堤幸彦の2018日記

空趣味、日記など
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牛歩

2008-10-12 08:22:16 | 日記


 



牛歩のごとく映画「20世紀少年」の撮影は進む



慎重に一歩一歩



でも確実に前に進んでいる



台本の残量が毎日減っているのだ



もちろんまだまだ時間はかかる



たっぷり撮るべきものがある



3本だけど質量は5本分以上かな・・・ 



来年の夏まで格闘する作品



 



でも台本の撮了線が増えるのは、少々寂しい



 



 



 



 





映画「まぼろしの邪馬台国」



11月1日公開!



私の両親は九州は大分の出身で



母親の旧姓は「宮崎」



九州で知らぬ人がいない有名人のストーリーは



なんだか他人事ではない



今回のお話は逆サイドの長崎・島原のお話だから



地域性も言葉もぜんぜん違うが



ちょっと「ルーツ探し」的な気分もあって



楽しく九州を見つめながら撮りました



小学生の頃、うるさいガキだった私は、両親の陰謀で



(両親は静かにテレビなど見たかったのか・・・)



夏休みの間中、毎年、九州に“強制疎開”させられていて



その時見た海、山、川、そら



感じた空気、温度、匂い



聞こえた幾万もの音(特にSL)、言葉



食べた味



旅した土地(阿蘇だ!)



これらDNAにインプットされた九州の記憶を呼び起こして



撮影に望んだのでありました



 



全国的に均一化する『日本文明』のつるんとした佇まいの中にも



当時の記憶に違わぬ痕跡を垣間見たり



引き継がれていくべき路傍の風景の重要性を認識したり



なかなか意味深い撮影の旅でありました



 



映画は難解な点は一つもない、優しい話



ぜひ劇場でご覧いただき



「ああ、九州の旅も、いいかも・・・」



など思っていただければ本望



そして数奇だが運命を楽しむ夫婦の話に



ほんわか暖かくなっていただければ・・・



時節もだいぶん寒くなってきましたし 



そんな願いをこめてお届けします



よろしくお願いします!



 



 







10月15日



青山スパイラルホールで



劇的3時間SHOWという連続トークイヴェントに出ることに・・・



文字通り3時間喋り続けるわけだが



かなり自信、ない 



ので、過去、今、これから組む有名プロデューサーの皆さんにご登壇いただき



私を“メッタ切り”してもらおうと・・・



どうなることやら



 



 




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残念

2008-10-07 09:12:29 | 日記


名優 緒形拳さんの死を悼む 



 





朝起きてそのニュースには驚愕した



訃報に「まさか・・」とおっしゃる方は多いが



本当にまさか・・と感じた



長く会ってないが元気な方だと信じ込んでいた



はじめて仕事をさせていただいた時



その仕事に対する情熱、取り組み方の“強さ”に驚き、畏怖した



会社帰りに玄関でドアを開けると、娘の恋人の靴を発見し、



怒り、居間に向かう・・という短い芝居の説明の時



私は「3秒靴を見てください。それで怒った気持ちになっていただいて、その間に男の靴のアップを撮ります。その間、怒った顔で待ってていただいて、中に入ってください」と説明したら



