞かないのは

どうしたこと?!

私の献身的なお手伝いぶりは

全く評価されず

やりがいのない介護になってる

そんなとこで意地張ったって

なんの得にもならないと思うけど・・・

かくして

距離にしてたった200m程度を

毎日30分以上かけて歩く(牛歩戦術?!なんのために・・・)

必要以上にゆっくり歩くって

速く歩くより疲れること

おとうと犬のおかげで知りました

・・・ありがとう

でもできれば

もう少し人のいうこと聞いて

もう少し早く歩いてくれると

助かるんですけど・・・


十数年かけて積み上げた

私たちの信頼関係

もしや

心の距離感も5mとか・・・遠すぎる・・・

一瞬足元が崩れ去るような

錯覚に陥りそう

犬育てって

ほんとに難しい

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする