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一日一書 1708 寂然法門百首 56

2021-11-12 11:48:38 | 一日一書

 

合会有別離


 
別るゝもかへりて苦し仮の世は会はでぞ人にあるべかりける

 


半紙

 
【題出典】『涅槃経』二


 
【題意】  合(あ)い会えば別離あり。

会えば必ず別れはある。


 
【歌の通釈】
別れるのもかえって苦しい。仮初めのこの世では、誰にも会わないで人としているべきなのだよ。


【考】
愛別離苦を詠んだもの。別れるのは苦しいからこの世では会わずに、極楽で良き友との永遠の出会いを楽しもうという。

 

(以上、『寂然法門百首全釈』山本章博著 による。)


▼「会うは別れの初め」というようなことは、歌の文句にもよくあります。だからといって、誰とも会わないでこの世を暮らすことはできません。「愛別離苦」は、もっとも痛切な仏教の概念ですね。
▼しかし、「極楽で良き友との永遠の出会いを楽しもう」というのは、もし、可能なことなら、こんないいことはない。現代人は、こんなことをまともに考えたりはしないでしょうが、中世の人々は、案外、これを現実的なこととして考えていたのかもしれません。
▼「誰とも出会わない」人生は、不可能ですが、「極楽での永遠の出会い」は、人間の最大の夢ですね。

 

 

 

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