萩原朔太郎「天景」より
しづかにきしれ四輪馬車
半紙
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詩の全文は、以下の通りです。
天景
しづかにきしれ四輪馬車、
ほのかに海はあかるみて、
麦は遠きにながれたり、
しづかにきしれ四輪馬車。
光る魚鳥の天景を、
また窓青き建築を、
しづかにきしれ四輪馬車。
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室生犀星の詩の影響をつよく感じさせる詩。
若い頃の、犀星と朔太郎の情感の世界は
混沌として混じり合っているようですが
やがて、まるで別の世界を展開するようになります。