「千字文」
「尺璧非寶 寸陰是競」より。
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「尺璧非寶 寸陰是競」は、
「一尺の璧は宝ではない。一瞬の時間、それを追え。」の意味。
「璧」とはドーナツ型の硬玉(翡翠などの輝石)。
つまり大きな宝石など宝物ではないのだ。
それよりも、ほんの一瞬の時間の方が大切な宝なのだから、それを追い求めよ、ということ。
「一寸の光陰軽んずべからず」という朱熹の句が有名ですが、
そこには「時間を無駄にしないで勉強しろ」といった道徳的な響きがあります。
それに対して、こちらは、
「一瞬の時間」そのものの宝石にもまさる価値を説いていて、
お説教くさくない。
そこが魅力です。
コラ書の方も、なるべく美しいイメージを追究してみました。
「一瞬」の中にある「無限」が感じ取られればいいのですが。