ゆいもあ亭【非】日常

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ナイトシャマランと同じ匂い=「フォーガットン」もしかしたらネタバレ

2006-06-13 | 映画
『シックス・センス』以来、最も衝撃的なスリラー

この惹句がDVD「フォーガットン」(監督 ジョセフ・ルーベン 主演 ジュリアン・ムーア )のウラ表紙に書いてある文句だ。

しかし! しかしである。同じナイトシャマラン作品でも、これは「サイン」の吹っ飛び方に近い。

……ふふふ(笑い声)。そう、この映画は吹っ飛び映画だ!

1年余前、航空機事故で亡くした息子への追慕に、押しつぶされそうな母親テリー。精神科通いも効果はなく、息子への思慕は募るばかり。ところがある日、大事な息子の記憶が偽りで、そんな子どもははじめからいなかったと周囲の皆がいい始める。

当初は記憶錯誤と、記憶操作(洗脳)のミステリに見えつつ、このあたりでは、これ「ダークシティ」だの、あるいは、「マトリックス」だの(まあ、マトリックスは、ヴァアーチャル世界という仕組みがあるわけだが)のような、それ自体が「不思議世界」の話かと思われるようになる。

その先には「国家安全保障局」とかの干渉なんてネタが入り始めて、大規模陰謀モノの要素を示しつつ……そして、突然「アレ」である!

吹っ飛び映画なのだ。

サスペンス、なんてものじゃなく、本当に吹っ飛ぶ話が見たかったら、是非とも「フォーゴットン」を見なさい、と言おう。

さてさて。いたはずの子どもがいない、という「飛ぶ」映画には、「フライトプラン」などという別種の傑作も現われたが……本作の「吹っ飛び」具合には敵わないのだった。

こういう「吹っ飛んだ」話はありそうで、ないのだが、それで思い出したのは「サイン」だったんだな。

リアルな、「普通の」ドラマらしき展開が、ドロンと化ける時の仰天具合。これも、映画の楽しみといえば、楽しみだね。

終盤ジョルジョ・デ・キリコの絵画から色を抜いたような建物と柱、その陰影の中「忘れない」という勝負に勝ち抜く母親の姿により、物語は不可思議な感動のラストに至るのだった。


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