チューリヒ。
いい街であった。
いい人々と奥深い歴史があった。
超弾丸で滞在24時間だったが、
その「面白さ」を堪能した。
早朝にチューリヒ空港に着き(フランクフルトのトランジットは夜明けなのに恐ろしく混んでいて時間に余裕なく、焦って走りまくったが)
今回の映画祭を作り上げた日本人プロデューサー・MIZUKIさんと合流。
トラム(路面電車)行き交うバーンホフ橋の真横、
リマト川の畔、最もチューリヒらしい光景が一望出来るセントラル・プラザ・ホテルに投宿。
そのまま徒歩で写真撮りまくりながらチューリヒ湖、
シャガールのステンドグラスの聖母聖堂、
マカロン、チョコ菓子の老舗・Sprungli、
旧市街、
リンデンホフの丘などを急ぎ足で案内していただき、
昼食時には地元の人々でごった返す庶民的なレストランで激うまのソーセージ、豚肉のクリーム煮などの郷土料理に喜び完食し(時差ぼけで何時でもいくらでも食べられる!)、
ホテルに戻り取材を二件受ける。
ワタシの映画「MY HOUSE」の事は当地の新聞で既に記事になっていて、そのせいか二回の上映は満席とのこと。
その後、チューリヒに暮らすあらゆる人々で混みあうトラムを乗り継ぎ、ワタシがリクエストしていた場所に“見学”に出かけた。
そこは主張の強い人々の一種の解放区で一般には開放していないのだが、MIZUKIさんの旦那様(スイス人)の友人の紹介で視ることが出来た。
中の人々にはあたたかく迎えていただきたいへん刺激的な時間だった。
今回上映する映画「MY HOUSE」とも共通する風景だった。
様々なディテールに興奮した。
ひとことで言えば「都市のユートピア」
権力の空白地帯で、
しかしどこか牧歌的で明るく狡猾で憎めない。
1960年代のヒッピーコミューンが脈々と現代に息づく叛21世紀的磁場に感動したのだった。
僅か6時間で古いチューリヒ、
家庭的で真面目ななチューリヒ、
新しく美しいチューリヒ、
混沌としたチューリヒ、
自由で独立心の強いチューリヒ。
急ぎ足で見聞したこの街の瞬間の風景、人々の表情は生涯忘れないだろう。
夜のJAPAN FILM FESTIVAL《GINMAKU》での上映では満席の人々にしっかりとご覧いただき、
日本とは全く違う反応を体感した。
映画は世界の共通語と言うが、
フランクフルトに続きチューリヒに作品を提供出来たのは誠に光栄だ。
終了後のQ&Aは作品的に言葉足らずなところを鋭く突く、しかし暖かい質問の連続だった。
誰しも映画に真剣に向き合う。
素晴らしい。
もっと話題になる作品を作り続けたいと決意した。
終わってMIZUKIさんや旦那様、来場していたフランスの映画評論家、同じく招待されていた映画「FORMA」(素晴らしい作品です!戦慄しました!)の坂本あゆみ監督、主演のひとり梅野渚さん、プロデューサーの谷中史幸さん達と食事。
楽しく一日を終えて、再会を約束し(家族連れで行きたいなあ、ハイジランドとか)、
数時間ホテルで爆睡。
早朝、空港。
フランクフルト経由で羽田に本日(日曜日)早朝帰国。
ちょい自宅で休み、昼からつくばの現場。
今夜のロケは深夜まで。
明日は徹夜。
いつもの生活に即戻り。
夢を見たかのような数日間。
忘れがたしチューリヒ。
お世話になりました。
ありがとう!