別役実「赤い鳥の居る風景」より
つらいほうを選びなさい。
あなたにとってどっちがつらいのか、それを考えなさい。
そしてそのつらい方へ行くの。
半紙
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ぼくは、いつも、「楽なほう」を選んできましたから
こういう言葉が、舞台の空間に放たれると、ドキッとしてしまいます。
そして、深い反省に導かれるのです。
ただやみくもに「つらい」ほうを選べというのではありません。
簡単にいえば、(ほんとうは簡単に言ってはダメなのですが)
現実をきちんと見なさいということです。
現実を見て、それを受け入れることは「つらい」のです。
芝居を見るということは、「楽しむ」ことでもありますが
生き方を考えることでもあります。