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夢地蔵

田舎の映像作家の備忘録

Ikegami HL-95 の "MEMORY BREAK" は何?

2022-04-22 15:39:04 | Weblog
近いうちに使いたい 放送用3管カメラ HL-95 ですが、電源投入から一分程度VFに "MEMORY BREAK" というメッセージが出て
気になるので調査開始。


私は電子回路もMPU制御も苦手な分野ですが、このカメラは入手時に色が変で使い物にならなかったのを自力で原因を究明、修理した物。
やってみようじゃありませんか。
MB から各ユニットを抜きます。

これはPOWER ユニットです。1984 というラベルが貼ってありました。
問題無さそう。

前に HL-79E を整備するとき作った冶具が役に立ちます。


ユニットを全部抜いて観察したらここにバックアップ用と思われるスーパーコンデンサーがありました。

0.10F ですから 100000μF この容量は間違いなくスーパーコンデンサー、またの名をスーパーキャパシタ。

おっと、レンズを外したので撮像管が無防備になっていました。
黒のマスクを被せて安心。


ユニットはどれも異常なし、ということにしましょう。
次は裏側、マザーボード側の調査です。


2枚の基板は開閉式になっていてシールドを取るとマザーボードの裏側がむき出しになります。


スーパーコンデンサーに電圧が蓄えられているか調べてみましょう。
奥のフラットケーブルの下に見える半田付け2箇所がスーパーコンデンサーの脚です。


カメラ電源が OFF になっているのを確認して電圧を当たります。


マイナス側はボディアースと判断してしっかり接触させ値を見ると

大丈夫そうです。
電圧がこれで正規なのかはわかりませんがコンデンサーの耐圧が 5.5V ですから妥当なんじゃないの?

こういう制御回路って、電池は不要なんですかね。

コンデンサーが生きていればひと安心ですが、元に戻すときは少々手こずりました。
シールドはビスを緩めるだけで取り出すことができたのに下側のビスを抜いちゃったのでこのパーツを内部に落とすところでした。
ありあわせの長いビスを入れて押さえて


ビスとワッシャーを瞬間接着剤をほんのちょっと付けて仮止め。


これでなんとか収まりました。


このステーは前回修理したときちゃんと収まっていなかったみたいで、今回は慎重に固定。


ユニットを全部元に戻して


この状態で電源を入れて正常に映像が出るか確認です。


きれいなカラーバーが出ました。


レンズと VF も取り付けて調査終了。


じゃなくて、もうひとつ確認です。
ホワイトバランスは OFF(プリセット) , A , B があって、A と B は個別にセットできますが、
試しに A でフィルターは 5600° にしてタングステン球の照明でコピー用紙で合わせてみました。


このまま外の自然光でコピー用紙を撮影すると、モニター画面は当然真っ青になります

電源を切って何回か繰り返しましたがメモリーはちゃんと覚えているみたいです。

再度 VF を見たら電源投入時のメッセージは出ません。
フィルター番号表示の右に出ていた "ー" も消えました。

よくわかりませんがこれで良しということで、一軒落着。
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