映画で楽しむ世界史

映画、演劇、オペラを題材に世界史を学ぶ、語ることが楽しくなりました

大人のための「禁じられた遊び」

2010-12-26 18:37:31 | 舞台はフランス・ベネルックス

ギターをやる人はみんな挑戦する名旋律のあの映画。禁じられた遊び

フランスのルネ・クレマン監督の代表作でもあるが、原作脚本の名は「木の十字架、鉄の十字架」とのこと。

本当に可愛い少年、少女主役の童話風の、それだけに余計物悲しい、切なさが身にしみる戦争憎悪映画。バックとなっている当時のフランスのことを考えてみる。

 ①ナチスドイツは、1938年オーストリア併合、チェコスロバキア占領を果たし、

②ついに1939年9月1日、ヨーロッパ征服戦争に突入する。その初期の目標はポーランドやリトアニア、更にはデンマーク、ノルウエーなど東部、北部諸国。

③西のフランスやイギリスなどは、9月3日には対独宣戦布告するが、双方とも翌年5月まで軍事行動をとらず「奇妙な戦争」とまで言われていたが、

④ついに1940年5月10日、ベネルックス3国へ進攻、5月13日フランス軍の要塞セダンが抜かれ、

⑤6月4日、ドイツ軍はマジノ線を簡単に突破し、英仏軍がダンケルクに追い詰められ撤収、6月14日にはドイツ軍がパリ入城、フランス政府はボルドーに移り、22日休戦協定を結び、フランス国土の三分の二がドイツの占領下におかれる。

⑥フランスで、第三共和制が崩壊し、ヴィシー政権が成立する。

この映画の冒頭シーンは、上記6月の何日か、パリやその近郊から難を逃れて田舎へ向かうポーレットが、途中機銃掃射にあい両親を失うシーン。フランスの農村風景がよく描かれている。

この映画で主人公たちが禁じられる遊びが「十字架集め」。日本の子供たちだったらこのような遊びをするだろうかと考えてゆくと・・・この「遊び」は戦争に対して無力なカソリック教会を意識しているような気がするが、如何だろうか。

人気ブログランキング挑戦



コメントを投稿