1980年代末、ソニーが独自に開発したベータマックスを発展させた EDBeta というビデオフォーマットがありました。
そのカメラ EDC-50 は当時民生用としては最高峰、確か値段は73万円とアマチュアには高価でした。
デッキは EDV-5000 EDV-7000 EDV-9000 があって、中でも EDV-9000 は295,000円。
当時物品税が廃止になり数万円安くなるのを待って私は労金から借金して新品の EDC-50 を購入。
デッキは後にラオックスの展示品を安く手に入れて以後ビデオ三昧が始まりました。
EDBeta の画質は申し分なく、休日を使って風景を撮りまくったものです。
EDC-50 は2時間テープ100本以上撮ってある日突然壊れて廃棄しましたが想い出の中のカメラです。
その後は Ikegami の業務用、放送用カメラの世界にのめりこむことになりました。
昨夜、ふと思い立ってEDV-9000 で昔のテープを観ようとしたんですが、、、
どうもテープのローディングが完了しないようでイジェクトもできません。
こりゃあついにご臨終かも。
カバーを開いて機構部を壊さない程度にあれこれいじったらイジェクトされました。
どうも原因はデッキ側じゃなくテープのようです。
ついでにクリーニングテープでヘッドをクリーニング。
別のテープを入れて再生、あれ、映像が出ない!
ローディングは正常で再生動作もしているんですが。
しばらくして原因がわかりました。このテープ、ベーカムカメラで撮ったんでした。
EDBeta テープはそのままベーカムSP として使えるんです。それを確認するために使ったんでした。
間違いなく EDC-50 で撮影したテープを再生してみました。
モニターにきれいな映像が出ました。33年前に撮ったテープです。
念のためもう一本。これもきれいな映像です。
工房の EDV-9000 は恐らく1988年製。
35年前のデッキが今でも使えるって、凄いことです。
80年代のソニーは本気モードだったという説が実感されます。
撮りためたテープは昨年ワークステーションに取り込んでエンコード、
YouTube に「映像による絵画のためのフリー素材」としてアップ。それらは自分のためのアーカイブスです。
EDV-9000 は今後出番がありませんがたまには昔のテープを観て感傷にひたることにしましょう。