「そんなテレビ的芝居ができるかあ!感情は一瞬だ!何秒とかで測れんっ!ワシはすぐあがるっ!お前がちゃんとそれを見逃すなっ」



と激怒され頭をゲンコツで殴られた



「ううっ・・(テ、テレビなんだけど・・)」



緒形さんの手は大きい



痛かった



衆人環視の中、猛烈に屈辱だった



私の連ドラデビュー作「ポケベルが鳴らなくて」というドラマ



反発心も猛烈に芽生えたが



どんな小さな芝居でも自分の演技的生理を全身でぶつける演者=緒形さんの存在感に圧倒された



「ぱっぱっとやって早く終わろー」なんて思っていたであろう私の心を見透かされていたような・・・



自分を恥じた



私がこの人と“戦う”には映像の存在感しかないと決意



連ドラの5本目からの登板だったがそれ以前の作風と大きく変わる映像演出をした



不連続なアップの連続



水平感覚を失う手ブレ・・・



チーフDからはめちゃくちゃ怒られたが



どうせ殴られるなら思い残すことなく・・・意地だった



その後のドラマ作りの基礎となる



最終回、台風の中、撮影を待っている間、はじめて緒形さんとじっくり話をさせていただいた時に、そんな映像についてお褒めの言葉をいただいた、驚き恐縮



「お前はヘンだ。映画を撮れ」といわれる



制作会社から派遣された一介のドラマ演出の私には思いがけないお言葉だったが



その言葉がドラマから映画に向かう“恐怖心”を乗り越え



後押ししてくれたのも事実





その後、恐る恐るお願いした映画「さよならニッポン!」を主演していただく



沖縄の小さな島の村長が日本から独立して大統領になるという“演説”がテーマの荒唐無稽な話だったが



何度も夜、ホテルで演説原稿の確認をさせられるほどの気合いをいただき



そして何度も怒られた



琉球の開放感にこだわる緒形さんの気持ちと



ある種の政治戯画を撮りたい私の気持ちが重なって



興奮する作品作りになった



一連の宮古島作品の始まりにもなった



国内公開成績はぱっとしなかったが



(内容的にオウム事件と重なる点が多く、プロデュースサイドが弱腰に、公開も遅れる)



NYのリンカーンセンターで公開されるなど一部の評判にはなった



私のオリジナル映画企画の初めての作品だった





その後、舞台や映画やドラマやCFで活躍する緒形さんの姿は毎日見る



その度に「いい加減な演出してないかっ!」と叱責されているような気持ちになる



5~6年前、真偽は定かではないが人づてに「さよならニッポン!パート2」やりたいと緒形さんが言ってたよ・・と聞く



嬉しかった



企画書まで書いた



石油メジャーと国際女スパイが狭い島を暗躍し



混乱の果てに緒形大統領が広場に一同を集め



“世界を叱る”内容



ぬるい演出家としての態度を最初に殴り飛ばされたあのゲンコツの痛みを忘れたくなかったからだ



その企画書は誰の眼にも触れずに終わった





残念だ



全く残念だ





緒形さんの書く字が好きだった



やはり主張ある人生、反骨精神のある人生、拳を持つ人生、そして優しい眼を持つ人生を送る方は



メッセージとしてメディアとしての文字を持つんだなあ・・としみじみ思っていた



あらゆる意味で尊敬に値する方だった



 



最後にお会いしたかった



殴って欲しかった



 





ご冥福をお祈りします



 



堤幸彦 



 



 




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さらに深まる秋

2008-10-04 09:38:03 | 日記




2日



映画「まぼろしの邪馬台国」=マボタイのキャンペーンで福岡



まずは大宰府にあるすばらしい国立の博物館で取材やら試写会舞台挨拶やら



展示物もすごそうだったが建物のデザインが斬新で



へえええ・・・と思っていたら



館長様に挨拶という段取りになり



ただでさえカジュアルな私、このようなアカデミックな場所は全く似合わないなあと小さくなる



するととても優しそうな館長様



「ぜひここでロケなどどうぞ」とありがたきお言葉



ははーっと恐縮するが



“その眼”でちょろちょろチェック



いくつか取材を受け福岡市内へ



過去、「トーキングブルース」で何度も行った会館で舞台挨拶



直後、福岡空港、ナイトフライトで名古屋セントレア空港



常滑のホテルで遅い夕食(サラダ)



そのままホテルロビーで仲間とコンビニワイン飲



 



昨日3日



映画「20世紀少年」で常滑ロケ



もともとセントレアロケ終了後、食事時間の待ちに名古屋の盟友タダキ氏の導きで偶然見つけた常滑の街



古い町並みをきちんと保存し、新しいコンセプトの観光都市に変えていこうとしている試みに感動



名物の『土管』で街づくりとは・・・



「これはケンジの街だ!」



早速ロケを申し出、快諾していただき



もう何度も撮影



昨日はありがたくも市長様まで撮影現場にお越しいただき



ベリー恐縮



なるべくご迷惑かけぬよう(でも充分迷惑かけたおして)無事撮影終了



まだまだ続きますがどうぞよろしくお願いします



 



そのまま名鉄で名古屋



エスカの山本やで味噌煮込みうどん



新幹線で車内販売ちびワイン飲みながらCGノザキ社長とバカ話



すっかり真っ赤で品川



偶然同じ新幹線に乗っていた女優様に



「おひさしぶりです~・・・(あれ、赤い・・)」



「す、すいません、お、お、お久しぶりで、いや、ロケ終わって、酔ってまして・・」と弁解



恥ずかしかった(だったら飲むな)



酔い覚ましに金曜日のサラリーマンでごった返す東品川で夜風



涼しくて心地よかった



 



今日



またまた成城は東宝



撮影はゴーズオンです



 



 



 



映画「まぼろしの邪馬台国」



11月1日大公開



吉永小百合さんは本当に素敵な方でした



この作品を撮ることが出来て本当に幸福です 



感謝!



ぜひ劇場でご覧ください!



 




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