ゆいもあ亭【非】日常

映画や小説などのフィクション(非・日常)に関するブログ

「TATARI」こそ罰当たり! 傑作だぞ! 「地獄へつゞく部屋」!

2007-01-04 | 映画
地獄へつゞく部屋

「マスターピース・オブ・ホラーDVD BOX」のうちの一本、凶々しい極彩色(デッドリー・カラー)というコンピュータ着色が感動モノのこの作品を遂に見た。

冒頭、呪われた屋敷の由来を観客に語る男が、呪われた屋敷の現在の所有者で、アル中のプリチャード(エリシャ・クック・ジュニア)。「奴らが殺しにやってくる」と確証があるらしい。

ヴィンセント・プライス演じる大富豪フレデリック・ローレンが、噂の幽霊屋敷に五人の男女を招待し、四人目の妻アナベル(キャロル・オーマート)の誕生日を祝う。ひとり目の妻は行方知れずで、二、三人目の妻は変死したという。それを承知で結婚した妻もしたたか者で、大富豪の言うことには今までに何度か彼に砒素を盛った疑いがある。五人の男女はこの呪われた屋敷で一晩を過ごせばひとり1万ドルを得ることが出来るという。

前半から終盤間際まで、「幽霊」を見るのはローレンの会社に勤める最も貧乏な女性従業員ノーラ・マニング(キャロリン・クレイグ)。一番可笑しかったのが、彼女が幽霊だと主張した人物が実は管理人夫妻のうち妻の方で、盲目なので動きがおかしかったというところ。これには脱力した。

そして、どうも彼女ばかり幽霊を見ると思ったら、実はアナベルが精神科医デヴィッド・トレント博士(アラン・マーシャル)と組んでいて、彼女を精神的に追い詰めて、ローレンのことを殺人鬼と思わせて彼を射殺させる計略を持っていたとわかる。

その陰謀を巡らせたふたりが、逆に葬られるのであるが、特にアナベルを追い詰める骸骨の動きがまるで間抜けな操り人形だよと思っていたら!!!!!

実はまさにフレデリック・ローレンが妻アナベルを怖がらせて殺すために用意した操り人形だったのだ!

そう。この作品には「本物の幽霊」は出てこないのである!

エンディングでは、しかし、まだまだ「彼らの呪いは続くのだ」とのプリチャードのご託宣が下るのである! 唖然、騒然!

しかし。しかしそれでも、「TATARI」の特撮の派手さとは別の部分で、おどろおどろなムードが素晴らしい。ネタばらしをしてしまったが、実際には有名なオチであるようなので、オチを知っていてさえ面白いと保証したい。

機会があれば見て欲しい。