自然はともだち ひともすき

おもいつくままきのむくままの 絵&文

回想の甘い味?

2016年10月30日 | 絵と文


顔の左側半分あたり。頭だか耳だか歯だかわからないところに軽い痛みが半日ほど続きました。
幸い息子夫婦が来ていて、いつも持ち歩く大きなバックの中から、魔法使いのように痛み止めやら滋養強壮剤やら
その他いろいろ取り出して飲まされて、ベッドの中へ押し込まれました。

魔法が効いたのかひと眠りした後はウソのようにすっきり気分爽やかになって  
それきり忘れてしまっていたのですが。

1週間ほどたったころ、朝の目覚めとともに出た大あくびが、中ほどでがくんと止まったんです
あれ?  遠い昔にも似たようなことあったっけ…
気になるより先に、なんだか引き込まれるような思いで次々と回想の歯車が回り始めました。

    若くて生活力も食欲も旺盛で、疲れを知らなかった頃
    妻は家庭を守り戸外で働くことは許されなかった頃
    それならばと勢いに任せて励んだ内職のこと。

    朝からガリ版の原紙切り、お昼にやっと昼食の賄い膳をこしらえて、
    さて頂きますとあんぐり口を開け、よう、としたたとたん
    がくんとあごの骨が鳴ってそれきり動きが止まっちゃった…

    趣味も兼ねて断り切れず始めたガリ版印刷の原稿作り、これはあとがひどかった
    手首、肘、肩、首と順に痛みが出て、幾度も医師のお世話になって、それだけでおさまらず
    とんでもない顎の骨までが圧力に抗しきれず、とうとう関節がエンスト起こすなんて想像もしなかった

    さてその内職のお蔭で、当時の生活レベルにふさわしくないほど高性能のステレオを据え付け
    最初に買い求めた白鳥の湖、淡いスタンドの光の中でうっとりと聞いた時の音色の美しかったこと!

    終戦後初めて交響楽団が焼け残った県庁の議事堂を会場に、演奏したのが白鳥の湖
    乾ききった心の中へ甘いメロンジュースみたいに沁み込んでいった…

    あのとき隣の席でドヤ顔していたMさんは、今も元気でいるのかしら
    その後演奏会場などとして復興の象徴となった市の公会堂。それさえも老朽しホテルと変わった今は…


甘じょっぱい回想は何処までも果てしなく広がっていくみたい  
ほんとうは、これで時間を浪費している気はちっとも起きてないのだけど。 でも
“思い出だけが人生ヨ”  などとは言ってらンないしo(- -;*) 

あ、また舌先に触れる奥歯の一本がぐらっと動くのを感じました
急に奥歯の噛み合わせが悪くなっていて、きっとそこへ疲れが溜って熱を持ったのが痛みの原因だったのかもしれません。

ほっておいてもいいのかなぁ?
これだと抜けるまでは片側ばかりでものを噛んでいるから、長く続いたらほっぺた変形するんじゃないかしらん?
今日の日まで歯の痛みなどは経験したことがないので、とってかわって今度は心配が…