映画で楽しむ世界史

映画、演劇、オペラを題材に世界史を学ぶ、語ることが楽しくなりました

オランダ黄金期「レンブラントの肖像画」

2011-02-01 21:45:28 | 舞台はフランス・ベネルックス
数少ない、オランダ史に触れる映画

司馬遼太郎氏が好きだったオランダ。
「街道をゆく」の中でも、特に日本人にとって「オランダ紀行」は必読書だと思うが、その中で彼はオランダの黄金期・レンブラントの絵画を絶賛する。

一言でいえば、近代的な意味での市民社会は17世紀オランダで初めて成立したが、その象徴ともいえるのが「集団肖像画」・・・聖書画ではない、国王諸侯の絵でもない、
まさに生きた市民が初めて主役に躍り出た絵画。しかしそこには絵描きの方も、描かれる人たちの方もいろいろ事情があって、欲得が絡んで、ものすごく人間的。

この「レンブラントの夜警」大変面白い。

ミステリー仕立てであるが、考えてみると、歴史に迫るのはミステリー風にするのがいいのかもしれない。出来るだけ真実に迫った書物など勉強はするが、最後は作者が話を繋いでミステリーっぽく仕上げる。これぞ歴史を楽しむ醍醐味。

そう考えると、昔「薔薇の名前」という映画があった。更にさかのぼれば「ピラミッド」「エジプト人」などもその奔り・・・、後はおまかせ。しかしこの種映画は概して話の密度が高くて、見る方に少し緊張を強いる。

この映画も少し難しく見えて、もったいない。
映画の作りにも原因はあるが、特に字幕で、重要な登場人物や場面の意味の紹介を怠っていたり。相当前もって勉強してゆくか、2-3回、目を凝らしてみないと分からない可能性大である。(了)


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