ゆいもあ亭【非】日常

映画や小説などのフィクション(非・日常)に関するブログ

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2006-05-26 | 映画
「スウィートホーム」

伊丹十三の、と冠(カンムリ)被されてしまったことで、世間的には伊丹映画と思われているが、ジャンル映画に詳しい人ならみんな知っている黒沢清監督の「スウィートホーム」。裁判も既に結審しており、従ってDVD化の目算も立たない様子だ。

Jホラーがブームないま、「歴史的」作品としてなんとかDVD化を果たして欲しいもの。権利関係というのが一番厄介なんだろうが、黒沢清監督の、現状でのカルト監督としての評価の高さとか、伊丹十三が故人であることとか、考えあわせれば、何か妥当な手打ちの方法もありそうな気がするのだが。

ダメダメ映画という評価もあるけれども、「神(唯一の基準となるもの)なき国(日本)」における「悪霊払い(エクソシズム)」のために「心の力」というキイワードを与え、未婚のキャリアウーマンが「母の妄念・子どもの執念」に打ち勝つために、「(偽りの)母の服装」に着替えるというシチュエーションを付与して作り上げたクライマックスは、「言霊の幸う国(日本)」のモダンホラーとしては優れていると思ったのだが。

女子高生エミちゃんであるNOKKOが、びっくり、女子高生に見えてしまうこの映画! 美術レポーターというよりは、最初から霊媒師かなにかに見えてしまうアスカ役の黒田福美、軽薄なカメラマン田口役の古舘伊知郎、優しい父=いい加減なプロデューサー=なにより優柔不断な男である和夫さん役の山城新伍、「……惚れた娘に 災い迫れば 命掛けても しかと守る 愛しのひとよ さよなら 別れだ 交わす瞳に キラと涙 ディア~ボロ 嵐吹くとも 轟く その名は ディアボロ・ディアボロ・ディアボロ  ディア~ボロ」とか唄ってウィスキーのポケット瓶をくにゃりと曲げ、心の力の存在を示す怪老人山村役の伊丹十三も、不思議な存在感があってみな良いのだ。(忘れておった。宮本信子! 主演だよな!)

それに、カプコン発売のファミコンゲーム「スウィートホーム」も面白かったな。戦闘場面のサウンドもよかったし。温(ぬる)いゲーマーだから、攻略本片手だが、マイ・ベストの一角にカウントしたいゲームだ。(「バイオハザード」の原典だといわれているくらいだからね!)

VHS版とLD版は入手可能だと思うので、あらためて見て欲しい。

既に公開後二十年が近い作品とは思えないぞ!


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